花が、花が足りないのだああ。
突然、そおゆう事実に気が付きました。この寒さで水戸の梅も遅れています。春の花が見たい。新参のマクロレンズも本働きがしたいと夜泣きします。よし、今日は野に出て、何でもいいから花の写真を撮るのだ。
早春の花と言えば、私にとってはザゼンソウ。水戸の低地に2万年前から生き残っている個体群があるのです。縄文の温暖期も乗り越えた古い一族です。安否確認が毎年の恒例行事になりました。藪の中に消え入るように衰退していて、開花する個体がない年もあります。さあ今年はどうかな。
1個体だけ、あずき色の仏炎苞を開いていました。
中心に見える花序のすぐ右に甲虫が一匹。発熱して授粉昆虫を招き入れるという知識はありました。でも本当に虫が来ているなんて、うわあびっくり。以前の記事で水戸では昆虫がいない時期に開花するとか書いたのですが、ちゃんと授粉していたんですね。残念ながら今年は花一つで自家受粉になるだけですが。
個人的に好きな異形のシダ植物、トウゲシバ。
すいません、コレなんすかあ? ザゼンソウからそう遠くない草むらに、このジノさんをして見たことのない赤い実がありました。赤い実大好きのこのジノにして、です。葉はタガネソウみたいなのですが、カヤツリグサ科にこんな実が付くわけがありません。何だなんだ何なんだ。
帰宅後に調べて、これがキチジョウソウ(吉祥草)と知りました。へー。関東以西に分布とあるので、例によって茨城が北限の植物なのでしょう。でもこんな県北で、実まで付けるのは珍しいのかなあ。私は野外では初めて見ました。
梅林がありました。開花しているのは1本だけ。如月も下旬だというのに、本当にこの寒さはウメにもヒトにもこたえます。
雑草オブ雑草、ホトケノザ。ええい構わん、花は花じゃ。ホトケノザをこんな接写する人なんていないと思う。
愛される雑草王、オオイヌノフグリ。
早春の湿地はおまかせ、タネツケバナ。たんぼの三雑草で調子をアゲて
セイヨウタンポポ。いつでも咲いてますけどまあいいか。
ヒイラギナンテン。栽培植物でも構いません、今日だけは。
パンジー、いやビオラとでも言うのかな。拡大すればちゃんとスミレです。
マンサクだ!見つけたぞ春の花。北国で愛される春告げ花です。
去年の夏の名残、ツクツクボウシの抜け殻が木に張り付いたままになっていました。ああ、本当に夏が懐かしい。夏の森が懐かしい。
ヒガンバナは冬の植物。ライバルのいない凍った世界で、ひとり悠々と光合成をしています。
東西に長く伸びる雲。毎年2月に現れます。ジェット気流に沿って高空にたなびきます。春の女神の裳裾だと、私は思っています。寒さもここまで。
↓ 関連リンクです。
ヒガンバナのマイペースライフ/「冬植物」の平和な日々 - ジノ。
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