いつものフィールドの森に潜る。何があるかな。
アキノタムラソウ。7月から続く花期もようやく終わりです。
けっこう毛だらけ。
ガマズミの実。日なたのがもう色付いていました。
カラスノゴマ。
このブログの読者「守衛」さんのブログ「カラスとスローガン」の先日の記事で紹介してあって、見たかった花です。守衛さん、いつもありがとうございます。
さてキノコ。ナチュラリストとして大いに興味があるんだけど同定が難しい。例によって間違っていたらご指摘くださいね。これはキクバナイグチとしておきますけど断定はできません、はあ。 イグチの仲間は夏キノコで、この日は先々で見かけることになります。
クロアナバチ。いつぞや記事にさせてもらった黒衣の戦士。葉っぱにぶら下がってジタバタしてるのを撮ったのですが、写真を見ると後肢のツメが葉に引っ掛かっていたようです。助けてやればよかった。
路上をコロギスの幼虫が歩いていました。コオロギとキリギリスを足したみたいだからコロギス。夏に孵化して幼虫のまま冬を越す変わり者。カメラを向けたらそのカメラに飛び乗ってきました。こんな反応をする虫っていないよなあ。こういうところも変わり者です。
顔が隠れれば落ち着くらしい。
道端のワラビが激しく食害に遭ってました。こりゃひどい。シダを食う虫もいるんですね。
こいつ。正体は不明です。ツマキリヨトウというヤガ科の仲間はシダを食うそうですが、これは違うようです。
タマゴタケが出てました、あちこちに。… 真正面から芸のない構図で撮ってしまった。目立つし危険な類似種はないし、とっても美味だそうですが、茨城の一般的なキノコ狩りシーズンからズレるのであまり採る人はいません。見て楽しむ私には僥倖です。
タマゴタケの見どころだと私が思うのはこの条線。傘の中央の赤い混沌から四周に放たれる緋色の光に、生命のエネルギーを感じずにはいられません。
さてこちらは、同じテングタケ科のシロタマゴテングタケかなあ。そばにあった幼菌がもろ「テングタケ型」でした。つばは見当たらなかったけど脱落したかな。猛毒菌です。
ツマグロオオヨコバイ。昔はうちの庭にたくさんいました。どこへ行ったのか。
トビが悠々と帆翔してました。あ、昔の記事のリンク貼っておこうかな。
これはたぶんニガイグチモドキ。さしわたし10センチはありました。
別個体を傘の下から。地を歩く虫はいつもこんな風景を見ているんですね。ひだの代わりに管孔という小穴が開くのがこのイグチの仲間の特徴です。
ところでこの個体のすぐそばで、同じようにこの巨樹を見上げるものがいました。
小さな人がハイゴケの森に佇んでいるような風情です。ヤケノアカヤマタケの幼菌としておきます。直径数ミリ、高さ1センチ。
体積差は千倍を超えるでしょうけど、なんだか優しい風景です。巨象が我が子を見守るような。
これはニシキタケ。松の落ち葉の下から鮮やかに自己主張していました。
ヌメリイグチが群生していて、キノコを食材と考える人なら色めき立ったでしょう。ただイグチの仲間は似たものが多いうえに食毒がはっきりしてなくて、このヌメリイグチも図鑑によって食とあったり毒とあったり。おお怖い。
ノウタケ。これはわかりやすい。このあとびっくりするくらい大きくなって、ばらばらに飛散します。キノコって面白いなあ。
マツオウジというキノコが針葉樹の材から出て、そこにカナヘビの子どもが憩っておりました。トカゲやカナヘビの小さいのって人間から逃げずに、逆に見つめ返してきたりします。あんまり人を信用しちゃだめだよ。
あら意外とちゃんと爬虫類のカオしてるのね。この世はそれなりに厳しいけれど、生き抜いてください。
夏の終わりの森のラン、ミヤマウズラ。暗い林床に群生して花を咲かせています。
花の構造を記録するならもっと低倍率でいいのですが、もうそんな図鑑みたいな写真はやめたのだ。
ミヤマクワガタのメスにはよく遭遇します。とはいえもう9月も半ば、脚の付け根のオレンジ紋もすっかり色あせて。この夏の森を見事に生き抜きました。無事に子孫を残せたことでしょう。
花と言えば、実はこの日森の林床で一番の花盛りだったのはヤブラン。私にしきりと撮影依頼をしてくるのですが、キミは写欲をそそらない、なんて無視していました。けっこう容赦ないワタシ。それでも帰り際、木漏れ日にいい笑顔を見せているのがいて、自然と90ミリマクロレンズを向けてしまった。フォトジェニックとはこういうことか。
接写までしました。でもこの写真の出来栄えで気づいたことがあります。今のレンズの性能についてなのですが、それはまた次の記事で。
ともあれ、夏の終わりの森を記録しました。フィールドはここからが面白い季節です。
↓ クロアナバチは最近もご紹介したような。
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