毎度おなじみメノウ撮影記録でーす。テキトーに流してくださいませ。
久慈川系メノウと言えば赤縞メノウ。
最近困っているのは、赤くないただの玉髄でも「仏頭状構造」があれば拾ってしまうこと。ブラックライトを当てれば必ず蛍光を発することを知ったから。さあこの二皿からピックアップしてご覧いただきましょう。
珪化木は基本的に拾わないようにしております。キリがないから。
でもこれはあまりにも年輪が見事で、何か教材にでもならないかなって。
拡大したらなんと細胞一個一個まで形が残ってました。太古の昔に存在した、木をも石化する魔術です。
ああっ仏頭です、ぶつぶつです。た、たまらんのう。← 変態
ほら紫外光で光った。
でもやっぱりぶつぶつが好き。
次のもぶつぶつです。
ああっぶつぶつの上にぶつぶつが。螺髪じゃ、仏さまじゃ、ご来迎じゃあ。
ね、光るでしょ。
仏頭状構造ってどうしてできるのか。数多く見てきた経験からして、たぶん幾通りかあると思います。例えばこの玉髄のぶつぶつ。実はこの玉髄、裏側が「型押し」で、つまり他の鉱物の水晶みたいなとがった結晶の上を覆うように固化してできたものです。突き出た結晶の先端にロウのように石英が塗り重ねられ、このぼこぼこ形になりました。さらに写真右上の部分は下からガスが上がって来てまだ柔らかい部分を膨らませたようです。これ以外にも、どう見ても鍾乳石のように上から垂れ固まったものもあります。おそらくは、これらの成因が複合してさまざまな「仏頭」を作るのでしょう。それゆえにこの構造は実に多様で、二つとして同じものがありません。私が惹かれる理由です。
そして仏頭状構造が作られる場所は、マグマが徐々に冷えていって融点の高い鉱物から順に固化していき、最後に残った「熱水」がこれも最後に残った空間に固化する「晶洞」です。その熱水には微量のウランが溶けていることが多く、これが蛍光の原因になります。この玉髄のように。
これ怖い。
本当に多様です。
もちろん必ず上塗りが起こるわけではなく、微結晶が晶洞に残るものも。
熱水に最後まで石英が残り晶洞を埋めたのが縞メノウです。このメノウ、外光ではきれいですが
内側から発光させたら洗浄しきれなかった汚れが目立ってしまった。不覚。
こいつは自己主張が強い。大丈夫、分け隔てなく愛でてあげよう、うふふ。← 変態
蛍光も強烈です。
今回のラインナップで一番きれい、と私が思うもの。私の言葉で言う久慈川本流系で、玉川メノウのような二次的な染色ではなく、マグマから生まれたままの色です。
複雑な文様と間を埋める結晶のバランスがよろしい。
蛍光はこんなもん。
よそのメノウを知らないのでエラそうには言えませんが、玉川メノウの大きな特徴は「型押し」の存在ではないかと思います。晶洞の中に一度他の鉱物が結晶を作り、そこに再び熱水が入り込んで結晶を覆う。できたメノウの背には結晶の形が雌型として残り、鉱物の方は母岩の崩壊とともに消滅する。玉川メノウの「型」になった鉱物は重晶石である、という論文を書いた方もおられるので、当地独特のものと考えていいのかな。ということでこのメノウ、上も下もびっしりと型押し構造になってます。
斜めに照明すると、今は無き結晶の形が光と影になって現れます。衛星から撮った大山脈にも見えます。石の印象はそれぞれにさまざま。それがいい。
こんな風に、石が発する光の粒のかもす形象を楽しんで、ついでにヤクタイもない屁理屈を楽しみます。海岸の石でも楽しめます。変な趣味なのは自覚してます。お付き合いありがとうございました。
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