ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

今日の御岩神社で花を撮りながら想うこと

 

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 台風の影響で今日は雨だと,ことによると大雨だと各局の予報士がかまびすしい。私はというと夕刻に仕事がらみの集まりがあるので遠出はできない。なかなか不自由な休日です。


 こういう時は御岩神社の神さまにお参りしましょう。もちろんカメラ機材一切を担いで,あわよくば何か撮ったれと。ああこんな信心深い参拝客が他におろうか。

 

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 着いた途端に陽射しが。雨はどうした。

 

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 いつもは帰り際なんですが,今日はまずCafe-Sfiatoさんで一杯頂いてから。すっかりここに来る楽しみになりました。みなさんも御参詣の折にはどうぞご利用下さいませ。私は「ワイン珈琲」が最近の定番です。

 

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 コケの毛氈もうせん。いつもこの表現を使ってしまいますが,本当に口を突いて出てきます。

 

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 ただこの季節は,日当たりのある場所はコケを覆ってチドメグサが。これはれっきとした被子植物です。

 

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 ヒナノヒガサ。雛の日傘とはいい名前をお持ちですね。世界中の湿ったコケの間から愛らしい顔を覗かせる繊細なキノコです。きっと世界中の言葉で可愛い名を付けられていることでしょう。

 

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 同じくコケの間から遠慮がちに立ち上がるのがコナスビ。日なたから日陰まで,湿地から乾地まで,どんな環境にも生えていて逆に好みがわからない,それでいて目立たないというのも重要な属性のであるところの小さな花です。サクラソウオカトラノオ属という出自を思えばいくらでも派手な生き方を選べたろうに,風景に溶け込むように地を這ったりまっすぐ立ったり,環境に上手に適応して密やかに生きてます。こんな生き方もあるんだなあ。

 

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 そのコナスビの花にまとわりつく一頭のハチがいました。私が顔を近づけると逃げるのですが,十センチほど離れた場所でホバリングして,そっとまたこの花に戻ります。他にもコナスビは咲いているのですが,どうしてもこの花がいいらしい。一味違うのかも知れません。私もよくそんなこだわり方をします。なんとなく親近感が沸いて,どんな奴か顔を見たくなったので三脚を据えて,止まったところをワンショット。撮ってみておやと。これ,ハチじゃなくハエです。ハエの類「双翅目」は多様で,これが日々どういう生活をしているものなのかわからない。ただ決して悪行を重ねるようなヤカラでないことは面構えから知ることができました。

 

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 緑陰の小径でまた微細なものが一つ。あまりにも小さいのでコケを見ようとしゃがんだ時に初めて気づきました。どうやらこれはサワハコベの,日陰ゆえの栄養不良の株らしい。哀れなほどに貧相です。

 

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 小さすぎて90ミリマクロではワケわからないのでクローズアップ。すると小さいくせに立体的な造形で,ピントが一点に合いません。しまった見かけに騙された。難敵です。

 

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 せめてめしべの形を出そうと格闘していたら,通りすがりに私のカメラのモニターを覗いたお客さんがえ?どこにあるのこの花?だって。図鑑では直径1~1.5センチとあるのですがその半分もありません。しかもコケの緑に紛れてます。これはこれなりに必死で生きて繁殖しようとしている姿なんですけどね。

 

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 緑陰の小径には他にも。これは少し日当たりのある場所にあったサギゴケ。畑の雑草というイメージですが,森の国ニッポンで人が畑を切り開く前はこんな生き方をしていたんですね。

 

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 トチバニンジン。肉眼には映らなかったクモの糸が90ミリマクロではくっきり。引っ張られて傾いています。やはり写真記録は重要です。

 

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 ドクダミ。好きな花ですが露出オーバーで花びらの表情が潰れてしまった。暗い林床での写真の難しさです。

 

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 シノブゴケ

 

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 この繊細な構造が大好きです。

 

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 緑陰の小径に命の交代。種名のよくわからない甲虫がボーベリア/ムシカビに斃されていました。この姿はもう虫ではなく菌類です。ムシカビは冬虫夏草とは別のタイプの,昆虫にとりつく菌です。自然農薬として利用されてます。

 

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 ここは極端な暗い環境にも関わらず,ミヤコワスレが毎年貧相な花を咲かせます。これはその花後の,実ができかけの姿。どういう経緯でここで暮らすことになったのか考えるだに不憫ですが,何とか生を繋いでいます。

 

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 むしろ日陰大好きユキノシタ。あえて木陰で花を咲かせつつ,その暗いすみかから明るい世界を眺めています。何を思う。

 

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 先日の色素異常の株と違い,ちゃんと赤・白・緑のコントラストの効いた美しいユキノシタです。全員日なたを向いているあたりはやっぱり植物なんですね。

 

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 木本もくほんではヤマアジサイくらいでした。

 

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 石碑の上に地衣類の一種。一般の人の眼には石の模様としか映らないでしょう。菌類と植物プランクトンが共生した姿,れっきとした生物です。この黒いところから双方の胞子が含まれる「粉芽」を放出します。…… 生きること,増えること。生命が40億年続けてきた試行錯誤の一つの姿です。瞠目すべし。

 

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 ここは神仏習合霊場,供養の卒塔婆があります。その一本に「京都アニメーション火災物故三十六柱」と。その瞬間まで永い時をかけて受け継がれてきた命が,その一瞬に理不尽に奪われました。関係者でしょうか,ファンの方でしょうか。ここに込めた想い,いかばかりかと。

 

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 御岩神社においでなら,ぜひ門前町の側溝沿いやバス停の花壇もご覧ください。神さまを崇敬する地元の方々が過去から現在まで丹精した花々が楽しめます。これはネジバナ

 

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 ベニシジミが憩うのはフランスギクかと思ったら,これはマーガレットなのでは。最近では珍しい。

 

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 ホウセンカが咲き始めています。梅雨明けはいつになるのかな。

 

 

 

 

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