前に見たときにヤマユリが刈り残されていて、作業の人たちに感謝したものです。その、一度は残されたヤマユリが刈られてしまいました。手間をかけて残したのに、なぜ刈ったろう。
このあたりはヤマユリの群落ができかけてましたが、きれいさっぱり。上方の木の下にあるものは残されてますが、目に付くものは残らず。
元の様子。草刈りをすることは大事です。日本の夏はどこでも植物が大暴れ。刈らねばヒトの生活空間が脅かされます。それにヤマユリにしろここに写るヤブカンゾウにしろ、地下茎があるので滅んだわけではありません。また来年花茎を伸ばしてくれるでしょう。
見た目にも気持ちいい。生物としてのヒトが好むのはこのような、障害物のない開けた空間です。だから公共の場を管理する者にとって草刈りは夏の仕事として欠かせません。腑に落ちないのは、一度は残したヤマユリをなぜ刈ったかということ。ここからは私の勝手な想像です。ここの管轄が誰なのか知りませんが、偉い人が現場を見に来て、余計なことをするな、なんて指示したんじゃないかなあ。いえ勝手な想像です。関係者にご迷惑をかける意図はありません。
すいません。永らく働いてきた現場で、そこにいない偉い人の現場軽視な思い付きに何度も嫌な思いをしたことがあって、ついそんな想像をしてしまいました。
この件とは無関係ですが、ことし県立病院で検査を受けました。検査薬を注射して、安静状態で薬が全身に回るのを待って機械に掛かるものです。引退生活に入る前に自分の健康状態を把握するためのものでした。その、安静状態で待つための部屋というのがあって、暗い照明とリクライニング椅子、前にはモニター画面。以前に同じ検査を受けたときにモニターに映し出されたのは外国の美しい風景。花で満ちた草原とか、荘厳な山であるとか、ヨーロッパの古城の庭であるとか、人物を排し圧倒的な自然や悠久の時を見せて日常を忘れさせる、それはそれは素敵なビデオが流されていました。実は今回もそれを楽しみに病院を選びました。椅子の背を倒しフットレストに足を置き、さあ始まったビデオは。
水戸偕楽園。
霞ケ浦の帆引き船。
竜神大吊り橋。
ひたち海浜公園のネモフィラ。その他、茨城県の観光名所の数々。
十数分耐えるのが限界でした。看護師さんを呼んでビデオを切ってもらいました。聞けば、今の県知事さんになってから、ある日突然スーツ姿のお役人が県庁からやって来て、県立病院ならば映すビデオはこれである、と指示していったそうです。
えーと。
県立病院だし患者さんも県民がほとんどでしょう。見慣れた観光名所がごちゃごちゃした観光客と一緒に映るビデオを見させられて、心が落ち着くものでしょうか。
いえ、病院に難は申しません。以前を知っていたから違和感があっただけです。現場の人が反論できない状況もよくわかりました。でも、もうこの病院での検査は遠慮します。
絶対者からの理不尽な命令。最初から幹部待遇とか人から怒られたことがないとか、世の中にはそんな人が権力を持つ仕組みがあります。読者の皆さまも気まぐれな指示変更にほぞを咬んだ経験がおありでしょう。私もこの3月までは悔しい思いをして参りました。いつか晒してやるぞうひひひなんて、いやいやいや、そんな陰湿なことは考えてませんってば。
↓ 私が悪しき思想の持ち主でないことは過去記事で。
↓ 茨城の自然を紹介し続けてもうすぐ5年です。