ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

亜麻の花、花の顔、人の貌

 

 庭に見慣れぬ花があって、深みのある青の地に濃い紫の条線が入る姿はおおなんと幻想的。朝の出がけに気が付いて、帰宅してカメラを向けたときにはもう閉じてました。朝だけ開く一日花だったんです。何度か振られ続けてようやく撮ったのがこの写真。


 家人に聞いたら、これがアマだと言います。そう亜麻色の髪のとかいうあの亜麻です。へえこれが亜麻色、と思ったらこれから採れる繊維の薄茶色を亜麻色と言うんだって。へえええ。厳密には繊維を採るのは一年性の亜麻、たぶんこれは宿根性の、どちらかというと花を楽しむ品種のようですがアマには違いありません。古代から栽培されるその繊維は柔らかく細やかで、女性下着を表わすランジェリーという語のランってリネン、つまり亜麻のことだとか。種子からは食用・薬用に供される亜麻仁油が採れる。花の有意義なことは上記の通り。もう上から下までヒトのお役に立つ植物です。そういう目で見ると、この花の典雅なつくりは、他者を喜ばせようというその高邁な心根を表わしているようでなんとも尊いことと思われます。すいません、擬人化が過ぎました。


 花はその植物の本性を示しているか。…… そんなことはないよなあ。トリカブトみたいに見るからに毒々しいのは例外として、綺麗な花にもトゲがあったり、汁に毒があって手折った手がかぶれたりするのもあるしなあ。

 


 本性というと、人の顔、いえ貌というのはよくその内面を表わします。女性では申し訳ないけど高校生くらいから、男性ではよく言うように25歳を過ぎたら、生まれ育ち・生活信条・行動様式・主義主張、わかりやすく言うと根性ヒン曲がっているのとか怠け者であるとか悪人であるとか、ぜんぶ貌に出ると思います。化粧とかサングラスとかマスク(コロナ以前)って、本性を隠すためにしている一面がありませんか。人を顔で判断しろと言ったのはかのリンカーンです。


 顔/貌といって思い出すのは日本大学の前理事長。久しぶりに悪い顔というのを見た思いでした。こんな顔の人物を理事長に据える日大の病根は深い。ボクシング連盟の前会長も同じ系列の悪相でしたね。お互い知己だそうですが。


 悪人顔ではありませんが、例えば政府系金融機関のトップ。シェア独占系企業の社長。出自や出身大学の名で最初から幹部待遇を受け、あとは派閥争いを制するだけでのし上がったような人たち。お顔にみな同じ相を浮かべておいでです。穏やかそうに見えてその実冷徹なまなざし。真顔の時によくそれが現れます。


 すいませんこれ、ネットでの拾いもので、出どこがわかりません。もし問題あるようならご指摘ください、すぐ削除します。


 はいそうです、先日4人で計13兆円支払えと裁判所で判決を受けたお方です。そんな財産あるのかは知りませんが、文系出身で自信たっぷりにカタカナ用語を多用するあたりがまさに典型です。先日インタビュー記事で拝見したド〇モの社長さんはさらに濃い系列とお見受けしました。日本の国を動かしている、動かしていた方々です。立場ゆえの苦労もあるでしょうが、境遇が私と違い過ぎるので想像が付きません。まあ身近にいなくて良かった。

 

 先日のKDDIの通信障害の記者会見で出てきた社長さんには感心しました。お顔を一目見てあ、これ技術屋だ、と。下賤な派閥争いとは無縁の、技術畑一筋の人だ。簡潔な話しぶり、真摯な説明、いずれも上記の方々にはできない芸当をさらりとこなされて、私の価値観では理想の社長ナンバー1に据えたくなる人物です。KDDIという会社は信用してもいいと思えました。電話通信事業ではあまりもうけが出ないとは言いますが、携帯を乗り換えちゃおうかな。

 


                       富岡橋の河原に1本だけ、ヤナギハナガサの花。

 

 

 他人を偉そうに査定している私、さて自分は今どんな貌になっているのか。間違いなく、ここまでの人生が刻まれているはずです。査定されるのが怖い。

 


 ウツボグサ。夏枯草かごそうとも言います。七十二候のひとつ「乃東なつかれくさかるる」はウツボグサが夏に枯れた姿になること。世界中で愛され、世界中で薬草とされてます。そんな普遍性といかめしくも虚勢を張っているような微笑ましい花姿を、私も愛でております。毛やトゲで武装しているように見えて、じつはへにょへにょ。今の言葉でいうツンデレってのはこういうのかな。可愛らしい本性がみえみえですよ。

 

 

 

 

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