茨城の磯の生物図鑑,第1回胎動篇笑。
皆さんのお近くの海とどう違うのか,ご覧ください。
まずは 原生生物界。
アラメ。食用なだけでなく,ウニのエサ資源としても重要。
ワカメ。おなじみですね。あるのよ,このあたりには。
ヒジキ。いっぱいあります。好きじゃないけど。
シオグサ。緑藻の仲間。クロロフィルaとbのかもす緑色が美しいですね。この類が陸上植物の祖先となりました。
ホンダワラの仲間。専門じゃないのでそれ以上は。
要するに「海藻」です。そんだけの話なんですが,これが「植物」じゃないって知ってました? いや光合成してるしクロロフィル持ってるし,誰がどう見ても植物なんだけど,分類学者は「原生生物界」というアメーバやゾウリムシと同じくくりに入れているんです。これが最近の分類学。フィールドに出ることなく実際の生きものに触れることもなく,ただ人からもらったサンプルをDNAシークエンサーに突っ込んでモニターのデータを見るだけ。花の名前一つ知らない「生物学者」。木を見て森を見ずの例え通り。AはBではない,だからAはCであるという論理の飛躍。学問って何なんだろう。
海藻なんか出したのは,それが言いたかっただけです。ここからは「動物界」のメンバーだけご紹介。
海綿動物門。移動能力を持たない,いちばん原始的な多細胞動物です。
クロイソカイメン。岩一面を覆ったりしています。
ダイダイイソカイメン。これもそこらへんにいくらでも。
ダイダイイソカイメンとナミイソカイメンが仲良く……してないんだよなこれが。カイメンは歩くことができない分,化学戦の手法を発達させました。やたら有毒成分を含み,毒を分泌しているのだとか。この2種も互いに毒を吐き合いののしり合い,えげつない争いを繰り返しているのでしょう。野生で生きるとはそういうこと。ダテにこいつら6億年生きてるわけではありません。
刺胞動物門。クラゲやイソギンチャクの仲間。これも6億年生き残っているグループです。昔の「腔腸動物」って言い方のほうが私にはしっくり来るのですが,じゃあ「腔腸」ってなんだよと問われると困ってしまう。
ウメボシイソギンチャク。よく名付けたよなあこれ。口から子供を吐き出すというとんでもない繁殖をします。水槽で飼育すると,吐き出された小さな子供が水面の裏側に張り付いて楽しそうにくるくるしています。
コモチイソギンチャク。
ミドリイソギンチャク。ここらの磯ではいちばんきれいなイソギンチャクです。
ヨロイイソギンチャク。すみません,あまりに普通にいるのでちゃんとした写真を撮ってませんでした。
扁形動物門。プラナリアの仲間。どいつもこいつも気色悪可愛いんだよなこれが。
ツノオオヒラムシ。「ツノが多いヒラムシ」だって。石をひっくり返したらこいつがアメーバみたいにぬるぬると動いていて,知ってる私でもひえっと。
ちょっと楽しくなってきたんだけど,今夜はここまでにします。次回「発動篇」を待て。