【虫】回ですけど、虫の写真はラスト1枚だけです。ただし強烈よ♥
8月始め、北茨城市は花園川中流、浄蓮寺渓谷という所まで行ってきました。植物調査の下見のつもりでした。
上流にはキツネノカミソリの群生地があります。
ここはお寺の境内で、茨城では珍しく拝観料が取られます。まあ二百円の価値があるかはともかく、地元への協力金のつもりでお納めしたのですが、受付をしてくれた農作業姿のお姉さんに今年はブユが凄いですよ、皆さんすぐ戻ってこられますよと忠告されました。
シロートさんの言う「ブユ」がヌカカのことだとはすぐ理解できたので、ああ慣れてますから大丈夫と言って渓谷に向かいました。森の中でまとわりついてくる小バエのような吸血昆虫ですが、私にはお馴染みさんです。腰には蚊取り線香、頭には虫除けを吹き付けた帽子とバンダナ、長袖長ズボンに手袋。夏の森を這いまわる私の装備は完璧なのだよおネエちゃん、ふはははは。
…… 五十メートルと進めませんでした。昨年に記事にしたへの6号フィールド、あれ以上でした。本当に毒霧の如くに視界を遮るほどの小バエの大群。まとわりついて、スキあらば取りついてきます。虫除けも蚊取り線香も効果ありません。ヌカカだけなら良し、本物のブユまで混じっていたら厄介です。撤退のやむなきに至りました。お姉さんにそら見たことかと思われたろうなあ。
さてどうしたものか。負け犬のままでは悔しい。まずはここで今回の敵をまとめよう。
■ アブ
ここでは狭義の、メスが吸血するものだけを指します。ハエくらいの大きさからスズメバチ大のものまでいますが、脅威になるのは小型の、集団で襲ってくるイヨシロオビアブなど。人の皮膚を切り裂いて、注入した唾液とともに吸血します。まず痛み、その後かゆみが生じます。
■ ブユ
見かけはごついショウジョウバエ。自然度の高い清流に生息するので実は希少。アブ同様の吸血を行いますが小さいので刺されたときは無感覚。ただし今回扱う中で最も毒性が強く、刺されてから半日経ったあたりで大きく赤く腫れ、激しい痛みとかゆみを生じ、これが1ヶ月続いたりするのですからたまりません。症状の軽減には刺された直後の「吸い出し」と「加熱」が有効。
■ ヌカカ
ショウジョウバエ大。あまり話題に上りませんが、一般人が「ブユ」と称するのはだいたいこれ。群れで人を襲います。髪や服に潜り込むのが厄介で、刺されて数時間後にかゆみを生じます。
■ メマトイ
特定の昆虫を指すのでなく、眼にまとわりついて涙をなめる小バエの総称。とにかくうっとおしい。
怖いですか。わし書いててなんか怖くなった。対策せねば。
というわけで調べたらこんなのがありましたー。
極太プロ仕様! アブ・ブユにも効く! これだあ。
笑いたければ笑うがいいわ♥ ダサいと指さされようが若い娘さんに石投げられようが、蚊取り線香の有用性を私は疑いません。そもそも昆虫の「気管」という呼吸器は煙が苦手だし、成分も「虫除け」ではなく「殺虫」だし、自分のみならず周囲の人も守ってあげられるし。いいことずくめなんだけど、残念ながら普通の蚊取りは「蚊」専用です。昨年実証したように群がるヌカカを一掃する効果はない。蚊なんてアンタ、フィールドではなんら脅威じゃございませんのよ。さあこのプロ仕様新兵器を現場で実地検証だあ。
はいこれダメな例。森の中で肩出しなんてみすみす食ってくださいと言ってるようなもんですが、今回はこれが撒き餌です。虫どもの前にエサをちらつかせて、煙の効果を見るのだ。ああこんなことに体を張って。
雨が降った直後の水気に満ち満ちたぐちゃぐちゃ森でございます。いかにも奴らが大群で現れそうな。
さあ見せてもらおうか、伝説の力を笑。
トカゲちょろちょろ。
クモランがたくさん落ちてました。…… すいませんブレまくり。
カヤランも。
トチバニンジンンの実がもう赤くなっていた。
で、結果はどうなんだって? はい、確かに効果がありました。あのしつこいヌカカが、普通の蚊取りを意に介さなかったヌカカが、煙をかざすといなくなるなんて。さすがにあの服装なので無傷とはいかずやっぱり肩を刺されましたが、劇的効果と言っておきましょう。頼もしい新兵器を手に入れました。
まあ虫どもにしてみれば、卵を産むため、子孫を残すために命がけでヒトを襲うわけです。大変だなあと思わぬわけではありませんが、それを言ったらキリないしなあ。
ボクの愛車エスクードのフロントガラスのすみっこに、昨年の夏から一匹のアブがいます。
ずーっとボクを見守ってくれてます。そど子ちゃんと名付けました。うふふふふ。
↓ 昨年の戦い。
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