ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

10月のお散歩まとめ

 

 お散歩まとめです。1ヶ月分を、今回は順路に沿ってまとめてみました。【虫】は別記事でご紹介済みなので、苦手な方どうぞご安心ください。

 


 櫛の歯が欠けるように個人商店が消えていく表通り。せめてこの南町三丁目に残った自由な花壇とアーケードだけは未来にもあり続けてほしいな。

 


 他町内の、商店と住民が消え銀行のビルが立つその前のフラワーポッドには、盛大にエノコログサが栽培されております。あと少しで雑穀のアワに進化しそうです。

 

      
 往路の終点、水戸駅。今や不動のモニュメントと化したカリヨン時計の下から撮る北の空は、そのまま定点観測の記録です。比べることで季節変化を知るよすがに。

 


 その足で旧県庁広場に行き、図書館の開館をしばし待つ。

 


 広場の敷石。何十年も前の完成直後、この敷石のひとつに人の手形がありました。シャレなのか、いたずらなのか、どうやって付けたのか。月日とともに消えてしまって、すべてが謎のまま。

 


 その何十年ものあいだ気付かなかった。異なる敷石の接点に、違う石が使われていました。

 


 色ガラスの破片が埋め込まれています。これこそ設計者のシャレですよね。ひょっとするとあの手形もそうだったのかも。

 


 サンシュユ(山茱萸)が色付き

 


 サザンカ山茶花)も咲いて

 


 ヒヨドリジョウゴはずっと咲き続けて

 


 キンモクセイも咲きました。

 


 意外と花期が短いことを知った。

 


 歩道のすぐ上に止まって、人が来ても逃げないカラスがいました。エサをねだる風もなく、いたずらのチャンスを窺うでもなく、ただ通る人を見ていました。頭のいい分、カラスもいろいろあるんでしょう。


 図書館は1時間ほどで切り上げます。そこからは気分次第なのですが、ある日は駅ビルに戻って、かつてはレストラン街だった6階にまで上がってみました。久しぶりで驚いたのが、食事の店が数軒しか残ってなかったこと。残りのスペースは眼科、歯科、ヨガスタジオ、そして空きスペース。コロナの傷跡。

 


 頑張って経営を続けているキッチンで、ビーフシチューオムライスをいただきました。美味かった。いや本当に美味かった。

 


 本屋やガチャポン屋を冷やかしてから、季節が良いので水戸城の下を通って那珂川に向かいます。お城の周囲は鬱蒼とした樹叢なのですが、ここで特徴的なのがケンポナシの木が多いこと。この季節はかじると美味しい果柄がたくさん落ちてます。実ではなく実の付いた柄が指のように肥厚して甘く美味しくなるという不思議。植物分類の人が、実に毛が無いのがケンポナシで毛が有るのがケンポナシで…… と言うのがものすごくつまらなく聞こえたので、観察会の時若い人に、ケンポナシケンポナシケケンポナシがあってケケンポ三兄弟と恐れられたのだ、と教えたらすごく呆れられました。いいじゃん私が楽しければ。ちなみにケケンポナシは実在します。

 


 水府橋で那珂川に出会う手前、変電所と労働組合の建物の間に、怪しい小径を見つけました。車に乗っていてはまず気付かない、まさに散歩の効用と言っていいい発見です。何だこれは。どこへ行くのだ。

 


 ずんずん行って

 

      
         角を曲がると…… 鳥居が現れました。

 


 雨除けの屋根の下に、二つのお社が鎮座してました。もちろん手を合わせます。

 

 

 困ったのは、神社名もご祭神もまったくわからないこと。ここは水府橋の架け替え工事でかなり改変された土地です。たぶん平成になってから移転か移築かされたのだと思います。

 


 崖下の袋小路の、せいぜい十畳間ほどの境内に押し込められてお気の毒の限りです。その境内にただ一本、ご神木の立派なのがあります。

 


 偶数羽状複葉に分岐したトゲ。これは珍しい、イカです。茨城に自生しません。間違いなく大昔に神社の境内に植えられたものです。これだけが残されたのでしょう。

 


 葉はキチョウ(黄蝶)に食われまくってた。これまたお気の毒に。

 


 さて、水府橋のたもとに出ました。ああ那珂川は今日も深い。

 


 カルガモがいっぱい。

 


 堤防上を行くと、次々とオニグルミが落ちてました。みな殻が割られ中身は食べられてます。これがいつまでもいつまでも続くのをいぶかしみます。はて誰が。オニグルミの木は河原のヤブになんぼでもあります。今年は豊作っぽい。そしてクルミと言えばまず思い浮かぶのはリスですが、わざわざこんなオープンな場所に持ち出して食うなんて、用心深いリスがするわけありません。ではカラスか。しかしカラスがどうやってクルミを割るのか。高く飛んで落としたり、車に踏ませたりなんて観察例があります。ここなら落とすほうでしょうか。もしそうなら見てみたいと立ち止まることしばし。残念ながら人の前で芸を見せるような気の利いたカラスは現れませんでした。

 


 河原には、コスモスに囲まれてハナシュクシャの大株。人家があった名残りです。

 


 知らない道を見つけては喜んで足跡を付けに行きます。おお、ここも初めての道。なんか看板があるぞ。

 


 おおおおっ、昭和だ、これぞ昭和だ。いまだこの世に存在するとは。

 


 子供の頃遊んだ小川まで足を延ばしたこともありました。かつての生物豊かな川べりはコンクリに覆われましたが

 


 ノゲイトウが綺麗でした。こうしてまじまじ観察すると、花穂の下から咲きあがることとか、まず初めにおしべだけが伸びる雄性期があって、次にめしべが伸びる雌性期になって…… なんて様子が見て取れます。

 


 家の近くまで戻ったところで、歩道のすき間にコスミレが咲いていてびっくり。スミレが秋に咲くのは「返り咲き」といって珍しいことではありませんが、こんなコンクリに挟まれてのコスミレは珍しい。こういう場所を好むのはスミレかヒメスミレです。…… ピンボケ写真ですいません。歩道にしゃがんでカメラを取り出したまでは良かったのですが、なんせここは地元です。誰に見られるかわからないので、いつものように腹ばいになってモニターを覗くことができませんでした。それでも追い越していった女子大生にものすごく嫌な顔をされた。そうだよ変態だよ文句あるか。いいんですこれが自然観察者の宿命なんです。

 

  
 美しい空をただ見上げることができる。私の穏やかな日々が過ぎていきます。

 

 

 

 

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