北国の大雪を他人事と見ていたら,こちらにも降ってしまいました。
夜にかけてしんしんと。
明けて晴天,放射冷却で水戸の最低気温マイナス5.2℃。水戸はまだ海に近いからこの程度で済みました。内陸で放射冷却のキビしい下館ではマイナス10.5℃まで下がったそうです。誰だ,温暖化なんて言っているのは。
いえ失言でした。確かに温暖化は進んでいます。上の図は気象庁のHPにあった世界の気温変化。赤で描かれた回帰直線を見る限り,確かに地球の気温は上がっています。百年で0.73℃上昇していると。問題はその原因です。
これは二酸化炭素濃度変化のグラフ。回帰直線を引くまでもなく,上昇しています。だから温暖化の原因は二酸化炭素だと。
事実か否かではなく,この論法が科学的でないことが私の納得いかない点なのです。ほかに要因がないからコレだと。① 夏は水難事故が多い ② 夏はアイスクリームが売れる ③ だから水難事故の原因はアイスクリームだ …… という笑い話は,この論法のおかしさを的確に表現していると思います。そう,あるのは2つの事実だけ。それを関連付ける証拠はありません。エビデンスのない決めつけは科学ではない。ほかに原因がある可能性も実は残っています。誰か私を科学的に納得させてください。
まあいいでしょう。すでに確信的事実とされているものに私が反論などできません。それより滑稽なのは狂奔する一般民衆です。トヨタが電気自動車に消極的なことを批判する人々がいました。ほう,キミらは世界の車をすべて電気自動車にしたらどうなるか知っているのかい。リチウムイオン電池を作るのに必要な金属がリチウム以外にもあるのはもちろん知っているね。それがどこでどうやって採掘されているかも。電気自動車が二十年後に二億八千万台になっても,二酸化炭素排出量は1%しか減らないとIEA(国際エネルギー機関)が試算していますよ。電気自動車に充電する電気が原発10基分必要になるというのは豊田社長の勇気ある指摘でしたが,各新聞とも意図的に曲解して伝えました。トヨタは世界に取り残されると。それが欧米自動車メーカーの狙いだとは言わずに。
正しい発言が批判される。冷静な判断が無視される。太平洋戦争に突き進んだこの国の過ちが,世界レベルで再現されているような気がして残念でなりません。