鉱物収集に転んだ一年間でしたが、もう春が始まります。そろそろ生物の世界に帰還します。今日は最近見た鉱物をご覧に入れて総括に替えようかと。
日立・初崎海岸の高温石英。この大皿山盛りに海岸の砂を採ってきたのが3月のはじめ。盛りすぎた。本当に根性が貧乏人なんだから。処理が終わったのがようやく昨日でした。
一個一個ピンセットで高温石英の粒をつまんで
こんだけ拾い出した。何千粒か、ひょっとして万の位か。やっぱりヒマな奴って言われますよね。ええヒマなんです。
色の悪いのや摩耗して光らなくなったのはハネたのでこの純度。花嫁の衣装に一面に縫い付けてあげられるレベルだと自負しております。
きっとプロの地学屋はこんな効率の悪いことはしないだろうし、メルカリで売るのが目的の人はもっと雑な仕事をします。鉱物趣味のアマチュアならでは。
同時並行でこんなのも拾い出しました。純粋なものより、むしろこういう雑多な美しさに心奪われます。
ビーチグラスと呼ばれる各種ガラスのかけら。
長石などの半透明鉱物の摩耗した粒。
摩耗したり不純だったりで光らなくなった石英。
貝殻やウニの棘の破片。
…… この様々な要素が協調して醸し出す輝きこそが、この世界のあるべき姿と思えます。まさに多様性。
ともあれ大びんにそれぞれ1本ずつ。人に差し上げるときは小びん一杯の石英に色ガラスを少し混ぜて。一番きれいに見えるあたりで。
鉱物ネタもう一つ。大子のほうで見つけたざくろ石の結晶が取れる沢、そのパンニング成果。以前はざくろ石以外はその場で捨ててきたのですが、真面目に他の鉱物も探してみます。
磁鉄鉱を磁石で除く。大量ですけど、ざくろ沢と違って結晶はありません。
残った砂から拾い出してみると…… おおお、何かいろいろと。
とりあえずわかる範囲で分けてみます。ざくろ石、かんらん石、輝石・角閃石、石英。
輝石と角閃石の区別はシロウトには難しい部分があります。なのでごっちゃのまま。
これ、かんらん石でいいんでしょうか。間違ってたらご指摘ください。
もっと緑色だったらわかりやすいんですが。
ざくろ石の結晶。
ざくろ沢ではとうとういいのが出なかったので、ちょっと嬉しい。
最後に、一緒に採れた石英を何気なく双眼実体鏡で覗いてあらびっくり。六角錐のそろばん玉。高温石英じゃん、これ。
初崎海岸のものより小ぶりですけどちゃんと結晶型をしています。ここの他の鉱物たちと同様、火成岩に含まれていたんですね。へー。
鉱物。日本のものは基本的にルーペで見るレベルの大きさです。それゆえ一般の人の目には触れない。また一つ、世の人々とは異なる世界を見られるようになりました。自己満足にくくくとほくそ笑んでおります。