ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

たぶん斜めの防災幻想

 


 さてこれは何でしょう。はい、我が家の、というか私のエネループ備蓄パックでございます。家族からは笑われてます。

 


 充電器、単一・単二への変換スペーサー、ついでにローソクとライター、そして単三・単四とりまぜエネループ百本。それぞれ使用の目安に製造年月を書き込みました。これを手に取ってうふふうふふとか言っているのがかなり不気味らしい。ほっといておくれ。

 


 ほっといても十年保存できるというのがエネループの売りですが、私はうふふうふふと言いながら半年に一回満充電にしています。頻繁な充電は電池の寿命を縮めますが、ああこの充電しているときのツピーツピーという鳴き声がたまらなく可愛い。日のあるうちに充電すれば電気代もゼロです。

 


 でも百本ぜんぶ充電するのはひと仕事。

 


 私のこの異常な性癖の原因は、もちろんあの大震災。水戸は震度6弱で、建物の被害は最小限でした。東照宮の法面は崩れたけど。

 

       
 我が家では皿一枚割れなかったのに、なぜか書斎と書庫の本はすべて落ちました。わしが何をした。…… 茶化す気はありません。東北での人的物的な被害をよく存じております。原発という人災も加わって、まさに千年に一度の未曽有の大災害でありました。災害が日常の日本人として大切なことは、そこから何を学び、どう備えるかです。かの災害時、我が家では電気と水道が止まりました。都市ガスは驚くべし、供給され続けました。耐震装置が作動したけど、手動で解除したらちゃんとコンロの火が付いた時には感動したものです。水は…… これは我が老親に感謝です。揺れが収まって真っ先にしてくれたのは風呂に水を貯めることでした。戦争を経験した者の強みです。おかげで水洗トイレの使用を続けることができました。そして電気も水道も、安全確認ができた二日後には復帰しました。もっとも市内でも復旧に一週間以上かかった地域もあるので、慢心は禁物です。

 


 私の災害サバイバルはまずジャングルブーツから

 


 そして単独行動するならサバイバルパック!

 


 シート、ツェルト、毛布、ランタンに懐中電灯、マッチ、水、カロリーメイト。そうだ山用ストーブもここに入れなくては。うふふ、うふふふふ。どうです不気味でしょう。絶対なじられるので家族にこの存在はないしょです。

 

 

 


 茨城県では過去千年以上にわたって、街が壊滅するような大地震は起こっていません。その理由は下に過去記事のリンクを貼っておきます。これからも大丈夫とは思うのですが、日本海溝が南北四百キロも動いた今回の大震災のような事態もあるわけで、やはり備えが必要であることに変わりはありません。明かり食糧熱源。どう確保するか。


明かり
 十年前、太陽光パネルと家庭用燃料電池エネファーム」を設置しました。震災時都市ガスに影響がなかったことでこのガス会社(〇京ガスじゃありません)に絶大な信用ができて、勧められるままに。非常時の対応って、信用構築に本当に大切ですね。で、このエネファームの契約が今年で切れたので、思い切って家庭用蓄電池を導入しました。ぐぐぐ、無収入の身に安い買い物じゃなかった。でも太陽光パネルで発電した電気を蓄電池に貯める、夜間や停電時にはそこから給電される、すごく合理的。おかげでこの夏のクーラー常用下でも電気代が驚くほど安く済みました。たぶん次の災害時には冷蔵庫の電源として活用できます。今日のように昼間ならタダでエネループの充電ができるし。


 そして明かりの電源としてのエネループ。電池式ランタン十個以上とエネループを使い切って、三日間は家中を照らしまくって私を笑った家族を見返してやるんだぐふふふふ。

 


食糧


 米と味噌がありゃ何とかなる。カロリーメイトも四・五十個は常に備蓄しています。どんぐりも貯めこんじゃおうかしら



 とにもかくにも風呂に貯水で生活用水確保。飲み水にはペットボトル。

 

  

 というわけで備蓄水をチェックしたらあらびっくり。賞味期限を過ぎた天然水いろはすが縮んでた。あのぺこぺこした水のペットボトルって、中身が蒸発しちゃうんですね。初めて知った。

 


 ぜんぶ廃棄して資源ゴミにしました。大仕事になってしまった。


熱源

       
 調理の熱源として、私の山用ストーブは家族全員用にはお話になりません。新品のカセットコンロと大量のボンベを物置に備えました。使うことになるのかなあ。都市ガスにまた頑張ってほしいなあ。冬場の暖房としてカセット式のストーブもあります。

 

 


 昭和の時代のスペシャル番組で、青木ヶ原樹海の探検というのがありました。カメラがずんずん森の奥に分け入っていくと突如現れるバラック。中から出てきたいかにもイっちゃってそうな男にリポーターが話しかけます。なぜここに住む? 男は答えます。もうすぐ終末が来る予定だから、自分はここで生き残るのだ、と。プっと笑うリポーターに激昂する男。なんで笑うんだ! 終末は本当に来るんだぞ!


 「トレマーズ」というB級モンスター映画では、世界が無政府状態になることを想定して地下室に大量の武器を備蓄するマッチョ夫婦が出てきました。いやあ楽しい映画だったなあ。


 こういう人たちと私との間に、どれほどの違いがあるというのだろう。

 


 さて今年の防災用品総合チェックは終了です。ドンと来い大災害。…… おわかりでしょうが、私の防災幻想はすべて「家が無事なこと」が前提です。東北の方々だってそれを前提の備えはなさっていたことでしょう。津波、火事、例えとしてではなく本当にゴジラに踏みつぶされるような事態だってあるはずです。いや実際に現実は斜め上、次に我が家が被る災害では、これだけの準備がまるで無駄になる気がする。青空を見上げてああこれまでの備えは何だったんだろうと嘆息する。現実って、きっとそんなもん。


 たぶん本当の防災とは知識と知恵、そして何より普段からの覚悟なのだろうと思っています。

 

 

 

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