この冬の渇水シーズン,玉川をくまなく歩いてみようと考えていました。改めてどんな川か見極めたかったんです。
水戸はバカみたいに青空です。雪が大変な地方の皆さんごめんなさい。
でも毎朝マイナス4℃,玉川では氷結が始まってしまいました。用水路のような川なので気温の影響もろ被り,どうやら今シーズンはここまでのようです。
わかりづらいかもしれませんが氷が張ってます。割りながら進むさながら砕氷艦,疲れるったらありゃしない。それでもできる範囲でメノウの分布を調べておこう。
下流部は他の方のご紹介もあってすっかり有名になりました。もう表面で拾えることはなく,メノウ探しの方々は掘って探します。おかげで河原は爆撃の跡みたいに。
爆弾孔,ではなく誰かが掘った穴。こんなに同じところばかり探して,本当に採れるのかな。私は人の跡は遠慮します。
川底を掘ると大量に出てくるのがシジミ,たぶんタイワンシジミ。食っても不味いですがとりあえず食用。冬眠中なのを掘り出してしまうので謝りながら川に戻します。
メノウが拾える場所は限られますが,当たれば一か所でこれくらい。珪化木もあります。どちらもキリがないので最近はあまり持ち帰りません。
持ち帰った一つのこれは
小さいながら晶洞があるな,と手にしたら
ぱかんと割れてしまいました。
水晶の微結晶がきらきらして綺麗でした。
この珪化木,たぶん生きてるときにカミキリムシやらキツツキやらに穴だらけにされたようです。
縞模様いろいろ。小さくて薄っぺらな玉川メノウですが,やはり美しい。
白いのももちろんあります。白いのばかりが採れる場所があります。
これは水晶が晶洞を埋めてました。
フィールドを歩くとき,私は心の中でかなり饒舌になります。その声を音声にして聞かせたら,普段の私を知るひとをかなり驚かせることになるでしょう。ここは白いのしかないなあ。堆積した年代が違うのかな,それとも埋没した地質の成分差かな。何の成分だろう。赤いのが採れるのはあの橋の向こうで,たぶん年代が違って,いやいやそんな差があるわけでは…… 延々と続きます。段差を越える,メノウを拾う,生き物を見る。そのたびに新たな思考が胸の奥で新たな会話を始めます。見るものすべてが次の想像を掻き立てる。浮世離れした思考ループが頭の中をぐるぐる回る。そのあいだ私は現実を忘れます。トランス状態というか,一人遠い世界を旅するような感覚です。フィールド歩きは,私にとって異世界探検なのかも知れません。
イタチに見られてました。変な奴だと思われたことでしょう。
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