「絶景」をお見せする記事じゃないから期待しないでくださいね。
SNSの浸透で「絶景」という言葉がお手軽に使われるようになりました。ガラケー持ちでSNSにも無縁の私には、他人の写真を見て自分も撮りに行くという行動パターンはないのですが、そうしたい気持ちも理解できます。
以前何かで読んだのですが、「絶景」には3つの段階があるのだそうです。その第一番目が「そこを歩きたくなる風景」だそうで。あ、ここを自分も歩きたい!というのは自然な感覚なのでしょう。
今年も人間ドックに行ってきました。いつもお世話になっている茨城県メディカルセンターに新しい人間ドック棟ができていて,検査自体は快適でした。ただ,新しい病院の壁や天井の白さ,余裕ある空間の中の妙な孤独感,いずれも私には馴染まないものです。
検査後の食事をレストランで頂くのですが,この新設の建物からは「逆川さかさがわ緑地」が見下ろせます。
わあ。
まっすぐ立ったヌマスギの梢。斜めに入る光が冬枯れの芝にその影を投げかける。なんか,ものすごくそこを歩きたくなる風景です。
というので食事後、お医者さんの検査結果説明まで1時間以上あるので気分転換をしてまいりました。
これが逆川。上流に田んぼや住宅地があって水は清くない。びっしり護岸もされていて、生物学的な面白味はないのですが
周囲の谷筋は湧水が多く、希少な生物が生息していて、親水公園になってます。
ゲンジボタルとか。
水中にクレソン。外来種ですがすっかり定着して。そういえば尾瀬の山小屋の周囲にもあったな。
ヌマスギがそびえます。アメリカ東南部原産の湿地植物。原産地では高さ50メートルになるものもあるとか。
その根元にぼこぼこと出てるのは気根。湿地では土中に酸素が少ないことへの適応だとか。
逆光きれい。さしずめ「ヌマスギの丘」かな。
湿地の主役はこちら、ハンノキ。たぶんもともと自生していたもの。成長が早く、大木になります。
もう開花しています。
これが花。風媒花なので見た目は地味。
雄花。この花粉でアレルギーになる人もいるらしい。
雌花。これが
こんな松ぼっくりみたいな球果になります。
そういえば、今期の夜アニメで私が唯一ブルーレイに保存すべきと思っているのが「映像研には手を出すな!」という作品なのですが、主人公の女子高生が語る怪獣の設定に「湿地に生えるハンノキを食べる」というのがあって、個人的には喜んでしまいました。そんなマイナーなもの、よく知ってるなお前。どこにでもある木なんですけどね。
コナラの林では落ち葉を踏んで。
水戸の町は、雨が少ない割には湧水の多いところで、水戸黄門こと徳川光圀公はここを水源とする上水道を整備されました。
今も市民に利用されています。
ヤブツバキが咲いてました。
逆川本流。前述のようにきれいな川ではありません。でもそれゆえにコイが丸々と太って。
小魚もいるのでしょう、ダイサギ先輩。水映りも男前ですね。
逃げた。
池の端のガマが綿毛を飛ばしています。これ、火打石で火をおこすときのいい火口になるのだ。
先月の大仕事で体はガタガタです。本当は1週間くらい休みたいんだけどなあ。
ちなみに「絶景」の3分類について。
① そこを歩きたくなる風景
② そこに住みたくなる風景
③ そこで死にたくなる風景
…… だそうな。不肖私、③をいまだ経験しておりません。