ネット動画ニュースで,「不思議な蛾『オオスカシバ』」にハマる人たち」というのをやっていました。ゲームクリエイターの女性でオオスカシバにハマり,飼育して,人に慣れた「手乗りオオスカシバ」を得たといいます。「私の生きる目標です」とか。
ふざけるなああ。
奴らのおかげで,ウチのクチナシがどんな目にあってるか知らんのかあ!
…… 知らんわな,そりゃ。
うちのクチナシ。花開けば芳香かんばしく,果実みのれば正月料理の色付けに。我が家ではとても愛されているのですが,鉢にあったのを地植えにした場所がカーポートの北側。日当たりも風通しもよくありません。もともと陰樹であるクチナシにはさほど問題ではないと思ったのですが,どうもオオスカシバの産卵にはうってつけの環境だったようです。
で,気が付けばこれ。 葉がない。
犯人はこれ。
9月後半から10月初めが連中の最盛期。毎日が戦いです。毎日見つけては駆除するのですが,毎日巨大な終齢幼虫を発見してしまいます。小さな幼虫が一晩で終齢になり,クチナシの葉をむしゃむしゃ食ってます。異常なほどの成長スピードです。一度10月の1日から5日まで仕事で不在にしたことがあったのですが,帰ってきたらクチナシが文字通り丸坊主になってました。
若齢幼虫の食痕を見過ごすと
次の日には中齢幼虫の食痕となり,
次の日には終齢幼虫が葉っぱ丸ごと食ってます。
本年は10月3日,ついに最後の幼虫を駆除。クチナシに平和が訪れました。
と思ったら。新たな敵を見つけてしまいました。
ルビーロウカイガラムシ。木の汁を吸って弱らせます。
これがメス成虫。枝に完全に固着し,自ら分泌した赤いロウに覆われます。
あ,ごめんなさい。ムシ嫌いの人には絶叫ものですね。手乗りカイガラムシ。ムシのくせに動きません。こいつの面白いところは,バーナーであぶると溶けることです。
なんせロウなもので。
うわははは,見ろ,虫がアメのようだぁ
すいません,一瞬何かに憑依されました。ええ,ほんの一瞬です。
すっかり悪者に仕立ててしまいましたが,オオスカシバ,実はとても美しくかっこいい昆虫です。美しい蛾私的ランキングでオオミズアオとトップを争います。
透明な翅。
鮮やかな斑紋。
そして流線形の太く滑らかな胴体。おそらくは空力的に極めて優れた飛行体です。高速飛行もホバリングも自由自在。高性能の飛行機は見た目にも優美なものですが,昆虫にも当てはまると思います。
本当は,もっと慈しみたいムシなんです。
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