【キズケガ流血,閲覧注意】苦手な方はご退出ください。
ケガしました。右手人差し指の第二関節外側を,エグりました。調子に乗って重いものを持って運んでいたら,書棚のカドが割れてギザギザになっているところに質量モーメントそのままに突っ込みました。表皮がべろん。大流血。わし死ぬのかな,良くても人差し指失くすのかなと医務室に行ったら,絆創膏を貼られておしまい。ええええっ
どうにも血に弱くていけません。
そこで思い出したのが昔書いた文章。そういや前にもケガして出血して,文章を書いたなと。文体違いますが,晒させていただきます。
右手の親指の腹をすぱーっと切った。いや血が出たこと出たこと。久しぶりに血の味を味わった。
ナイフやらナタやらたくさん使っていて,自分で研いでもいるので刃物の扱いには慣れているつもりだった。それが慢心。刃渡りたった1センチの,百円ショップに2個一組で売っているカッターナイフでやってしまった。メガドンキホーテで厳重に包装して売っていたカー用品のパッケージを開けようとして,ぴっと痛みが走った時にはもう手遅れ。石清水のように流れるおのが血液を見たときには,わし死ぬのかななんて大げさに思ってしまった。
これが事故というものか。
毎日のようにニュースに流れるさまざまな「事故」。当事者は,その瞬間まで自分の運命を知らない。一瞬ののちの,痛み,絶望,後悔,怒り,運が悪ければもう痛みも感じない。
野生生物には事故というものはあるまい。ある程度の必然。捕食者に襲われるのも天象気象に命を奪われるのも,自然の中では日常的に起こりうる。覚悟と,そして遭遇したなら諦念をもって受け入れるべきものだろう。
だがヒトの「事故」は違う。
金属を磨いた鋭利な刃物。そんなもの,神様はヒトの体に与えていない。自然界にも存在しない。ガソリンを爆発させて時速60キロで疾走する鉄のヨロイも,人がさかしらな頭で作り上げたもの。そもそもヒトの皮膚はあきれるほどに柔らかで,ヒトの移動速度は時速4キロだ。文明によって力を付与された金属に抗うすべなど持っていない。そんな,生物としてのヒトが制御しきれない「力」を得た瞬間から,「事故」はヒトの天敵となった。
ある統計で,人によって殺されるヒトの数は年間47万人を超えるという。その手段までは聞いていないが,素手によるものはそうあるまい。銃,爆弾,ナイフ,車。すべて自らが創造したものによって,ヒトは殺されている。これが文明というものか。
先日,職場の窓ガラスに一羽の小鳥が激突して命を落とした。透明なガラスを認識できずに,飛びぬけようと。キクイタダキというその鳥は,つまりヒトの文明の所産に起因する事故で生を終えた。最後の瞬間に,ガラスに映る自分の姿を見ただろうか。
語ってるなあ,ちょっと切ったくらいで。
ちなみに冒頭に書いた人差し指のケガですが,薬局に行ったら良いモノを紹介されました。カットバンと言って,傷全体をすぽっと覆って修復細胞や組織液を保ち,痛みを和らげ傷の治りを早めるそうです。
そういや手術の傷跡にもこんなフィルム貼られたっけなあ。半世紀生きて,傷が増えるばかりです。