1年前の1月28日の写真と文章です。今日,公開させていただきます。1年くらい時間が必要だったので。最後の一文への疑問に対するお答,先に言っておきます。「大丈夫でした」
二十年来お世話になっている自動車整備工場が,国道245が那珂川を渡る湊大橋のたもとにあります。12か月点検をお願いしに行きました。3時間ほどかかるので,いつもは折り畳み自転車で大洗までぶらつくのですが,今日は橋を渡って那珂湊の街を歩いてみようと思い立ちました。
遠くが見える
湊大橋の上から気づきました。今日は遠くが見える! 関東平野とはいえ通常視界は限られるのですが,今日はえらく遠くが見える。何と100キロかなたの日光連山がくっきり見えるのです。こんな日はひと冬に何度もないでしょう。ああ,今日こそ鶏足山に行くべきだった。きっと浅間山や八ヶ岳も壮大に見えたことでしょう。(鶏足山にて - ジノ。もご参照ください)
女峰山。
大真名子山を中心に。
男体山! 半分隠れているけど奥白根も! ああ鶏足山から見たかった。
水戸の街を前景に足尾の山。白く光っているのは鉱山の煙害で木々が枯れ果て,降った雪がそのまま見えるから。同じ銅山でも,地元と協力して煙害を防いだ日立鉱山とは異なる歴史を歩んだその名残です。
カモたち
那珂川も河口近く,波は穏やかでカモたちが群れてます。ホシハジロやカイツブリや。
カンムリカイツブリでしょうか。
水栓
那珂湊あるある。旧市街のあちこちにこんな水栓があって水が出ます。
水神さま
これも那珂湊あるある。古い漁港の街らしく,水神様が祀ってあります。
お寺
広い墓地を持つお寺。ずっと昔から海で暮らす人たちとともにあったのでしょう。
お墓の写真なんて。でも陽光にきらめく様子があまりにキレイで。
梅
暖かい冬でした。梅がもうこんなに。
ねこ
窓際にねこがいました。暖かな窓際に安らぐねこがいる一方で,極寒の県北山地に野生で暮らすノネコがいます。たぶんノネコが生きる苦労に嘆息することはないだろうし,この飼い猫が我が身の安寧を喜ぶこともないでしょう。ねこにはただ目の前の現実があるだけ。ねこは幸せな生き物です。
お不動さま
お不動さまがありました。小さいながらもちゃんと集会所まであります。
ひとつお参りしておこうかと入ってみると,集会所にはたくさんの人が。私に気付いた一人が,今日はお護摩のある日です,いかがですかと誘ってくれました。これもご縁かなとも思ったのですが,整備工場に戻らねばなりません。丁寧にお断りして,お参りだけさせてもらいました。
お堂の扉が開いてます。今日だけのことのようなので,巡りあわせはよかったかと。
小さいながらも大事にされてそうな不動明王が。
お坊様をお迎えする準備もできています。
またご縁があればぜひ。
そんなお不動様がある一方で,こんな打ち捨てられたような地蔵堂が。神仏は人に敬われてこそ,と思います。
お恥ずかしい郷里の史実。そう,自分たちで打ち壊してしまったんです。
桜田門外の変を引き起こした水戸藩。いまだに井伊大老の地元彦根の人からは恨まれてます。あれで明治維新が早まったのかどうかは知りませんが,その後水戸藩内は2つの派閥に分かれて内紛,殺し合いに明け暮れます。幕末に3700人いた藩士が,明治初年には800人しか生き残ってませんでした。念のため言っときますが水戸藩は戊辰戦争に関わってません。すべて藩内で殺しあった結果です。水戸人のダメさ加減の良い証左のようで,本当に情けない。
そんな事にまで思いが及ぶ,那珂湊は古い時間と空間の残り香が漂う街です。何か,忙しい日常から切り離されたような不思議な一日になりました。本当に遠くがみえた日。
今度,入院して手術します。ガンかもしれません。
↓ ポチッとお願いします。