今年もハマナスが咲きました。またかと言わないでください。
無敵の超絶美女に例えています,我が家の花の王。撮らざるを得ないのです。
こんな状態から
どーん。ほんの数か月でこんなことに。
鬼の腕のようなトゲでご近所さんに迷惑かけないかと気が気ではないのに,実はご近所さんは欲しがっていると最近聞かされました。いやいや,うちのはアスファルトの隙間だから何とかコントロール出来ているんですよ。庭に植えたりしたら地下茎を伸ばして増えまくり,あたりを壮絶に埋め尽くしていきますこの美女は。それこそ峰不二子みたいに大暴れを始めて手に負えなくなります。庭に植えてはいけないもの五傑の一つなのだ。
花の美しさと芳香のかぐわしさ,だけではありません。この植物が美しいのはマゼンタ色の大きな花,ちりめんのような柔らかげな葉,緑と赤のツートーンのつぼみや陽光を輝かせる果実。そういったすべての要素が競い合いつつ,全体が完璧な調和の美を奏でていることです。すなわちスキが無い。真の完璧な美女です。どこをどう撮っても絵になってしまう。日本が誇る野生のバラです。
野生のバラというと,ちょうど今茨城の山河ではノイバラが盛りを迎えています。もちろん私はノイバラも十分に美しいと考えます。ハマナス同様,調和の美があります。何よりも暗い藪の中で星をきらめかせるように群れ咲く姿がけなげで美しい。
そしてバラといえば…… 私の住まう茨城県の「県の花」はバラです。穴蔵に暮らす蛮族を茨いばらを用いて追い滅ぼしたという「常陸国風土記」の記述から生まれた地名が県名になり,茨を薔薇に繋げたのでしょう,栽培品の西洋薔薇が県花となりました。由来を想えばノイバラを県花にすべきだと思いますが,制定した人たちにとっては地味過ぎたのかと。ああ,いかにもな価値観です。いつの世もこういう人たちが物事を決定していくんでしょうね。
県庁前に植栽されている西洋バラ。なるほど,確かに大輪の花はこれでもかとばかりに美しいのですが,たいてい枝葉がチョケていて,花とのバランスが悪すぎる。バラの花姿を美しいと思ったことはありません。日本の気候に合っていないので割り引いてあげなければならないけど。
ハマナス。咲いた途端に虫たちに好かれまくる地上の太陽のような花。いつうちのレンガ塀を崩しアスファルトを吹っ飛ばし,大木への成長を始めてしまわぬかと気が気ではありませんが,妖艶な魅力を振りまくこの花には誰も抗えないのです。
追記
水戸射爆場跡地に残るつぶれたトーチカと,それを見守るように咲くハマナス。この海岸にあってこの大役を果たせるのは,ハマナスだけです。
↓ ハマナス初出の記事です
↓ 水戸射爆場の記事はこちら