ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

彼岸花,ヘビカニクモにボンカレー

 

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   一日,久慈川沿いを歩きました。


 第一目標は,久慈川に注ぐとある沢。地質図を見ていたら「含ざくろ花崗岩」という場所があって,久慈川花崗岩由来のざくろ石を見たくなって。大子町で採ったのは玄武岩由来の小さな結晶。花崗岩由来ならきっとデカかろう。さあパンニング皿出動です。某駅前の駐車場に停めて,街を抜けて沢の道へ。

 

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 でかくて長いのがいた。

 

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 ぺろぺろ。アオダイショウのここまで大きいのは久しぶりです。カメラを近づけても逃げません。大した胆力です。この沢のヌシかも知れない。…… あなたの沢の品位を落とすようなことはしませんので,どうか先に進ませてください。非礼を詫びつつ尻尾のほうから回り込んで通らせてもらいました。ヌシは少し首をかしげただけ,どうやら許してくれたようです。

 

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 感じのいい沢です。私の言う「感じのいい」は,例えば人が荒らしたり汚したりした形跡のないこと,そもそも人けがないこと,なのに良くないものが漂ってないこと。長年山野を歩いていると見えてくるものがあります。

 

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 パンニング中,ずっとこのサワガニに見られてました。よく見ると片一方しかない複眼で,何を見て何を考えていたのか。


 パンニング結果はまだ砂が乾いてないのでなんとも。ただざくろ石はちゃんと含まれていました。地質図ってすごいなあ。


 沢からの戻り道は街をのんびりと。街といっても小さな宿場町がすっかり寂れましたふうの,商店一つない静かな住宅街です。

 

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 これがかつての国道118号。

 

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 商店がないと言いましたが正確には営業していない。かつては多くの人で賑わっていたのでしょうね。

 

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 川に向かって段々になった,その段丘上に列をなして家々があります。横切る方向はすべて傾斜。坂や石段が繋ぎます。筑波山でも思ったけど,こういう坂の街って大好きです。いつか尾道に行ってみたい。

 

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 ボンカレー! この看板がある街というのは,いくつかの重要な基準をクリアしてしまった感がありますね。

 

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 驚くべし,道端にクルマアザミ。実はそんなに珍しいものじゃないのかな。

 

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 秋のアザミが咲き始めたんですねえ。

 

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 旧街道を外れて久慈川のほうへ下ってみます。道端の家でキンモクセイとギンモクセイが並んで植えられていました。ご主人はいろいろとものがわかっていた人なのでしょう。

 

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 今年もミゾソバの咲く季節が巡ってきたようです。

 

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 合いますね,踏切とヒガンバナ。今年のヒガンバナは2週間遅かったような気がします。

 

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 そのまま下っていくと,ぽっかりと不思議な空間に出ました。懐かしい物語のにおいがします。

 

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 そしてとうとう河原に出ました。人跡未踏,数か月くらい人が入った形跡がありません。久慈川では珍しい。もっとも,メノウ産地の沢より上流なのでここでは拾えませんでした。

 

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 変な取り合わせ,ウチワサボテンとウラギンシジミ。サボテンはどこからか流されたものでしょうけど,飛んできたはずの蝶の様子がおかしい。あまり飛びません。体調が悪いようです。生あるものすべて,そういう時があるものです。

 

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 これから極寒の久慈川で成虫越冬する運命が待ってます。元気になってくれればいいのですが。

 

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 さて今日の第二目標は昨夕「三太の湯」に行く途中で見たヒガンバナ群生地。私には月並みな写真しか撮らせてもらえない強敵です。ああ今日の写真もつまらない。

 

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 上手い人はうまいんだよなあ。この花が醸し出す情念のようなものをいつか写し取れたなら。

 

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 悔しいから変な写真撮ってやったぜ。フォトショップ合成じゃないですよ。


 なんてことしてたら,近くに車が止まりました。降りてきたご夫婦が何やら相談しています。あ,なんか予感がする。巻き込まれる予感がする。案の定,ご主人が私に寄ってきて「あの~」。


 聞けば左前輪のパンクでした。保険会社に連絡して救援を呼ぼうとしたのですがスマホが繋がらないと。そこで私のガラケーを見ると,ちゃんとアンテナ4本立ってます。今のガラケースマホと同じ電波域を使っているはずですが,仕組みが違うのか会社が違うのか。


 そこで私のガラケーをお貸しして連絡していただいたのですが,いや長い長い。今どきの保険会社の確認作業はくどくて煩雑なのでしょう。おいおい,私のケータイは使った分だけ料金がかかる契約なんだよ,キミたちもう20分くらい話してないかい。ああまさかフリーダイヤルだよね。


 ようやく通話が終わったと思ったら,折り返し保険屋から電話が来るそうです。私の携帯に


 結局何やかやと1時間以上付き合う羽目になりました。かつて日光男体山の裏側の林道でバッテリー上がりの老夫婦を助けたこともあったなあ。いいことしたとは思うけど,なんかこういうのを呼び寄せる体質だなあ,わし。


 帰路富岡橋に寄ったら,石拾いのご家族がおられました。はるばる群馬県から来たとのこと。どうやらブログを見て来られたようなので,勝手にメノウ教信者と認定,供物のメノウをお持ち帰り頂きました。久慈川を良い思い出にしてください。

 

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 久慈川は長梅雨の増水からすっかり水が引き,風も涼やか。石拾いの季節です。

 

 

 

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