ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

一番花

 

 季節がめぐる中、生ある者の姿を、代を違えても同じ姿で現れる者のかんばせを、毎年同じ場所で愛でる。それは単に季節を体感するという意味を越えて、わが身の息災、無事に1年を生き延びたことを確認する作業でもあります。健康であることも、平和であることも、決して絶対ではないことを知り得たこの1年。この作業がいよいよ意味を持つような気がします。

 


 トウキョウサンショウウオの産卵がまだありません。寒い冬のあとはこういう事も。卵のうが盗まれないことを祈ります。

 


 なかなか今年の花が見つけられません。手にした三脚を地面に立てて小休止して、よく見たら水仙の芽を潰しかけてました。うわあ危ない。というかこの季節、水仙は例年ならもう咲いてませんか。本当に寒い冬だったんですね。

 


 そしてとうとう見つけました。アオイスミレ。春の花スミレ類の先頭を笑いながら駆け抜けていく早咲きのスミレです。昨年も一昨年もこの時期にはあちこちに群落を作っていました。でも今年は一株だけ。越冬葉だけでまだ今年の葉を広げてません。少しフライング気味の個体だったようです。おかげで野外での初スミレ、ふさわしいものを見ることができました。

 


 他の株の開花が遅い理由があるとすればこれでしょうか。例年なされている草刈りがなく、群落のあった場所がヤブになりかけてます。

 


 植栽されたザゼンソウ。この場所も放置されて荒れ放題ですが、泥をかぶりながら仏炎苞を広げる姿がけなげです。

 


 毎年ここではルリタテハに出会います。成虫越冬です。共にこの冬を越えることができたね。

 


 何だこれはと驚いたのですが、これハルジオンです。この春の者ではありません。昨年の株が冬を枯れずに生き抜き、開花しているんです。落ち葉に埋もれることで霜や寒気をしのげたようです。こんな雑草の身にも運なんてものが作用するという、この不思議。

 


 コナラの梢に去年の鳥の巣。今年の鳥の姿はありません。再利用されるのかこのまま朽ちるのか。

 


 ウグイスカグラの花を見つけました。斜面にあったので、三脚を据えるにも足場が悪くひと苦労。おかげで下向きに咲く花を正面から見据えることになりました。ごく小さな、それこそ知らなければ目に留まるものではありません。それゆえに尊い

 


 またこういう写真撮って

 


 この寒空にこんなに咲く桜があろうとは。早咲きのサトザクラ。園芸種は本来私の守備範囲ではありませんが、これは無視できません。桜の持つ象徴的な意味合いは、あまねく日本人に不変のものです。

 


 お仕事を始めたセイヨウミツバチ。働いてるだけわしより偉いぞこいつ

 


 茨城では昨日、県立高校の入試でした。大学入試もまだ終わってません。ヒトもまた、春を待つ者です。

 

 

 

 

↓ スミレ好きのジノ。でございます。右上のカテゴリー「スミレの花咲く頃」もご参照ください。

 

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