オオスカシバを愛でる話じゃありませんからねー
水戸では今朝,ようやく風が南から東風に変わりました。とはいえ昨日までの熱気を吹き飛ばすほどではなく,とてつもなくアツいです。関東の県庁所在地で一番涼しい街ですらこうなのですから,他のご在所の皆さま,本当に残暑お見舞い申し上げます。
なので,炎天下の庭仕事なんて自殺行為です。ただ車にモノを取りに行くだけのはずでした。カーポートの影のクチナシに目をやるまでは。
葉はぼろぼろ。ああ,しばらく見ない間にひどいことに。このところ大子とかに遠出ばかりして庭をほったらかしでした。私の読者の皆さま,おわかりですね。蛾の一種,オオスカシバの幼虫に食われてます。
しかも後から鳥の落とし物で発芽したウメモドキにいいようにのしかかられています。情けない,と嘆いてみせるのはこの弱りつつあるクチナシには酷かも。
枝の下に…… こ,これは中齢幼虫の糞ではないか! もう成長したのに取りつかれている。すぐに駆除しなければ。
いた。いやがった。 ← すいません心情を吐露した表現です。
若葉の部分には若齢幼虫がなんぼでも。これまでも駆除してきたんですが。
小さいのをいいことに,若葉に巧妙に隠れます。
でもこの尾角の黒が目印になるので,慣れると見つけやすい。これはオオスカシバには内緒ですよ。
でもやはりこいつは緑の忍者。ぐにゃりとさわってしまってから終齢幼虫に気づいてうひゃあとか情けない声を上げたり。
捕食者であるアシナガバチたちも頑張ってはくれてます。ただ天敵というものは決して対象を根絶やしにすることはありませんので,任せっきりにもできません。この葉の上の黒いシミは幼虫が捕食された跡。
これも内緒にしたいオオスカシバの性質。幼虫の齢に関わらず,枝先から幹の太い部分まで下りてきて移動することに最近気づきました。朝のある限られた時間に,一斉に動きます。この時はとても見つけやすい。オオスカシバを駆除したい方,試してみてください。
と,幹を見ていて気付いた。卵だ! てっきり若葉にしか産卵しないものと思っていました。
ジェイド・グリーンと言うにはやや淡い緑に,これも絶妙な曲線…… 仇敵と言っていい相手だけど,この美しさを認めないわけにはいきません。オオスカシバの成虫の美しさは以前の記事で言及しましたね。生きとし生けるものはすべからく,こういう美しさを備えてます。
人間の都合で守られたり駆除されたり。でも私は,野に生きる生命への敬意だけは忘れません。必死に生きる,その気高さに。
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