ひたちなかの大型書店に行きました。ひたち海浜公園に向かう車列が渋滞しているのをこわごわと避け,本屋さんの駐車場に滑り込みます。
目的の本を買って,あ,そういえばアレも買わなきゃと隣の街区のホームセンターまでてくてくと歩きます。歩くのは苦ではありません。広大な敷地の,併設されている商業施設まで行きますと,こちらから海浜公園に向かう人の流れがあるのに気づきました。ははん,有料の海浜公園駐車場を嫌ってホームセンターに駐車してやがるな,セコい奴らめ。そう思いつつも,ああネモフィラが見ごろとかニュースで言っていたよなあ,人ごみも渋滞も嫌だからもう十年以上行ってないよなあ,などと考えながらなんとなく人の流れに身を任せて歩いていると
翼のゲートに着いてしまった,あっけなく。この季節ここまでたどり着くのは至難の業と思っていたので拍子抜けしてしまいました。
入場券売り場も増設してあって大行列はしてません。窓口でおじさん一人ですがいいですかと聞くと 700円のおじさん券を売ってくれました。
ネモフィラの季節のひたち海浜公園に,わし,今いる。ちょっと信じられません。もうここまでで車を停めてから2キロ以上歩いてます。そうか歩くことを厭わなければ何とかなるんだ。というかバカにしていた他施設の駐車場に停める悪いやつの一人に成り下がっていることに気付きました。あああたしってダメなオトコ。遠くに人とネモフィラで埋まった「みはらしの丘」が見えてきました。
ここまで来たからには撮らねば。ただ,普通にシャッターを切ったのでは人ごみを写すだけです。
こう撮るか
こう撮るかでも写真の印象は違う。
当初はネモフィラだけを写そうとしました。しかし憩う人々を見ているうちに,これは人を写しこまなければいけないのではないかと,ふと。
公園で働く人たちが全力で作り上げた空に続く青い丘。多くの人に愛でられて咲き競うネモフィラ。この絶景を一生の思い出に刻む人々。この日この時この瞬間を写真に撮るなら「人」を写しこまねばならぬ,と。写っている全員がマスクをしている,というのも後世に意味のあることでしょう。
ご自分が風景の一部であることに気づいておられるでしょうか。
この日いちばん空に近い人々。
このカップルは今日という日を一生忘れないでしょう。
空に続く青。
最後にネモフィラだけの写真も。
チューリップもきれいでした。
今年は緑が多いね,という人がいました。ネモフィラが育ちすぎて,花と花の隙間が広く見えているようです。もう見ごろは過ぎつつあります。来年以降おいでになる方,とにかく午前中早い時間を目指せば案外楽に入場できるかもしれませんよ。間違いなく,死ぬまでに一度は見ておくべき絶景です。