ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

静かなる鶏足山

 

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 県知事選のあった日曜日。朝一番に投票を済ませて,雨模様の空の下,鶏足山に向かいました。その時の写真を並べさせて頂きます。

 


 駐車場は余裕でした。早朝に登った方々が下山してきただけでなく,そもそも人が少ない。ここをいつも賑わせているのはご老人の団体ですが,コロナ禍と朝の雨とで計画がなくなったのでしょう。十年前はこんなだったなあ,とふと感慨が。さあ登ろう。雨なので全天候カメラ「権三ごんぞーさん」しか持ってきてませんが,何が撮れるかな。

 

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 駐車場わきの流れの中でミソハギが咲いてます。

 

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 普通8月のお盆の頃が花期なのですが,今を盛りと咲いてます。いい色だなあ。

 

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 いつも通り,赤沢富士を経由しない長い登りの林道を行きます。花を楽しむならこちら,と思ってます。

 

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 さっそくツリガネニンジン…… ピントはどこだ。コンパクトカメラの難しいところ。

 

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 ヤマジノホトトギス。この夏よく見かけました。

 

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 マツカゼソウ草本のミカン科です。そう言われても困るけど,葉には確かに香気があります。

 

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 ツユムシとクモが睨みあっていたり。

 

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 フジカンゾウ。一般の方には馴染みがないかも知れませんが,実が独特の形の「ひっつき虫」です。衣服に引っ付きます。

 

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 こんなの。こういうのを節果と言って,マメ科のヌスビトハギ属で数種知られますがフジカンゾウのがいちばん大きい。ところがこの種を載せてない図鑑があってびっくりしたり。

 

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 道につる植物のテイカカズラが垂れて壁を作ってました。取りついていたコナラの木が折れたらしい。もし夜にここを通りかかってうっかり突っ込んだらパニックだったと思います。妖怪のぬりかべってこうした経験から生まれたんじゃないかな。

 

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 キブシの実が道に下がってました。

 

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 赤いキノコ見っけ! 実は直径は2センチほど,チシオハツという種類です。この夏はどこの森に潜ってもキノコだらけ。雨が多かったせいですね。今日の鶏足山でもたくさん見ることになるのですが,個人的に趣味が合うのだけ撮りました。

 

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 イグチの仲間。イグチは共通した特徴を持つ一群のキノコですが,イグチどうしは種ごとの特徴に乏しくてよくわかりません。

 

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 これもイグチ,たぶんベニイグチ

 

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 傘の下がシイタケのようなひだではなく,このスポンジのような「管孔」なのがイグチ類の特徴です。毒キノコが少ない類でもあります。

 

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 で,出たあ,オオゴムタケ。キノコですよ。賢明なる読者の皆さまはご存じでしょうけど,そうです私はこの手の異形なやつが大好きなんです。

 

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 晴れてきた。でも今年は天気を信用しない。

 

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 フユイチゴが開花してました。へえ,今ごろが花期なんだ。

 

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 ツルリンドウ。毎年お見せしちゃってすいません。

 

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 ミズヒキ

 

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 道端のコアカソを撮ったら

 

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 カナヘビの子どもが写りこんでた。気づかなかった。

 

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 そのコアカソの雌花序が雨水を湛たたえて異世界の光景を写し出してます。雨の日ならではの妙景と言わせてください。

 

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 林道沿いは山を削った切り通し。地層の露頭です。このあたりの地質は中生代の堆積岩で,崩れやすいところは砂岩や泥岩,山のピークを形作る岩体は硬いチャートから成ります。そんな地層にコケが付いて,生物と岩石が幾何学的な文様を作ります。

 

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 尾根の登りに入って,ヤマボウシの実が落ちてました。甘くて食べられます。落ちてたのはイヤだけど。

 

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 出てきたキノコはシロオニタケ。食べられないけど堂々としたものです。

 

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 シロオニタケは幼菌も面白い。

 

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 タマゴタケもありました。

 

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 すっかり荒れた道。

 

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 鶏足山,三角点のあるピークと見晴らしのいい方と,どっちが山頂か。双方の主張があって看板類が混乱してましたが,結局「山頂」は三角点,もう一方は「見晴らし台」で落ち着いたようです。三角点山頂にオトコヨウゾメの実。

 

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 そして見晴らし台の弘法大師のほこらと…… どデカい賽銭箱。いやそのなんと言うか。

 

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 ちょうどお昼時で,以前ならこの狭い山頂がいくつものご老人の団体で大騒ぎになってましたが,今日は静かです。本当に十年前に戻ったみたいです。

 

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 曇っていてもここの開放感は良いものです。

 

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 八瓶山も毛が… じゃなくて木が生えそろってきました。時の経過がわかります。

 

 

 

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 帰路はまた雨でした。静かな鶏足山でした。昔を知っている私が偉いとか,そんなこと言っているのではないことは,いつもの読者の皆さまならおわかり頂けますか。そう私は,静かなフィールドに一人立つのが好きなだけなのです。

 

 

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 このあと,時間的にも体力的にも余裕だったので常陸大宮方面の沢に出かけて

 

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 軽くマタタビ拾いをしてみました。今年も出来は上々,来週は本格的に拾いに行こうと思います。

 

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 ついでに車で登れる山に行き,しばし風景を楽しんでいたらスズムシの声が聞こえてきました。たぶん野生のスズムシ。

 

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 どうやら夏は終わったようです。

 

 

 

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