ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

月との対話・笠原鉄明展 / 常陽史料館

 

  
 いきなりの画像ですいません。でも私も同じくらいのインパクトを食らいました。

 


 これで何度目のご紹介でしょうか。常陽史料館です。

 

    
 今回は 笠原鉄明 氏の個展です。寡聞にしてお名前を存じ上げません。ただポスターにある作品群に興味を惹かれました。

 


 で、入り口からコレなんです。何と申しましょう、奇にして邪なし。ただインパクトのほとばしる。

 

 
 作家ごあいさつ。文は人を語ると申しますが、何か私にはしっくりと来る文章をお書きになる。

 


 年表。富山生まれで茨城在住。その途中にもっといいところはあったろうに、縁とは不思議です。文化庁買い上げ作品もあるそうです。

 

   
 いつもの段上からの会場俯瞰。この天蓋の高さと自然光の入り具合が絶妙にすばらしい会場です。これももっと評価されるべき。今回のような大柄の彫刻作品では特にそう思います。

 


 まず一通り拝見して、コンパクトで全体を記録して。おおお、これはぜひ本気の記録をしなければ。撮影自由なのもこの常陽史料館のいいところ。今日はソニー・アルファに90ミリマクロを装着してきました。これが一番私の心の画角に近いレンズです。はたから見れば怪しい服装の怪しい男が身をかがめて作品の鼻先でシャッターを切り始めます。


 と、ここで声を掛けられました。ぴしっと背筋の伸びた初老の紳士、なんと作者ご本人でした。うわああああ。


 びっくりしましたけど、一生のうちで芸術家と言葉を交わせるなどそうあることではありません。平日で他の来場者がないことを幸い、モチーフとか材料とかアトリエのこととか、たっぷりお話を伺うことができました。

 

    
 いろいろな作品を手がけておられますが、一貫して心にあるモチーフは「月」なのだそうです。例えばこの作品、女性の頭上ににあるのは月、そしてそれを映す雲。

 


 モチーフは月でも、月そのものが描かれるとは限りません。この「光の先に」も、人々の求めるものは月光。

 


 水面に浮かぶ目が見つめる先にも月。


 私も夜空を見上げるとき、自然とその日の月を探します。月齢も明るさも日々移ろう夜の瞳。月に希求し、月に想い、月と対話する。そんな月に対して、そうかこんな表現もあるのかと驚かされました。


 以前にも書いた、石川賢治という写真家も挑み続けるモチーフは月。「月光浴」と題された作品群も、そういえば直接月を写してはおりません。月の神秘は、それに照らされる下界のことどもにこそ映されるものなのでしょう。


 以下、マクロレンズで撮った私の心象を並べます。あくまでも「私」視線であることをお断りしておきます。見る人ごとに異なる想いを抱かせる、そんな月の光のような作品群です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           

 

 

 会期は7月16日(日)まで、入館無料。ああ、例によって終了間際のご案内になってしまった。でも後半の写真でおわかりのように、とにかく鼻先まで寄らないとこの創造物の本質が伝わりません。電車でお越しの際は水戸駅北口からバスで泉町一丁目下車、京成百貨店裏手です。上掲の写真に心動くものがあれば、ぜひ。

 

 

 

 

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