快晴。虫を見たくて,北茨城・花園まで行ってきました。
林道を歩いていると伐採地の間に湿原が。
大きな黄色い花,トモエソウです。見事なおしべはオトギリソウ科の特徴。
トモエの名はこの花びらの配置から。わかります?
オトギリソウもありました。我が家のは花期が終わりかけてますが標高の高いここでは今が盛りです。
チダケサシ。アスチルベの名で売られてるのがほぼ同種。
湿地植物のお馴染みさん,ヒメシロネ。尾瀬にもありました。
これも湿原によくあります,ノリウツギ。虫を呼ぶ花。
ミドリヒョウモン。
手前がヨツスジハナカミキリ,奥はアリに見えますがハネカクシという甲虫です。
花と虫の饗宴。長い梅雨を耐え抜いた虫たちが祝祭の日を迎えています。
森の中に入ると
ブナだ。ここは温帯樹林の奥深く,生命の気が満ちる場所です。
たぶんミミガタテンナンショウ。実は秋に赤く熟します。
鳥の羽が落ちてました。鳥の種類は私には見当もつきません。でもキレイ。
枯れ木がぐずぐずになってました。これはほかの多くの生き物の住処になります。
一頭の細長いハチが私を警戒しつつもこの木から離れません。朽ち木の内部にいるカミキリムシの幼虫に卵を産み付けようとしているんです。それぞれの生き方。
こういう腐れた木は変形菌(粘菌)の格好の住処です。見上げたぐずぐずの幹に
完成したばかりの子実体と
変形体の痕跡。たぶん一昨日までは木の内部で巨大アメーバの変形体として細菌を食べて成長し続け,昨日雨が上がったことで繁殖の時節を知ったのでしょう。開いた穴から外に這い出して,昨夜から今朝にかけて小さなキノコ状の子実体に変化し,胞子となりました。空を飛んで,新たにアメーバとして生きる新天地を目指します。変幻自在のなんと自由な生命であることか。
赤いキノコっぽいのを撮ったら,すみっこに今まさに這い出てきた変形体が写ってました。梅雨が明けたことを知った菌たちが,一斉に行動を起こしています。変形菌ファンの皆さま,今日がチャンスでしたよ。
この変形菌はわかる。ムラサキホコリカビかその同類です。
こちらはまだ変形中で種類はわかりません。見えますか,左上にいるヤスデに食べられてます。食ったり食われたりは自然のことわり。
キセルガイに食われている菌もいました。
変なイモムシいた。
森を抜けたところでウバユリが咲いてました。
ウバの名は,花期に根生葉が枯れるから。葉がない,歯がないから「乳母」。よくこんなネーミング思いつくなあ。
ウバユリのこういう角度の写真ってあまりないと思う。
タマアジサイというと御岩神社を思い出します。また行かねば。
フシグロセンノウは森に秋を告げる花。もう咲いて…… と思ってよく考えたら,今は8月,暦の上の秋なかばでした。梅雨が一昨日までだったので感覚が狂ってしまいます。
カワミドリ。シソ科の美しい花です。
ミズタマソウ。あまり低地で見た記憶がないのですが,この通り地味な植物だし気づかなかっただけかも。
クサアジサイは,咲き初めよりも赤く色づいた若い実が目立つこれくらいが一番きれい。
野の仏。山深い土地ですが古くから人の生活があった場所です。
とっさによく撮れたなあ,ミヤマカラスアゲハ。
リアル「赤き死の仮面」,スミナガシの幼虫。
地味な成虫より面白い。蛹はもっと面白い。いずれお見せします。
シータテハ。 ”C ”模様がくっきり。ここらにはたくさんいます。
木の上からボトリとヒグラシが落ちてきました。何があった。
ムラサキシジミ。
ヤマキマダラヒカゲ。
クモガタヒョウモン。オオハンゴンソウで吸蜜。
ヒオドシチョウ。
ウラギンシジミ。
ヤマトスジグロシロチョウの雌が産卵場所を探しています。ずっと「エゾスジグロシロチョウ」と呼ばれていたものが,北海道と本州で別種だということになって本州の種に「ヤマト」と付きました。なんか馴染めない名です。
ここは花園,道にミヤマクワガタが落ちていても別に驚きません。
噛まれた。
なんてところをアブにじっと見られてた。
どの川もまだ水量が多く,メノウ拾いにもパンニングにも行けません。しばらくは生物ネタが続きますのでよろしくお願いします。
結界を張るようなこれは,お墓の入り口に立てるご先祖様へのお迎えのしるし。このあたりのお盆の準備です。よく考えたら来週はお盆なんですね。梅雨が明けた翌週の盆。自然界は長梅雨のせいで気の巡り,水の流れがすっかり変わってしまいました。いつもと違う肌触りの夏です。