9月の頭,まだ夏が続く頃。
庭のクチナシ,そうあの私とオオスカシバの戦いの舞台となるあのクチナシの,主幹が枯れました。
思えば亡くなった祖父が我が家に連れてきたのが半世紀以上前。たぶん元は普通のクチナシに種子のできない八重クチナシを接いだものだったと思います。しかしいつの間にか土台のクチナシが育って入れ替わってました。そしてずっと鉢植えのままいじけていたのが,9年前に庭に地植えにされてみるみる成長。毎年たくさんの芳香振りまく一重の花,そしてヒヨドリに狙われる美しく奇天烈な果実をつけるようになりました。
オオスカシバに丸坊主にされたりカイガラムシに取り付かれたり,それなりに苦労はしているのですがとりあえず元気,のはずでした。その株の中心を形成していた主幹の2本が,春のころから葉が小さいなと思っていたらそのまま枯れたのです。原因がわからない。
枯れた幹が付いたままでは新しい枝が伸びないので,根元から切りました。
カミキリムシにやられた訳でもなく,やっぱり原因がわからないなあ。
あとから伸びたウメモドキにすっかり負けてます。枝を切ってできた空間もウメモドキに取られそう。しっかりしろ。
オオスカシバの幼虫の糞が大量に落ちてます。います。間違いなくヤツはいる。でもこの時は見つけられなかった。いるのに見えない。完璧な擬態のたまものです。私は「緑の忍者」と呼んでいます。昆虫の擬態を見破るのは私の専門のはずなのですが,オオスカシバに負けることが増えた。トシのせいか。ぐぬぬぬ。
クチナシの根元,通称「三角地帯」も夏の盛りに一切世話しなかったので,部外者が我が物顔に幅を利かせています。何よりこのコムラサキシキブ。鳥の落とし物から発芽しました。実がきれいなのでどうしようと思ううちにここまで繁茂。聞けばこいつ,地中にとんでもない面積の根を広げて他の者を弱らせてしまうとか。やはり異邦人はだめか。排除します。
哀れなのはこのマンリョウ。同じく鳥のモノから発芽したのですが最初から元気がなく,とうとう常緑のはずの葉が落ち始めました。日照不足か栄養不足か。仕方ないですね。
三角地帯さっぱり。来春にまたヘビイチゴに栄えてもらいましょう。
さて,昨年ルリタテハが現れたホトトギス。あるぞあるぞ食痕が。
こんな露骨に糞を食草上に残したら自分の位置を公言するようなものでしょう。わかってないなあキミたち。ボクはいつも緑の忍者オオオスカシバと戦っているのだよ。その程度の隠れ身で逃げられると思ったかい?
ほーらいた,ルリタテハの幼虫。トゲは見せかけね。まだ若齢で,被害も軽微です。でも放っておくと大事なホトトギスのつぼみまで食べてしまうことがわかっているので,今年は駆除します。去年はすでに成長し切っていたしチョウは好きだし,助けちゃったんだよなあ。助けたらその子孫が来ちゃったんだよなあ。守るべきものがあるなら情けは無用ってことか。
産み付けられた卵殻が残っていました。
さて庭のその他の状況。雑草どもは例によって大暴れ。コニシキソウ。
ジャノヒゲに紛れる隠密同心,これはトキワハゼ。
単子葉のメヒシバが単子葉のジャノヒゲにまぎれる! 人にまぎれる吸血鬼みたいなものか。
雑草と言えば,これも強敵のカラスビシャクの葉が片っ端から食べられてます。はて?と思った私の足元を,尾角をぴょこたんぴょこたんさせながら
セスジスズメの幼虫が駐車場横断。デカい。これから蛹化する終齢幼虫です。食草はサトイモ科。カラスビシャク食ったのこいつ。意外な協力者でした。
今年も,いや今年は一層強大にハマナスが繁茂,こんなに道にハミ出ました。この超絶美女を私はすでに持て余しています。誰か助けてください。
父曰く,実の成らねえナスがあんだよ,と。いや父上,「親の小言となすびの花は,千に一つの無駄もない」と申します。成らないナスはナスじゃない。どれどれ。
人の背丈ほどの大株です。確かに左端はナスですが,はて真ん中から右は様子がおかしい。
これが正しいナスの花。
実に成ります。
で,右側の株の花。これナスじゃないぞ。誰だオマエ。
葉の表に鋭いトゲ,茎にもトゲ。ナスの形質ではありません。ちょっと調べてみたんだけどわからない。苗をホームセンターで買って植えたものなので,ひょっとすると苗の生産農家にはびこっていて知らずにナスとして出荷されているのかも知れない。それこそ,人にまぎれた吸血鬼かターミネーターです。正体が判明したらお知らせしますね。
クサボケが今年も豊作です。熟しきって強烈な芳香を振り撒いてます。収穫したいけど,去年作った薬酒も消費しきってないんだよなあ。
一日,庭に掛かりきり。明後日には台風が来るというので,急いで夏の後始末をしました。
台風15号が千葉県に大災禍をもたらすのはこの2日後のことです。
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