復旧しました!
1日から2日にかけて丸1日以上、このブログが閲覧できなくなっておりました。気付くのが遅れて申し訳ありません。たぶん百人以上のお客様にご心配をかけてしまいました。本当にごめんなさい。問題なく復旧しております。以後気を付けます。
メノウ関係の記事はもう少しだけお待ちください。玉川流域の稲刈りがあと1,2週間で終わり、お百姓さんに迷惑をかけずに歩き回れるようになります。そこから再始動する予定です。
さて。
ここ数日涼しいというか朝夕寒い日が続いて、夏の終わりを感じました。夏の森、それも山の夏緑樹林で楽するのではなく、低地の森の高温高湿度のぐちゃぐちゃした森を一度歩いておかねば、という他人が聞いたら意味不明の使命感が沸き起こりました。行かねば。久しぶりに「への6号」フィールドに参ります。たまたまというか狙いすましてというか、炎暑がぶり返す日になりました。暑い。でもヤル気増しましなのだ。
じゃーん。夏の森潜航スタイル。防虫には蚊取り線香が一番です。でも久しぶりだったので帽子が甘い。護身用捕虫網も持たず。とどめに
手袋忘れた。だいたいこういうのが死亡フラグなんです。さて何があるかな。
…… ヌカカに囲まれました。
ヌカカって何?ですよね。小さな小さな、体長1~2ミリのコバエです。野外活動の時に顔にまとわりついてくるアレ。実は吸血昆虫。刺されたときに蚊のようにすぐかゆくならず、アブのように痛くなく、ヒルのように出血しない。感覚がないので認知度が低いのでしょうが、あとからじわじわかゆくなります。髪や服に潜り込んで吸血するのが厄介です。小さすぎて手で払っても効果のない瘴気しょうきのようなもの。
さあそれが誇張でなく数百匹、森に入った途端にまるで雲霞のごとく群がってきました。数十匹くらいなら経験がありますが、本当に雲のように私にまとわりつきます。むかし読んだ栗本 薫の一節にあるような、これは黒魔術か森の悪霊か。蚊取り線香が全く効きません。
大群の理由はわかります。ちょうど今が発生期なのでしょうが、ここ数日は低温で活動できなかった。溜まりに溜まって、ちょうど気温が上がったところにマヌケなおっさんが現れたんです。かかれーっとか押せーっとか、そんな掛け声が掛かったんでしょうねえ。
いやそんなのんきに推論してる状況でない。ヌカカは動いているものには取りつきづらいので、こちらは動き続けねばなりません。さもなくば虫でおっさんの全身が真っ黒になります。そしてプチプチと刺されるんですうぎゃあああ。ぬかるんだ森をひたすら早足で歩きました。カメラも三脚も何のために持っているんだかわかりませんが、とにかく立ち止まれない。
手袋を忘れたのも致命傷です。手がヌカカの標的になるし、こんなぬかるんだ森でケガをすれば真菌類の感染も心配になります。これはムシカビ(ボーベリア)という真菌に斃たおされたスジコガネ。こんな姿になりたくありません。…… 撤退を決意しました。夏の森に負けました。あああ悔しい。
汗をかかない私にしてみればサウナ30分ぶん。絞ったら滴るんじゃないかな。
もちろんこのままじゃ収まりません。確かめたいこともある。翌日再出撃です。
手袋完璧。
帽子も首筋を守れるもので、さらに(好きじゃないけど)虫除けスプレーぷっぷー。蚊取り線香も2箇所に火をつけてケムリを2倍に。
捕虫網! これで奴らに反撃です。
昨日より気温が低くて、出てきた悪虫どもは昨日ほどの数ではありませんでしたが、やはり群がられました。
うわああああ~ 叫びながら群がるヌカカを網に入れる私。もちろん獲っても獲っても新手が飛んでくる、戦艦大和の断末魔みたいな状況です。一矢報いたかっただけなのよ。
獲った。このあとアルコールびんに突っ込んで後悔させてやりました。貴重なアルコールもぜんぜん惜しくないのだ。
マタタビが落ち始めていました。ああそういう季節か。
サワガニがちょこちょこと歩いて、私のブーツの陰に隠れました。
確かめたかったものがこれ。この森でただ一か所、冬虫夏草ツクツクボウシタケの産地があるんです。今年もちゃんと発生していました。これで何とか目的は達した。
これが今回のヌカカ。こんな小さな体で、頭部にはちゃんと複眼、単眼、触角などのセンサーが揃っています。最後の瞬間に知覚したものはなんだろうか。イヤな奴ですが、自然という神が造り給うたものであり、こんなのでもとりあえず森の一員であるのです。
虫に囲まれるというと思い出すのが、三十数年前の青森・白神山地の沢で出くわしたアブの大発生。いまだに恐怖を覚えます。まあこれも、夏の森の思い出です。
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