トリアージ,というのは大災害の現場で助かる可能性の高い患者から治療する,その判断を指す言葉だそうです。さてわが王国の庭では。
ホトトギス。花弁の文様が鳥のホトトギスの胸に似ているというネーミングです。家族がみな10月の開花を楽しみにしています。それが丸坊主になり,つぼみまで食われてしまったのが3年前のこと。ルリタテハという蝶の幼虫の仕業でした。
こいつ。下にリンク貼って置いたのでご覧おきください。
ルリタテハはキライではありません。花が食われたあとということもあり,この時は助けてしまいました。それが悪かった。翌年はたぶんその子孫がまた産卵に来て,幼虫がわらわらと葉に食らいついていました。わが判断の甘さを反省しつつすべて駆除。ホトトギスとルリタテハ,どちらを優先すべきかと考えたらこうなるのです。
さて今年。以前より精神的に余裕があるのでホトトギスの前にぐっとしゃがんで観察。
発見しました。これがルリタテハの卵です。直径0.8ミリ,高さ1ミリ。
三兄弟。普通ルリタテハは分散させて産むものですが,母親がよっぽどここを気に入ったのかうちのホトトギス全体に数十個産み付けられてました。最初のうちは一個一個葉を選んで産んだでしょうが,最後は面倒くさくなったかな。母ちゃん手を抜いた。
絵的に面白いので何枚か撮ってしまった。
そこにまたルリ母ちゃんが。目の前で堂々と産んでいくもんなあ。
そんな母ちゃんには本当に申し訳ないけど,ホトトギスを守らせて頂きました。
とはいえ蝶が好きなことに変わりはないのです。我が庭のスミレを食い荒らすツマグロヒョウモンですが,これはもう成長しきって蛹化の場所を探す終齢幼虫。退治したところで食われたスミレは戻ってこないし,母蝶はいくらでも飛んでくるのでこれ一匹の生死は大勢に影響ないでしょう。
なのでこんなところに乗せてやったらすぐ前蛹になり蛹になりました。
数日後には羽化して飛んで行きました。食物連鎖というものがある以上すべての命を救うことは不可能です。でも無駄には殺さない。救えるものは救う。それでいいかな,と。
↓ ルリタテハ初登場。
↓ いつもすいません。