毎年,県内の高校の科学部や天文部やらを集める合同合宿というイベントがあります。バンガロー村一つを借り切る大イベントです。大イベントなのに運営がグダグダで,ワンマン主催者のその場の思い付きに現場の若い人が振り回されるという,まさに今の教育界そのものの様相を呈します。百人を超える生徒さんが集まるのにコロコロとその日の日程が変わり,しかも全体への通知が全く徹底されないなど色々と信じられないことが起こるので,私が好きなイベントではありません。ただ実際の現場を仕切る若い人には協力したいので,その中の「ワークショップ」に参加しています。
このイベントのワークショップは,バンガローごとに大人の話し手が陣取り,それぞれの主題で講演や実験,ゲームをするというものです。私にはどんなテーマ,どんな時間制限でも自由自在にお話ができるという「話芸」(話術ほどのもんじゃない)がありまして,この話芸を毎年高校生に披露しています。テーマは「科学とオカルトの間に」。
アインシュタインが言ったという「科学と宗教は同一の根から発した同じ一つの木の枝である」という言葉をマクラに,真面目に怪しいお話をします。けど,そんなものここで再録してもつまらない。ワークショップでの舞台装置をご披露します。
話の性格上,ある程度怪しい雰囲気が欲しい。 そこでこういうものを使います。
これをこんな風に配置して
う~ん,感じはいいんだけどちょっと部屋が暗くなりすぎです。実は少し前からこの演目でやっているのですが,なかなかの人気講座で毎回3~40人の生徒さんが来てくれるので,部屋全体のことも考えねばなりません。
どう違うかわかりにくいでしょうが,実は下をアクリル板+白布から鏡に替えてみました。写真では露出の関係で暗くなって見えますが,部屋全体は明るくなります。アクリルはもっと少ない人数の集まりで使うことにしましょう。
中心に置いたのがこのガラス製の蓮の花。結構いいポイントになりました。今回の舞台装置,大部分は近くのメガ・ドンキホーテで入手したのですが,このロータスはガラス工房の売店で買いました(このためだけに!)。ちなみに大会運営からは一銭もいただいておりません。
で,こんな感じになります。我ながら楽しそうにしゃべってるなあ。このバンガローは二間続きで,写真の右のもう一部屋にも生徒さんがいっぱいいます。
そして,我ながら器用だと思うのは,この後しゃべくりながら舞台を一変させます。
ねえみんな,百物語って知ってる? 怪異話をするごとに百本立てたロウソクを一本ずつ消していくと,百本目が消えた時に恐ろしい怪異が起こるんだって。江戸時代に流行った時には本当に血なまぐさい事件が頻発して,幕府は何度も禁令を出したんだけど人々はやめなかったって……。
と言いながらローソクを消していって,最後の一本になったとき「本当に何か起こると怖いから」と言って次の装置を並べます。
コレクションの一つ,赤玉。
これもコレクション,夜光石。
ロータスは残すけど,周りに小石を敷き詰めます。
で,こんな配置に。
ちなみに夜光石と小石。
夜光石だけ光らせるとおお不気味💛 高校生にもこれ見せてます。
最後に,蝶の標本や冬虫夏草を見せたあと,この中で一番気に入った小石を一個持って行っていいよと。生徒さんわーっと。最近はワークショップを一度に2回やるので小石の補充が大変ですが,高校生たちが喜んでくれるのでやりがいがあります。
自分の好きなものを披露するだけで人に喜んでもらえる。私は本当に幸せ者です。