水戸から大子を経て郡山に向かう国道118号線。途中久慈川沿いの山河を縫って走ります。そうです私が男体山や袋田や大子や八溝山やメノウ拾いやらパンニングやらに行くのに使う快適な道です。茨城サイコー。
先週雪が積もる中八溝山方面に行ってきたのですが,途中でおおっという光景を目にしました。久慈川の河原の石が,砂利採取で剥ぎ取られていたのです。よっしゃー!
…… 説明が要りますね。この辺りには河原の土砂を採取して建設用に販売する業者さんがたくさんあるのですが,そうして採取されたあとはそれまで隠されていた下層の古い土砂が表面に現れます。そうです,かつて堆積して隠されていたメノウが拾えるのだ! ゴー!
落ち着けおっさん。先週は時間的余裕がなかったので,一週間待っての今日となりました。さあ拾えるかなあ。
あーこりゃダメだ。剥ぎ取られた直後で,石が泥をかぶってます。これでは判別が困難。一度大水が出て表面が洗われないと難しいかも。
なんて考えていたら,あっさり第一号発見。
地層状のクリーム色の縞がいい色です。
第二号。
第三号。
ああっ川の中にもあるっっ。
くるぶし程度の深さですが…… だいたいこういうのは無理して取ろうとするとろくなことにならない。見るだけにしましょう。
赤い色に反応してしまいましたが,これはレンガ。ちなみに他県では,こんな感じで似た外観の水銀鉱物「辰砂しんしゃ」を拾えてしまう場所があるのだとか。水銀だから毒なんだけど,一度拾ってみたいです。
また一個。今日はなんか凄いことに。
重機がお仕事しています。お邪魔してはいけません。現地の人から見れば私は闖入者。私のフィールド遊びの時のモットー,① 先を急がない ② 無心であること ③ 地元に迷惑かけない! で今日も参ります。
また一個。母岩付きです。
いつもこうだったらなあ。いやそれではつまらない。
不思議な色のチャートがありました。いい火打ち石になりそう。
また一個。
メノウらしい構造が見えます。
同じようなのがもう一個。一個見つかると,意外とそばにまたあります。メノウが川に流され堆積する条件があって,同じような場所に集まるのでしょう。
動物のフンなのですが,これギンナンだよね? あのクサいイチョウの実を食べる豪の者がいる。いやそれよりこの大きなギンナンが排泄できたのか。肛門無事か。大きなお世話か。
また。
型がよろしい,なんて。
モクズガニが死んでました。前にもご紹介したけど,有名な「上海ガニ」とほぼ同種の美味なカニ。皆に狙われる中で,年に一度命懸けで海まで降りなければならない宿命を背負ってます。
またメノウ。いい色です。
ずしりと重い久慈川のメノウ。
メノウらしい縞模様が見えます。
赤紫の縞模様のチャート。これはこれできれいです。
これは…… メノウではないな。
本日最後の一品。
重機に踏まれているのに折れてない木が。触ってみて納得,珪化木けいかぼくでした。
珪化つまり石化がまだ不十分ですが,ちゃんと水に沈みました。ああどうしよう,持ち帰りたい。いま頭の中で,二人の自分が押し問答しています。持ち帰ろうよ,いや持ち帰ってどうすんだこんなもん……
はい今日は理性が勝ちました。こんな場所に置いていきます。
今日のお持ち帰りはこれだけ。本当にこれだけ。いやビーチグラスきれいだったもので。メノウは縞模様がきれいだった第一号だけ連れ帰ります。あとのは全部現地に置き去り。これ読んでる読者の方で現地に来れる方,探してみませんか? そろそろ目がヤバいおっさんが1時間ちょっとの探索でこれだけ見つけられたんですから。
場所は常陸大宮市北部,旧山方町の久慈川。118号から小貫橋を渡ったところですぐ右折,久慈川沿いの砂利道を1キロほど下流に行ったところです。慌てないでも,大水が出るたびに採れますよ。くれぐれも現地の人のご迷惑にならないようお願いします。
陽が高くなるにつれ,かなり気温が上がりました。越冬中のキタテハが日光浴。春を待ちわびるものがここにも。