鷲子、と書いてとりのこと読みます。鷲子山上神社。このブログでおなじみ常陸大宮市、旧美和村に古くから鎮座する神社で、正確には参道の石段や本殿を茨城県と栃木県の県境が貫いているという面白い立地をしています。出不精の私が最近巻き込まれるパターン、若い人にぜひ行きたいとせがまれ案内するという道行きになりました。
で、聞いて驚いたのが、ここが今パワースポットとして有名だということ。
これはアレだ。御岩神社や鶏足山と同じパターンだ。かつて自然観察でお気に入りだった静かな山峡が、いつの間にか人が大挙して押し寄せるようになっていたやつだ。ああ人ごみはイヤだよう。
というので朝8時に出発して、込み合う前に到着しました鷲子山上神社。名の通り、鷲子山の山頂部にあります。標高460メートルちょっと。
県境。
にぎやかな門前。
神仏混交の名残が見られる社殿は間違いなく由緒正しいものです。神すさぶ神域です。
…… なんだけど
本殿の裏。こんな派手なお稲荷様なんてあったっけ。かつてここらの藪を歩き回った記憶はありますが。
沿道にはフクジュソウの植栽。
お稲荷様の裏を下ると、一面にアジサイの園芸品種が植えられた立体庭園になってました。
エンドレスサマー …… ここが神社であることは抜きにしてどんな花か見てみたい。
順路にはこれでもかとばかりにフクロウ!
フクロウ!
フクロウ!
巨大フクロウ!
昔ここの裏山で私が自然観察をしていたころは、ただの古めかしい神社でした。フクロウはどこにもなかったと思います。ご祭神は鷲わしのはずだし。つまりはこれ、こちらのご神職の企業努力の成果です。
いえ、決してそれを揶揄するものではありません。御岩神社の記事でも書きましたが神はヒトに祀られ、敬われてこそ神なのです。神の力はヒトの力。多くの人が訪れることで神威は増し、ご利益も上がるのだと思います。神をことほぐのに、人を呼び込むことほど効果的なものはありません。
ふと気づいたのですが、フクロウやらアジサイやらの客寄せがあるのはすべて神域の外でした。鳥居より内側の結界の中は清浄なまま。本来の神様の領分は一切乱されてません。聖と俗のけじめ。節度を保ったまま人を呼び込む努力をする。私は支持したいと思います。
花の名の看板に冬を耐え抜いたアカタテハ。春が来ています。
帰りに道の駅「かつら」に寄って、特製イチゴ大福を買って那珂川の河原で食べました。甘いイチゴと甘さを抑えた餡のバランスが絶品でした。皆様もぜひ。