ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

見知らぬもの海より来たる

 

   ※ お人形と鳥さんのご遺体があります。閲覧ご注意でお願いします。

 


 6月の大潮。海と陸と宇宙の交感が我々の知らぬところでしめやかに進行します。目撃せねば、と干潮時間に某海岸へ。

 

    
 お、お嬢さん! どうしました、しっかりしてください!…… てのは前回やったか。そーですここの海岸の漂着物でした。

 

   
 とりさんどうしたの? おなか痛いの? …… ってのも以前にやりました。こういうものの漂着が多い海岸でもあります。

 


 砂茶碗と呼ばれるツメタガイの卵のうがたくさん打ち上げられてました。海のギャングもこうなると哀れです。

 


 赤や黒の小さなメノウをたくさんいただきました。この手の、小さいながらもちゃんと縞模様や晶洞があって、鑑賞しがいのあるものを掌に乗せて楽しむのが最近のマイ・ブームです。

 


 翌日も潮が良い。別の海岸に参りました。強い日差しと冷たい風。陸おかは30度になるそうですけど海岸線は別世界の心地良さです。そこに穏やかで規則正しい波音が余韻深く響くなかで、心は軽くトランス状態。ああ平和っていいなあ。

 


 てくてく歩いていきますと

 


 コアジサシに囲まれて騒がれました。どうやら営巣地に踏み込んでしまったようです。害をなす者で無いことを伝える手段がありません。

 


 アジサシが巣をかけるような海岸です。いまや希少なハマボウフウも安心して開花しています。

 


 カニの巣穴と食事あと。これも平和な海岸であることの証左です。

 


 ざざーん。

 


 わお、珍しい。ムクロジの実が打ち上げられてました。

 


 名もしらーぬ遠きしーまより…… いえいえそこらの川流れをしたオニグルミでございます。

 


 もちろん拾えるものは拾って。

 


 お?

 


 どでかい赤縞メノウ。この海岸では滅多に見かけないレベル。

 


 おおお。ただ残念ながら綺麗な縞模様は濡れている今だけ。乾くと海岸メノウ独特の細かな傷のせいで見てくれは落ちます。

 


 するとまた一個。

 


 おおおお。先のもこれも落ちていたのは引き潮の波打ち際。大潮の今日でなくては拾えませんでした。潮を見るのって大事です。

 


 細かな傷が多いのも同じです。磨かないとこの場の感動は再現できません。さてどうしよう。

 


 薄雲か掛かって日暈ひがさが広がります。明日はまた雨が降るらしい。

 


 この海岸の収獲。結局大きいの2つも持ち帰りました。いつか電動サンダーを買って磨いてやろう、なんてまた無謀なことを考えて。いよいよ深みにはまるか。

 


 大きいのは庭に積み上げ、河原のお供物用にいくつか除いて、これだけ手許に置いて愛でてみようと思います。

 


 ひとつひとつの個性が、変化が楽しい。

 


 全長1センチの中にちゃんと晶洞があったりするんです。

 


 先日河原でお声をかけたご一家の少年におみやげ箱のメノウを見せたら、こんなカーネリアンに興味を示してくれました。ご両親は自分らはいらないとおっしゃるので、合わせて3個、色の良いのを選んで差し上げました。喜んでくれたようです。大事にしてくれるといいなあ。

 


 気に入った小さなメノウを掌に乗せて、矯ためつ眇すがめつ眺めてみる。拡大する。視点や照明を変えて見る。いくらでも楽しみ方があります。

 


 仏頭状構造を海岸で拾うのは珍しい。

 


 何より黒メノウ放射線で億年単位の時間をかけて黒化したメノウです。よその海岸でも拾えるものでしょうか。茨城のは海水の石灰分が白く沈着して、陶芸の芸術作品のような景色が浮かびます。

 


 そしてかもし出される青い光に、私は異界の空を想います。

 


 月、太陽、潮、雨、そして季節。そんなものに合わせて日々を過ごせる今の境遇に感謝しております。いつまで続くかわからないけど、こんなセカンドライフを望んでおりました。境遇に合わせ、ブログのプロフィールも書き換えました。読者の皆さまには今更な内容ですけど。

 

 

 

 

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