ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

波崎海岸、茨城の先っちょでハリセンボン

 

 先の記事でうつろ舟の漂着地が「舎利浜」と書いて、それが県の南端近い海岸であることを想い、少しノスタルジーに浸りました。鹿島港より南に最後に行ったのは少なくとも25年以上昔です。若い頃のことがいろいろ思い出されて、あの海岸のいまを見たくなりました。ひとつ拾いものに行ってやろう。

 


 舎利浜があるのはかつての波崎町。今は神栖市の一部です。ご覧の通り水戸から遠い。それが無沙汰の理由でございます。鹿島工業地帯で道が良く、たくさんの人が住んでおられますが茨城県側は不便。買い物や高校進学は利根川挟んだ千葉県へ、という方が多い、そんな先っちょの街。


 県内で水戸から遠いというと以前は古河市もそうでしたが、新しい高速道路ができて時間的には短縮されました。今や波崎は水戸から一番遠い県内です。波崎の人よ、90キロの彼方からジノ。が参ります。なんか拾わせてください。

 

 


 日曜日の空いた道を駆けて、たどり着いたのはここ海岸砂丘植物公園。このあたりは海岸沿いにトイレ・駐車場を備えた公園がたくさんあって停め場所には困りません。ここを選んだのはマイナーで人が少なそうな場所、かつ漂着物が期待できそうな南寄りの浜だから。うつろ舟の「舎利浜」から1キロほど南側です。

 


 砂丘を越えるとドドーンと太平洋。白波が次々と押し寄せる、うんこれぞ太平洋。

 


 南側、すぐそこが茨城の先っちょです。見えるのは銚子の街。

 


 北側。ずらり並ぶ風力タービンは、かつてはなかったものです。漂着物いっぱい。

 


 茨城の沖は親潮黒潮がぶつかるところ。夏なら南方からの漂着物が結構あって、オウムガイが拾われることもあります。今日は無理かな。でも期待しよう。

 


 無数にあるのがこれ、チョウセンハマグリ。美味なる鹿島灘名物。

 


 シーズンには道沿いに焼きはまぐりの看板が並びます。ちなみに写真は業者が捨てた貝殻の山。

 


 ウバガイもいっぱい。

 


 穴あき。ツメタガイに捕食された跡です。貝の世界も大変です。

 


 犯人がこれ。正確には内湾性のツメタガイではなく、外洋性のホソヤツメタという種類かと思われます。

 


 大きくてキレイな巻貝がありました。北の海岸では見かけません。

 


 お持ち帰り。

 


 県立図書館の図鑑でトカシオリイレという名前が判明しました。初めて聞いた。覚えられん。というかどういう字だ。ネットで見たら「溶かし折入」と当てているサイトがありましたけど、いよいよ意味がわからない。ちなみに「オリイレ」と名の付く巻貝は何種類かあります。謎のオリイレ。

 


 ワスレガイ。あまり美味しくないらしい。

 


 アズマニシキ

 


 この貝殻もお持ち帰りしました。いや原型がないので種類不明です。ただ真珠層があまりにキレイだったもので。

 


 さあそして本日最大のミステリー。何じゃこりゃ。

 


 ヒレのようにも見えますが、ヒレの骨なんてあるわけない。

 


 ポイントはここ。球体関節がうまいことハマるようなくぼみが。たぶん哺乳類の肩甲骨かと思われますけど結論はお待ちください。現時点で動物の骨の本を5冊くらい見ましたが、摩耗していることもあって正体不明のままです。

 


 好きなのキター。棘皮動物じゃあ。

 


 カシパンウニの仲間ハスノハカシパン。本当にそう言うんだってば。

 


 以前にご紹介したブンブクウニ同様、ウニのバリエーションです。独特の花紋は呼吸器官。

 


 何じゃこりゃ。トゲのかたまり。サンプルに1本だけ抜こうとしたのですが互いに靭帯のようなもので繋がっていて抜けません。全体で鎧帷子よろいかたびらのようです。

 


 獲物をすりつぶす強力なあご。これ歯板と申します。フグの仲間ハリセンボンの特徴です。ご存じですよねハリセンボン。本来は暖海の魚ですが、潮の流れに乗ってここまで来て、寒さであの世に召されたのだと思います。

 


 ユーモラスな生体からは想像もつかぬ凶悪極まりない骨です。悩んだけどこれは置いてきました。

 


 名も知らぬ遠き南の島より、ちゃんとヤシの実も漂着するのだ。

 


 サメかエイの卵のう。

 


 みかんの日干し。もう何でもあり。

 


 流木なんか拾っちまったぜ。コケ盆栽の台になるかな、なんて。 最近盆栽も悪くないかななんて考えます。いいんですジジイだから。

 


 そして驚きました。メノウです。ええええっ、どう見ても玉川タイプのメノウなんですよこれが。

 


 以前、日立の海に流されたものを30キロ南の鉾田の海岸で拾ったことがあります。ここ波崎は久慈川河口から60キロ以上ありますが、このメノウが久慈川由来である可能性は十分にあります。北からも南からも寄せ物(漂着物)がやってくる、波崎の海岸は本当に不思議です。

 


 次の機会は夏の終わり、ぜひともオウムガイを拾いたいと思います。

 

 

 

 

 

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