ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

オトギリソウと夏の庭

 

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 今日は休日。良い東風が吹いて,日差しは暑いのですが涼風が家の中を吹き抜けます,クーラーが要らないほどに。風の通り道に椅子を出して文庫本を開けば,ずいぶんとはかどります。こんな日は一歩も外出したくないのですが,庭が荒れ放題なのでのんびりもしてられません。

 

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 やりたい放題のスイカズラとクサボケを切って,地を覆って繁茂するコニシキソウスベリヒユに鉄槌を下します。

 

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 大汗かいてふと気づけば「三角地帯」のオトギリソウが盛りを過ぎてました。

 

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 三角地帯についてはいずれまとめて。この庭のひと隅,ブロックに囲われた一角がなぜか突然珍植物の出現する異空間なのです。コスミレ,アマドコロ,ヘビイチゴカラスビシャク,ススヤアカバナ……ワープホールでもあるが如き脈絡のないオンパレード。

 

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 で,このオトギリソウ。少なくとも半径2キロ以内にこれの自生地を知りません。種子は主に親株の根元にこぼれダネ。鳥の羽毛に付いて運ばれるなんて芸当はできないはずなのに,突然ここに現れました。

 

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 存在に気付いたのは2015年。独特の対生する葉に黒い油点が散在するのでそれとは知れましたが,いや待てよなんでこんな住宅地にオトギリソウ,と戸惑ううちにさっさと開花して堂々と自己主張。

 

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 日当たりが決して良いとは言えないこの三角地帯に,黄色い星が舞い降りたように見えました。これで私,一目ぼれ。以後何かと手をかけています。第一印象でここでの地位を勝ち取ったのですから大したものです。

 

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 弟切草,とは不穏な名ですが,由来はネットでどうぞ。要するに傷薬として昔から知られているゆえの伝説とネーミングです。この花の愛らしさを損なうものではありません。

 

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 他の雑多な植物たちと激しく競合する場所ですが,毎年けなげに開花してくれます。これはミツバアケビに絡まれて引き倒されていた株。葉をダンゴムシに食われながらもなんとか立ち直りました。

 

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 オトギリソウ科の特徴は,何といってもこの美麗なるシベ。栽培されるキンシバイ(金糸梅)やビョウヤナギ(未央柳)ではこのシベが強調されてますが,オトギリソウでも十分に見ごたえがあります。

 

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 実生の株も増えて,世代交代も順当に行われています。これからも見守っていきましょう。さて。

 

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 夏の庭ではコムラサキシキブの小花が咲き

 

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 春にアブラムシを追っ払ってやったウメモドキの実が大きくなり

 

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 ミツバアケビも順調です。

 

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 今週火曜日には立秋です。私の庭も秋の準備がひそやかに進んでました。オトギリソウは晩秋に鮮やかな紅葉となります。その季節をまた穏やかに迎えられれば良いと思います。読者の皆様もこの酷暑を乗り越えて,どうか素敵な秋をお迎えください。

 

  

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茨城の米はコシヒカリ

 

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 一面の田んぼの中にぽつんと自動車修理工場があります。水戸市の東端,かつて常澄村つねずみむらと呼ばれた穀倉地帯。涸沼ひぬまがわを渡ればもうそこは大洗町という立地。家族経営の小さな車屋さんです。


 愛車・ジュークターボのオイルがしばらく放ったままなのを思い出して,30年お世話になっているこの車屋さんに行ってきました。昔この辺りに住まっていた時に,ちょっとした修理に寄って先代に親切にしてもらって以来のご縁です。私はこういう縁を大切にしたい性分なので。


 オイルとエレメント交換で30分ほど。私はいつも,カメラ片手にそこら辺をほっつき歩いて時間をつぶします。退屈しません(とても遠くがみえた日 - ジノ。 参照)。今日は田んぼを歩きましょう。

 

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 庭にヒルザキツキミソウ。派手過ぎず,地味過ぎず。自分の美の演出を心得ているような花だと思ってます。あ,好きってことですよ。

 

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 田んぼの隅に,えらく立派なオモダカが生えていました。お百姓さんがわざと残している風にも見えます。……手に負えない田んぼの雑草ではあるのですが,実は私の家の家紋です。カタバミとかオモダカとか,雑草のくせに貴ばれて家紋のモチーフになっている者たちがいるのが面白いですね。きっとその生命力や繁殖力に子孫繁栄や一族の興隆を託されたのでしょう。ちなみにこれを品種改良して食用部分を大きくしたのが正月料理に使うクワイ。これまためでたい食材です。

 

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 田んぼの風景。見よ!これすべてコシヒカリ(たぶん)。茨城のコメは基本,コシヒカリです。どんな食堂でもどんな宿屋でもどんなコンビニのおにぎりでも,すべてコシヒカリ。本当に,どこで食べても美味しいんです。

 

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 おお,イネの花。お米の元。そうか今が開花期か。台風が来なくて良かった。

 

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 厳密には,開いて咲いて閉じた直後というところでしょうか。お米の花は晴れた日の午前中,2時間ほどしか開きません。いわゆるモミが開いてその間に受粉し,やがておしべを外に残して閉じます。後はゆっくりと,美味なる胚乳を蓄えていきます。収穫まで一か月と少し。

 

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 まだ開いてるのがありました。めしベが見えてます。

 

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 一面に稲が育つ風景。日本人の原風景。東京育ちの夏目漱石はこれが毎日食べているお米の栽培風景と知らず,友人の正岡子規を呆れさせたと言います。私もそんな日本人はイヤだな。昔何かのバラエティー番組で都会育ちらしい小娘タレントが列車で地方に行くロケがあって,とある無人駅で一面の水田風景を見て「まるで日本じゃないみたい~」とか叫んでいました。バカだなあ,と。こんなのがそのまま大人になって,原発も米軍基地も地方にあって当たり前,とか考えるのでしょうね。私は自分が地方に生まれ育ったことを神に感謝しています。

 

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 今年も豊作でしょう。早くおいしい新米が食べたいなあ。

 

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 田んぼの向こうに海門橋。那珂川涸沼川の河口にかかる大橋です。右が大洗町,左が旧那珂湊市街。


 母が京都旅行をした時のこと。南禅寺のそばの有名な湯葉の店に寄ったそうです。テレビや雑誌で紹介されるような店,と言っても私には10円の価値もないのですが,もちろん母は喜び勇んで入店しました。で,確かに湯葉は美味しかったのですが,一緒に出たご飯がとてつもなく不味かったそうです,母の京都幻想を吹っ飛ばすほどに。ナイスだ,湯葉の店。


 いや,決してケンカを売る気はないのですが,私自身も西国を旅して痛感するのは米と水の味です。清明な水とコシヒカリ茨城県人の幸せ。嘘だと思うならどうぞ茨城にお越しください。そしてそこらの汚い…もとい地元民が利用するような食堂で定食の一つも頼んでみてください,ご飯の味にびっくりするから。日本海側の多雪地帯の甘い水とササニシキも素晴らしいですが,私はやはり自分の土地の水と米を美味しく感じます。


 女の子と外食をして,ごはん粒を残さず食べたら貧乏臭いと言われた,その女の子はごはんを半分残してたという話を聞いたことがあります。お米の一粒一粒には神さまが宿ると昔の人は諭しました。白米を銀シャリと呼んで有難がる人がいたのはつい一世代前のこと。日本人の美徳は主食のお米にも発揮されていました。今の豊かさがほんの一時的な現象だと考える私には,いろいろと不安な昨今です。

 

 

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カヤランクモランへの6番

 

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 ああ,とうとう使ってしまったこのタイトル。台風のせいだと言わせてください。


 台風12号,まるで私を避けるかのようにカクっと曲がって行ってしまいました。我ながら恐るべき天候力(造語)です。進路に当たっちゃった皆さんごめんなさい。本気にしないでね。


 台風ですよ。ここらもそれなりの風雨でしたよ。行かねばなりませんね,への6号フィールドへ。前出(カヤランクモラン - ジノ。)をご参考にどうぞ。そう,ここは着生ランを拾えるんです。風・雨・雪の後は。


 もう採取はしない,というのは前述の通り。ただ路上に落ちたものが車に踏みつぶされるのが不憫だし,珍しいものではあるので見てみたいし,発生状況を確認したいし。ここのところ不作だったので,行かねばならないという義務感がありました。アレを見たければあそこに行けばいいという引き出しがあることは,ナチュラリストの強みです。それにへの6号フィールドは冬虫夏草の産地でもあります。まあ期待しないで行きましょう。

 

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 路上にミズカマキリ。むかし学校のプールによくいました。雨が上がるとすぐ水場を探して飛んでくるんでしょうね。さすがに水たまりに獲物はいないよ。

 

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 さっそく幼体ではありますがカヤラン。よし,ちゃんと生育してるな。ほっとします。

 

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 何があったのだろう,ヒキガエルが亡骸をさらしてました。立派な成体です。ここまで成長するのに10年? それ以上? 前のめりの姿に,この個体が歩んだ人生を想います。

 

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 びっくり。半径1メートルほどの範囲にまとめて落ちてました。集めてみましたが,ざっとカヤラン4,クモラン8ほど。もっとあるかな。

 

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 カヤランの幼体はスギの球果に付いているものが多い。足掛かりになりやすいとか水分が保持されやすいとかあるのでしょう。

 

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 クモランもいっぱい。こんなにまとめて採れることは滅多にありません。

 

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 これかわいい。ああ,連れ帰りたい。

 

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 まだ雨がぱらついています。森の中は滝ごうごう。

 

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 空中湿度の高い森です。シダ植物のマメヅタが至る所に。

 

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 水たまり。映る森はただの逆像? いいえ,逆さにしても現実の正像にはなりません。水たまりの中だけの虚像。

 

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 で,でたあ。コウガイビル。いつ見てもどう見ても気持ち悪いよお。合目的な運動のできる多細胞動物ではもっとも原始的な「扁形動物」の仲間,わかりやすく言うとプラナリアの同族。こんなですが肉食です。照葉樹の森にはもっとすごいオオミスジコウガイビルというのがいて,もはや絶叫ものです。「へんないきもの」でも取り上げられていましたね。

 

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 お花は今回はこれだけ,ハグロソウ。水玉きれい。

 

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 カヤランクモランぞくぞく。ようやくカヤランの成体も見つけました。結実しているものも。

 

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 葉に白く地衣類が付き始めたカヤラン。落ちて日が経っているのでしょう。カヤランもクモランも,地に落ちたらそこまで。それだけの環境変化で弱り,覆われ,食われて消えていきます。かくもはかない生命も,この世にはあるのです。

 

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 最後に成体のカヤランを見つけて今日の探索はおしまい。見つけたのはすべて踏まれない場所に置いてやりましたが,何をしても地上では生きていけません。儚いものたち。

 


 この日このあと,お葬式に行ってきました。21歳の男の子。大学生で我が世の春を謳歌していました。事故で突然に。ご両親にかける言葉が見つかりませんでした。

 


 かくの如きか。人も,野の花も。 

 

 

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4000アクセス超えました

 

 

 とにかく貧乏でした。

 

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 大学を出て就職した時,世はバブル。人々は有り余るカネを湯水のように使い,老いも若きも昼夜なく笑いさざめき,見渡す世界はまるで不夜城のよう。いまの若い人にはバブル高度成長の違いが判らない方もおられると聞いたので説明しますが,日本人がみな額に汗して一生懸命働いて揃って豊かになったのが高度成長期。汗まみれになって働くのは恰好悪い,株や土地転がしで楽して儲けて遊んで暮らすのが恰好いいという風潮に日本全体が狂ってしまったのがバブル期。本当にイカれた時代でした。

 

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 親からの援助を断って自活を始めた私ですが,初任給は手取り10万。家財道具はふとんだけ。窓に張るカーテンもなし。今のような安売り店はほとんどなく,事実上物価は今より高かった。食うにも困りました。もちろん自炊ですがそれもおぼつかない時には職場への差し入れの余ったパンを持ち帰って食ってました。見栄を張って女の子にご飯をおごった翌日は心底後悔したものです。若いからできた生活だったと思います。何より貴重な経験だったとも思います。そう思うのは,そんな生活の中で毎日ちゃんと家計簿をつけ,毎月千円とか二千円とか律儀に貯金していたから。おかげで,あの狂奔の時代に金銭感覚を狂わせずに済みました。金銭感覚って,一度狂うと元に戻せないって知ってましたか? 私の周囲の大人たちには,その後バブルが弾けて収入が激減しても贅沢な暮らしをやめられずに破綻していった人がたくさんいます。私はというとなんとか人並みのお給料をいただけるようになり,家を立てて庭を買っても今は借金ありません。あの時代があったからこそ,今の私が有ると思うのです。

 

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 延々と何を書いているかって?

 

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 それを今日の表題,4000アクセス超えたことに対する戒めとしたいからです。

 

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 正確にはきょう7月29日午後11時の段階で4226。およそ11か月かかりました。

 

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 2000アクセスの時にも書きましたが,世の中には瞬く間に数千アクセスを稼ぐ人がおられます。私はそんな方々に張り合おうとは思いません。ツイッターのフォロワーがたくさんおられて,ブログ更新しました!とかつぶやけばたちまち数千,とか。フェイスブックやその他のSNSを使いこなしておられる方もいるでしょう。でも私はブログ一本。たまたま検索で来てくださるお客様だけが対象です。ですからブログ始めて最初の1か月はアクセス数37。記事も毎週2つずつ追加するのが精いっぱい。ただし,5年たっても10年たっても「読める」記事,何度でも読み返してもらえる記事を心掛けました。

 

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 月ごとのアクセス数のグラフ,あげておきます。最初の4か月の,いや少ないこと。でも当時はこれで喜んでいたんです。自分の文章を読んでくれる人が100人もいた,と。

 

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 1月からグラフが跳ね上がったのは,12月の後半に「にほんブログ村」に登録したから。てきめんでした。その後も微増していたわけですが,いきなり7月にアクセス数が増加します。現時点での7月のアクセス数1365。総アクセス数のじつに1/3をこの7月に叩き出しているわけで,もうワケわかりません。何もしてません。強いて言うと記事の数がようやく100に達した月である訳で,以前どなたかのブログで記事数が三ケタにならないとアクセス増えないよ,てなことを拝見しましたが,そういうことなのでしょうか。詳細な分析ツールは持っておりませんが,同じ方が来訪のたびに複数の記事を読んでくださってますね。ありがとうございます。

 

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 ランキングサイト「にほんブログ村」でも,有難いことに最近は記事を上げると「注目記事」の上位になることがあって,ああ私の記事を待っていてくれる人がいるのだと思うと力が湧いてきます。ただ不思議なことにこれだけアクセスが増えたのにランキングが変わりません。いや不思議でもなんでもなく,ポチッとしてくれる方がまだ少ないから。頑張ります。もっとも,ランキングを上げること自体は簡単です。外部のPCから自分でアクセスしてポチッとすること。でもそれはブログを始めて以来の戒め「絶対に自分アクセスしない」に反するのでしません。ランキングを上げることが目的ではない,とは前に書いた通り。何より私の矜持に反します。

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 相変わらず,私の周囲の人は私がブログをやっていることを知りません。恥ずかしいから言ってきませんでした。そろそろカミングアウトのタイミングかな。驚かれるかな。スルーされるかな。ふだん人に接している人格と文章の人格が違う気がするのですが,周囲はどう見てくれるのだろうか。

 

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 何をしてもそれが頭の中から文章になってぼろぼろとこぼれてくる。何を見てもシャッターを押さずにはいられない。そんな,文章と写真に取り憑かれた人間です。それを人様に晒すことのできるブログというものを,本当にありがたく思います。

 

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 この勢いなら,読者の皆さんを裏切るような真似をしない限り,年内に1万アクセス超えるでしょう。はてなブログの運営さんからは有料だけどいろいろな機能のある「PRO」にしないかとお誘いが入ります。光栄なことです。でも私は忘れません。1日1アクセスあるかないかの日々。今日は誰かが私の文章と写真を見に来てくれた。うれしいなあ。もっと頑張らなくちゃなあ。たった1アクセスでそんな幸福感,高揚感を感じることのできたあの頃を。

 

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  峠を一つ越える日の,明日という日にまた峠あり。

 

 

 

 ↓ そんなわけでポチッとお願いします。

 

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アカボシゴマダラ,異国の丘に

 

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 皆さんのご在所ではまだ酷暑は続いておいででしょうか。ならばお悔やみ申し上げます。


 水戸では――もともと関東の県庁所在地で一番気温が低い街なのですが――月曜日に秋の雲が出てるなと思ったらその晩から東風が吹き始め,きょう火曜日は窓際ならクーラーがいらないほどの風です。海からの冷たく湿った重い風。これが吹き始めると夏の暑さも一段落です。旧暦でもまだ6月なのですが,秋の匂いがするような。

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    つるちゃんのプラネタリウム」様より


 もともと自然を見つめながら生きてきましたが,昨年このブログを始めてからはいっそう季節の移ろいに敏感になった気がします。いかに現実にまみれようとも,この感覚は大切にしたい。そしていつか,自分なりの自然観,世界観に到達できればいいと思ってます。この効率偏重・利益重視の世の中で,こんな人間がいることもどうかお知りおきくださいね。


 さておかげさまで仕事の方は一段落つきました。いろいろ愚痴ってごめんなさい。すべて片が付いたわけではありませんが,まあ自分のペースで進められるレベルにはなりました。いい風が来ています。今日は早めに切り上げて自然の息吹を肌で感じてみましょう。いざいつものフィールドの,見晴らしの丘に。


 こういう時はいつも山下の駐車場に停めて,森の中の階段を60メートルほど一気に上がって丘の上に出ます。ひと汗かいて風に吹かれる爽快さ。ここから見えるのは遥か東の海岸線から日立の山,北西方向かなたには八溝山までの絶景。ただし海方向は海霧に包まれ,日立の山も今日は見えません。夏の東風の日はいつもこんな感じです。

 

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 ウツボグサは夏枯草かごそうの名の通りこんな姿に。もう少し前の状態の時が膀胱炎の薬になります。つい1か月前は下のような艶姿だったのですが。

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 イヌザンショウの花はもうすぐ咲きます。この花に集まる虫を語るだけでブログ記事一つまるもうけ。

 

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 キキョウはまだ咲いてます。もう何百枚も撮っているのに,見るたびにやはりカメラを向けてしまう。でも満足な写真にはならない。これほどフォトジェニックな存在を,このキキョウ以外に私は持っておりません。

 

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 何かがぱっと飛び立って,また戻ってきました。チョウです。

 

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     アカボシゴマダラ

 

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 一歩一歩近づいて……

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 なんと10センチまで接近を許してくれました。頭をこちらにかしげているのは,それなりに気にしてはいるから。でもとにかく,アップで写真を撮らせてくれました。

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 体毛の一本一本まで写りました。精緻で,機能的で,そして美しい。野生の生命のこの気高さに圧倒されます。


 かつては憧れのチョウでした。なぜって,日本では奄美大島にしかいないから。高校生の私は図鑑の写真を見ては嘆息したものです。


 それがいつしかそこらへんになんぼでもいるチョウになってしまいました。理由は簡単。東アジアには広く分布するこのチョウを自分の庭で見たくて,中国大陸から連れてきて放してしまった愚か者がいるから。


 愚か者なんて言葉は極力このブログで使わないようにしてきましたが,さすがにこれは。埼玉か鎌倉あたりのマニアの仕業とネットにありましたが,現地のマニア間では個人を特定できているんじゃないかな。いずれにせよ愚かしいことです。こういうだらしないことをするのはある特定の世代の人かなんて勘ぐってしまうけど,実際はどうなんでしょう。


 すいません,怒りに任せてしまいました。アカボシゴマダラでしたね。


 このチョウに罪はありません。放された土地の気候がとても合っていて,人為的環境もいとわない柔軟性もあったのでみるみる関東一円に広がりました。山頂に集まる習性があるので富士山頂でも目撃されたとか。たくましいことです。たくましさも,生命の美のカテゴリー。このチョウの存在が問題になるのは,在来のゴマダラチョウや国蝶オオムラサキと幼虫の食草が被るからで,これらに影響を与えるというので環境省から要注意外来生物に指定され,今は生態系被害防止外来種と呼び変えられています。いかにも役人くさい呼び変えですがそれはさておき。

 

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 実は2012年に撮った写真に幼虫が写り込んでいました。このころには水戸に定着していたんですね。


 たぶんいろいろ偏見をこのチョウに対して持っていたのでしょう,私の標本箱にありません。中国語でしゃべられたらどうしよう,なんて。よし待ってろ。いま補虫網を取ってくるからな。そう思いつつまずは写真に収めようとしたのですが,接するほどにカメラを近づけてもナイスポーズのまま。ここまで協力的だと情がわいてしまいます。写真ならいくらでも撮らせてあげるから,ねえ殺さないで。 ううううう


 標本採取は生物学の基本中の基本です。残酷だという人のご意見もごもっともですが,とにかくそれが生物学なのです。でもまあ,これからいくらでも機会はあるでしょう。今日のところは生を謳歌してください。我ながら本当に詰めが甘い。

 


 故郷を遠く離れた異国の丘を優雅に舞う美しいチョウ。生命のありようは,いつも私にある感慨を呼び起こします。

 生きよ,たくましく。

 

 

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冬虫夏草いろいろ

 

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                                                                          冬虫夏草 ウスキサナギタケ

 

 前回の記事(北茨城,花園の花と虫 - ジノ。)を受けて,今回は冬虫夏草の古い写真を並べさせていただきます。ほとんどが二十年以上前のポジフィルムから起こしたもの。私は茨城の山野でこんな不思議なものを見てきたんです。


 まずお見せするのは「不完全菌類」。なんだ不完全て。菌類の分類のややこしいところですが,その解説はまたいずれ。

 

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 ハナサナギタケ。最もよく目にする,冬虫夏草の最普通種。地中のガの繭から発生していました。じつはこの写真の個体,私の生涯初の冬虫夏草なんです。盛口満氏の本を読んでその気になって職場近くの神社の森に出撃してあっさり見つけてしまったもの。フィールド運の強さは自慢ですが,その後の探索活動の困難さを思うと本当に奇跡的な発見でした。これでハマっちゃったんだよな。

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 一般的なハナサナギタケ。こんな風にガの繭を突き破って柄を出し,それが地上に現れます。

 

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 コナサナギタケ。前種とよく似てます。

 

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 オサムシタケ。貧相な個体ですね,これ。明治神宮の森に出るそうな。

 

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 ギベルラタケ。葉上のクモから発生。

 

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 クモタケ。キシノウエトタテグモの巣穴から発生。筑波山で見つけました。

 

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 マユダマタケ。朽ち木中の甲虫類の幼虫に取り付きます。

 

 

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 ツクツクボウシタケ。前出(ツクツクボウシの森にて - ジノ。)。

 

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 ヤンマタケ。ミルンヤンマ,ノシメトンボといった特定のトンボからのみ発生。


 ここから完全型冬虫夏草

 

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 ウスキサナギタケ。最初のハナサナギタケと同一種です。

 

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 サナギタケ。いちばん名前をよく聞く冬虫夏草

 

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 ツクツクボウシセミタケ。たくさん生えるツクツクボウシタケの中に混じります。

 

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 ガヤドリタケ。冬によく見つけます。

 

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 カメムシタケ。小型のものは実はそこらへんに。

 

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 キイロクビオレタケ。朽ち木の中の甲虫の幼虫から。

 

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 テッポウムシタケ。通常は木の中から出てるのですが,これは森の地上に落ちていた。たぶん生息していた木が折れたのでしょう。おかげで見つけられた。

 

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 マルミアリタケ。ムネアカオオアリの女王から。新たな一族を創成しようと意気込んでいた女王を,なんとむごい。

 

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 フトクビハエヤドリタケ。まだ胞子を作る器官「子嚢殻」を形成していません。

 

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 タンポタケ。ツチダンゴ菌という地中だけにある世にも珍しいキノコに取り付くという,これまたレアものの冬虫夏草

 

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 カイガラムシタケ。「子嚢殻」があるように見えるのでそう分類しましたが,ひょっとしたら不完全菌のギベルラタケかも。

 

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 一日の戦果。良い「坪」に当たればこれくらい。

 

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 冬虫夏草酒。有効成分コルジセピンなど。ガンの特効薬だというし,健康にいいんでしょうけど,……正直に言います。虫臭い!

 

 いま私が最も敬愛する作家,梨木香歩さんの最新文庫本のタイトルが「冬虫夏草」でした。期待通りの内容で,深く感じ入る一冊。中の一篇のタイトルが「サナギタケ」。突然に冬虫夏草なんて言い出したのはそおいう理由だったのだ。

 

 

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北茨城,花園の花と虫

 

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                                                                         ノカンゾウ

 

 そろそろ季節です。冬虫夏草の。


 もう二十年近く前,仲間内の会誌に「冬虫夏草探索記」なる文を掲載してもらったところ思いのほか好評で,いつの間にか冬虫夏草の専門家,果ては菌類(カビ・キノコ)の専門家ということにされてしまって,キノコ観察会の案内者に指名されてしどろもどろになるという目に逢いました。決して菌類に詳しくはありません。ただ面白いと思うだけ。

 

 冬虫夏草探索記はいずれこのブログ用に改訂したものを公開いたします。今回はひとつリアルタイムの冬虫夏草をご紹介しようと思い立ち,北茨城市の花園はなぞの方面に出かけてみます。ここには良い「」があることを,何年もの探索の結果知り得ていました。

 

 あ,坪ね。これは冬虫夏草(あるんだ,これが)の業界用語で「冬虫夏草が発生する土地」を指します。ものすごく限定的に存在します。

 

 水戸から常磐自動車道に乗って北茨城で降りて,ひたすら山道を駆け上がっていきます。花園神社(これもいずれご紹介せねば)あたりまではそれなりに快適な,茨城らしいワインディングロードです。私は夏でも冬でも窓を開けてアクセル踏むのが好きなのですが,総延長距離北海道に次いで全国二位,かなり整備されている茨城県中部以北の郊外の道は,それこそ風になれます。猛暑なんのその,ああ気持ちいい。

 

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 あ,またやられた。道を良くする通行止め。茨城のこういう工事はなぜか各市町村の同じ業者が落札するのですが,知り合いのそういう業者さんが言うにはこの手の仕事は「細く長く」だそうです。つまり長い区間を年ごとに小刻みに進めていくのが食っていくコツだとか。どこの世界もシノギって大変ですね。東京駅や渋谷駅がいつまでもいつまでも再開発と称して工事しているのも同じ理由でしょう。まあ言っとく。迷惑だ。

 

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 標高700メートル,まずは「亀谷地かめやじ」の湿原。かつては見事なミズゴケの生育する高層湿原だったのですが,ご覧の通りというか教科書通りというか,「遷移」が進んで乾燥化し,木が生えてきています。やがてここも森に呑まれていくのでしょう。

 

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 困ったことに,茨城にないはずのミズバショウをせっせっと植栽する人がいました。湿原にはミズバショウというステレオタイプにこだわったか,観光地化を狙ったか。アメリカでは「スカンクのキャベツ」といわれるこの無節操な葉が,虚しい営為を物語ってます。

 

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 いろいろと矛盾のある案内板。いずれにせよ今現在,保護活動など何も行われてないようにお見受けします。余裕のないのはお互い様と,とりあえず。

 

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 湿性植物はまだ残ってます。アケボノソウ。花期はこれから。必ず最新の花の写真をお見せしますね。夜明けに消え残る星を思わせて,興趣深い花です。

 

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 ヒメシロネ。これも花はこれから。むかし無理やり動員された尾瀬に咲いていたのを覚えています。

 

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 今が盛りのチダケサシ。花屋さんで「アスチルベ」と称しているのとほぼ同じもの。こんな花を,と思うのですが。

 

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 ミヤマクワガタクロクサアリに食われてました。たぶん鳥に襲われて,死んだのは今朝方かな。残骸も無駄なく食われて,物質循環はよどみなく。

 

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 1本だけあったウスノキに,実がささやかに,鮮やかに。もちろん採って食うような無粋はいたしません。

 

 さあここからまた山越えの道。「小川」の集落を目指します。

 

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 エゾゼミがずいぶん鳴いてましたが,こいつは……さっきのミヤマクワガタと同じく,鳥に食われアリに食われ。さっきと違うのはまだ盛んに肢を動かしていたこと。 ♪ 生きたままアリに食われてまーす……って。

 

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 お食事中のササグモさんと目が合った。はーい,何食べてるの? ……うるさいですか,ごめんなさい。

 

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 オカトラノオは盛りを過ぎているものがほとんどでしたが,この一本は咲初め。オカトラノオを拡大することってあまりないけど,サクラソウ科らしい整った花姿です。

 

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 シキンカラマツ! 紫錦唐松と書きます。実は今日のウラ目標のひとつ。もう県内の生息地はここだけなのかも。

 

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 ヒルガオ。何となく好きな花なのです。なぜだろう。

 

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 ホタルブクロ。近似にヤマホタルブクロというのもあるのですが,これはホタルブクロ。ホタルを百匹詰めてみたいぞ。

 

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 ヤブカンゾウ。とりあえずおしべがありますが,キホンおしべが花弁に変化した八重の花。専門的に言うと「三倍体」で種子ができません。ヒガンバナやバナナとおんなじ。でも元気に日本の山野を彩ります。

 

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 この小川の集落,ものすごく山深いところなのですが生活の歴史は古く,そちこちに趣き深いものが。

 

 さあいよいよ,福島県境の学術保安林へ。私が何年もかけて見つけた「坪」です。

 

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 この森のヌシと言われる大ブナにまずはご挨拶。

 

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 アサギマダラ! ここで見たのは初めて。三頭もいました。大好きな蝶。そのふわふわとした舞を見るたびに,童話じみた異世界を思います。

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 さあ困った。ここでリアルタイムの冬虫夏草を見ていただくつもりだったのですがさっぱり見つかりません。確かに雨が少なくて菌類の発生には不向きの天候でしたが,沢が乾いているでなし。濃密な生命の気に満ちた森です。

 

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 こんなのが。

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 変形菌。粘菌とも言います。菌と付きますが実はカビキノコよりあのアメーバに近い生き物です。巨大なアメーバ状の変形体として落ち葉の下を移動しながら増殖し,時満ちれば胞子を飛ばす「子実体」に変形する変幻自在の生き物。ちなみにこれはタマツノホコリという種類。

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 美しい。造化の美しさと,生命としての美しさ。

 

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 ヨツスジハナカミキリが命を繋げようとしていました。

 

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 ルイヨウボタンの実。ちょっとエキゾチック。

 

 

  冬虫夏草を一つも見ずに帰ることになりました。暑い夏にはこういうこともあります。

 

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 帰り道,行きには気づかなかったけど,山あいの田んぼの丘一面をノカンゾウの花が埋めてました。

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 田んぼを作るために岩を寄せた場所なのでしょう。そこに生えたノカンゾウを,物事をわかっている持ち主が刈らずに残した結果だろうと。

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 いわゆるニッコウキスゲの仲間なのでよく似てます。むしろこのオレンジ色のアクセントが美しい。先ほどのヤブカンゾウともごく近縁,というか同種の二倍体。でもやっぱり結実はまれだそうです。三倍体のヤブカンゾウより少しひ弱,数も多くはありません。「となりのトトロ」で行方不明になったメイをサツキが探し回る場面,そこでも藪の中,サツキの傍らに寄り添うように咲いていました。

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 日本人の原風景,夏の田んぼを彩る花です。

 
 結局お見せしたかった冬虫夏草は見つかりませんでした。とりあえず次の記事で古い写真をお見せいたします。

 


 私事ですが,前回の「ヤマユリとキキョウに夏を知る - ジノ。」の記事がようやく百本目でした。11か月目でようやく。月に三百本書く人ってすごいなあ。

 

 

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