ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

真っ赤な秋のカラスウリ

 

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 つたの葉っぱ もみじの葉っぱ からすうり トンボの背中 彼岸花 遠くの焚き火


 何を書き綴っているのかというと,童謡「真っ赤な秋」に歌われる「秋の赤いもん」なのであります。いや,今日久しぶりにカラスウリの実をまじまじと見たもので。

 

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 この色が晩秋を象徴するという意見に同意します。少なくとも私は,子供のころにこの鮮やかな朱色を目に焼き付けているもので。それで気になるのは,なんかカラスウリが減ったなあということ。野山をざっと見まわしても,この赤い実が目に入りません。昔はそこらの藪になんぼでも絡みついていたものですが。繁殖がうまくいってないのでしょうか。カラスウリの花粉を媒介するのはスズメガの仲間。それもキイロスズメなど中型以上のスズメガのみ。スズメガが減れば,カラスウリも困ります。

 

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 そこで気付いた。キイロスズメもカラスウリの花も,不覚にも写真を持っていない。カラスウリは全力で探せば大昔のポジフィルムがあるはずですが,それもなあ。来年の夏の宿題にします。はいここ ↓ 来年にカラスウリの花とスズメガの写真入りますからね。

 

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   で,カラスウリは撮れた。スズメガもう少しお待ちを。

 


 さてカラスウリで気になることがもう一つ。カラスウリを歌に詠みこむのは,東京一極化に起因する「本州スタンダード」の押し付けなんじゃないかと。いったいどれだけの人が,カラスウリの赤を秋の色として納得できるのかと。

 

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 でカラスウリの分布を調べてみると,多くの図鑑には「本・四・九」つまり本州,四国,九州に分布するとあります。詳しく見ると宮城県南部の海岸沿いが北限だとか。あ,やっぱり。北海道から北東北,沖縄の人は知らないんだ。本州でも高標高地に住む人はきっと見たことないだろうな。そんな土地の子供たちは「おかあさんといっしょ」でうたのおねえさんが「真っ赤な秋」の2番を歌う時,どう聞いて何を想うのだろう。

 

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 私はこのブログで花や虫を紹介するとき「茨城」を強調しています。きっと他の土地の人は同じものにも違った感触を持つだろうから。南北に細長く土地ごとの気候に変異が大きいこの国では,茨城に普通のものでもよその人は珍しいと喜んでくれると思うから。うまくいっているか自信はありませんが。


 翻って,東京付近にあるものをスタンダードとして北海道や沖縄の人に当然ご存知ですよねと言って押し付ける。なんと傲慢,呆れる不遜。いや別に童謡を言っているのではありません。交通手段,経済基盤,日々の生活の内にある物理的事象,あらゆる価値観に関してです。東京の普通が日本の普通だと言い切ることに私は異を唱えたいのです。


 あの,決して「真っ赤な秋」にケチ付けてるわけじゃありませんよ。間違いなく名曲です。それに結局のところ,あの歌詞にはまだ普遍性のあるものが取り上げられていると思います。

 

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 サンシュユの実。キレイだけど「真っ赤な秋」の歌詞には入んないよなあ。

 

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 カラスウリの隣にシロダモが実を付けていたけど,これも秋を象徴するとは言い難い。

 

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 個人的には紫色も好き。ノブドウ

 

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 庭にいたアキアカネの雄。赤いのは背中ではなく「腹」ですが,まあシロートさんに目くじら立てても。ちなみにこの雄,触れても逃げませんでした。ここを最期の場所に決めたようです。もうすぐ霜が降りるまでの命。

 

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 庭に一枚だけツタの葉っぱが飛んできてました。はてどこから。そういえば庭の隅に突然ツタが芽生えて,私は喜んだのですが家人からは処分命令が。家にツタが絡むのは貧乏臭くてイヤだと。はああ。


 秋の色は赤。茨城では,ですけど。

 

 

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