拾う気はなかったんです。いえ本当に,川の様子を見るだけのつもりだったんです。
玉川から久慈川を巡って来ました。先週土曜日に大嵐で,川はどうなったかなと。
まずは玉川。
ほぼ田んぼの用水路的な川です。田んぼは代かきが始まります。ゆえに,田んぼに水を張るために溜め池が開放されて濁った水がご覧の通り。水底が見えませんし,増水もしてます。もうしばらくはメノウ拾いは難しいでしょう。何のかんのと制限のかかる川です。
川沿いにれきの層があって
その中にメノウのかけらが混じります。これが玉川メノウ。
鮮やかな赤を発色するものがあります。元は白い「玉髄」だったものが,れきとして埋没するうちに二次的に着色されたものです。ほとんどが薄い層状の,マグマが地層中に貫入して固化したもの。ビキビキって。やがてそれは岩盤ごと砕かれて大河に流され,下流に堆積しました。それが「常陸国風土記」が書かれた千三百年前から掘られ続け採り続けられても 無くならない。
遠い遠い昔の話です。どんな大火山があり,どんな大河があったのか。想像の翼は遥か太古の空を飛翔します。
あとここ玉川のれきには,独特の珪化木が含まれます。灰白色で一部メノウ化します。樹種はわかりませんが,かつて火山のあった時代に森を作っていた木なのでしょうね。
田んぼの道にマツバウンラン。アメリカ原産。すっかり日本の路傍に定着しました。
キジのオスが盛んに鳴いていました。恋の季節なんですね。ここはヒトと生き物が共生する平和な里山です。
休耕田の一面にスミレの変種シロガネスミレが繁茂していました。あちこちで母種に置き換わって版図を広げてます。
では河岸を変えて久慈川へ。
移動途中にあった玉川沿いの家。2階まで水に浸かってます。おそらくは昨年の台風19号。この緑の谷が泥水に埋没したんですね。住人の方が無事だといいんですが。
周囲にハルジオン。何を想うか。
久慈川はすっかり水が引いてました。… ので調子に乗ってまた沢へ。
藪を何かが歩いている,と思ったら出てきたのはタヌキ。キミは確か夜行性では。というかもっと人間を警戒しろ。
なんか好きなんです,キュウリグサ。
色はいまいちだけどズシリと重い久慈川メノウ。
仏頭状構造も久慈川には多いのです。
今回は久慈川の珪化木は採れませんでした。
植物化石らしいの。
ざくろ石が封じられた石。
ゆきゆきて堰堤。今日はここまでにしましょう。
で,気づいたらこんなに拾っていた。ぐわああ。見つけたら拾わずにいられないこのビンボー性が憎いぞおっっ
これは全部久慈川メノウ教信徒の皆さまへの供物とさせていただきます。ちなみに小貫橋ではまだ土砂採取が続いていますので,他所へどうぞ。