平日に休みが取れました。高速バスに乗り込んで、ほぼ1年ぶりの東京行です。昔は月イチくらいは行っていたのですが、最近は必要なくて。ネット社会万歳です。新型肺炎が怖いのでふだん絶対に着けないマスク着用です。ああメガネが曇る。
常磐道は霧の中。
私が東京の用と言ったら、最近はもっぱらアメ横の買い物。カタログで見て実物を確かめて。手早く済んだので上野恩賜公園の美術館でも見ようかな。
交番わきでもう桜が咲いてました。外国の人たちが写メ撮ってます。
で、遭遇してしまった。予備情報なかったのでちょっとびっくり。国立科学博物館でミイラ展。科博じたいが久しぶりなので、これは見るしかないと予定変更です。
高いなあとは思うけど、その分子供たちが安く入れるなら。入場料というより協賛金のつもりですから文句は言いません。こういう企画展の準備がいかに大変なものかも知っております。
残念ながらミイラ展そのものは撮影禁止でした。驚いたのは平日の午前中なのにものすごい人出だったこと。休日にはどんな騒ぎになるのかと思うと、人ごみの苦手な私はぞっとします。
これも「顔出し」と言うのだろうか。
常設展示は撮影自由。膨大な展示品の数々はどうかご自分でご覧ください。この記事では私の目に留まったものの一部だけご紹介します。まずはミイラ展の会場の「地球館」にて。
校外学習の子供たちがいっぱいです。この科学の国の未来を、どうかよろしく。
イモガイ一覧。毒矢を撃つ軟体動物。研究員にこれの専門の方がいるのでしょう。
アンボイナ。殺人イモガイとして知られます。
菌類の模型、よくできてるなあ。かなりお金かけてます。さすが天下の国立科学博物館。
テズルモズルの標本。以前のカラスウリの記事の時にご紹介しました。不気味で面白い棘皮動物の一種です。
どこかの誰かの思い付きで消されてしまった「藍藻」という言葉ですが、科博の展示では積極的に使われてます。さすがです。
牛の舌! 牛タン! こんなデカいものだったとは。
まだ新館の地球館を見ただけなのにかなり疲労しました。展示の質・量が半端じゃない。
腹ごしらえで回復しましょう。館内レストランでエビフライ。シンプルだけど美味しゅうございました。
さて本館「日本館」。科学の大伽藍に突入だあ。
フーコーの振り子。19世紀にパリのパンテオンで公開された時には連日の大盛況だったそうな。
日本人は鎖国中の江戸時代ですら科学への興味を持ち続けました。これは天球儀。
渾天儀というそうな。これでも天体観測機器なのです。
いつも感心する和時計の数々。江戸時代は夏冬で時間の長さが異なる「不定時法」だったのですが、それすらも正確に刻時します。
携帯日時計。ギャグではありません。コンパスまで付いている。
顕微鏡。ちゃんと江戸時代にありました。
細部に神は宿る。
日本館は地上3階・地下1階。移動に中央吹き抜けの階段を通ると
壁の大理石に化石が入っているのが観察できます。2階あたりにいくつかあるので、探してみてください。
あまりにも有名な。
コウジカビ。味噌、醤油、日本酒の作り手。日本人はカビとも上手に付き合ってきました。
全国の鉱物標本が並んでいます。
もちろん茨城のもいくつか。これは日立鉱山の黄銅鉱。
フタバスズキリュウ。高校生でこれを発見した鈴木直ただしさんの人生を本当にうらやましく思います。私ではミイラにでもならないとここに展示されない。科博さん、即身仏いっちょういかがです?
東洋の科学の国日本。その科学の精華を集めた博物館です。扉の飾り一つにも誇りと歴史が香ります。
1930年にこれだけの建物を作ったこの気概。現代ではもう無理なことでしょう。予算も削られているんだろうな。こういう資料収集や基礎研究こそが科学の土台なのですが、それは現代の政治家や官僚には理解できない次元です。
科学の殿堂。私の即身仏が寄贈されるまで待っていてね。
おまけに。
ミイラ展の会場に設置されたミイラガシャポン、製作は海洋堂! 一回500円だけどやるしかあるまい。
2回やって出ました、「ネコのミイラ」と「若い女性のミイラ」。アップに耐える海洋堂クオリティ、500円の価値あり。