ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

風の花園

 

 勤労感謝の日でございます。勤労はしてませんが感謝はしてます。皆さまが私の年金のために働いてくださっているのかと思うと五体投地したい気分です。いえいえ隠居の身でございますよ。越後のちりめん問屋の隠居でミツエモンと申します、フォッフォッフォ。私にとっての黄門さまは東野英治郎一択です。


 つかみはこんなもんでいいかな。年金まだもらえてません。


 二日前の話になりますが、また丑さまがモーと枕元に立って、花園に行きなさいモー、何もないだろうけどモー、とのお告げです。丑さまったらまた無責任なことを。かなりの確率でガソリン代と高速代が無駄になるだろうけど、お告げでは仕方ない。そうだ越冬前のムモンアカシジミ(過去記事参照)の卵の写真でも撮ろう、紅葉もきれいだろうしな…… と無理やりこじつけて、北へと走り出しました。

 


 このブログで何度もご紹介してきました。私の言う「花園」は北茨城市の山中、福島県と接するあたりの高原地帯を指します。高山のない茨城では貴重な山地性生物の観察地です。

 


 びょうびょうと風の吹き渡る、これがこの日の山。全然きれいじゃない。緑味の残るものがあれば既に落葉したものもあり、不揃いで全山錦の如くとはいきません。

 


 葉が白茶けて見えるのは、予報通りの強風に煽られて葉の裏側が見えているから。でもそれを割り引いても、色が悪い。


 途中の水沼ダムで紅葉の写真を撮っている紳士がおられたので紅葉情報を仕入れたら、今年は紅葉が遅い、しかし散るのが早いてなことを。高温がいつまでも続いた影響でしょう。紅葉に関係する環境要素は日長と温度。それぞれがどういう比率で関わるかは植物種によって異なるので、このまばらな紅葉になるのかな。


 紅葉がいまいちなら、チョウの卵も空振りでした。かなり念入りに探したのですが、まったく見つけられません。前回はものの数分で見つけたものでした。ああ。


 自然相手にこちらの身勝手な期待がそうそうかなえられるものでもありません。長年フィールドに身を置く者ですのでよくわかってます。今日は女神さまが微笑んでくれない日、そう見極めましょう。

 

 


 なんて諦め気味になっていたら、通りすがりのミズナラ林が壮麗な黄金色に染まって歓喜の声を上げていました。そうか樹種が揃っていればいいんだ。

 


 今日いちばん赤かった葉、畑で栽培されてるナンテン。へえこんな感じで栽培されるんだなあ。

 


 ナンテンといえば。ああきれい。

 


 山中の墓地の傍らに菊。明らかに栽培種。たぶんお供えの花からのこぼれ種が根付いたのでしょう。この冬は極寒の土地で頑張ってます。

 


 帰路になりましたが、もちろん花園神社にお寄りします。ここはモミジ類がたくさんあります。写真の左上のはまだ緑色。

 


 その一方で赤くなったものもあり、本当に不揃いです。

 


 そういえば夜のライトアップを撮りに来たこともありました。今年も十一月いっぱい毎晩明かりが灯されているそうです。

 


 安産祈願の杉

 


 紅葉はこれからどうなるんだろう。…… 知り合いに那珂川のサケの漁業権をもっているひとがおりますが、聞いてびっくり。今年でもう3年、サケが上って来ないんだそうです。今年だけというのなら夏の高温が原因でしょうが、比較的涼しかった3年前からとは。気候に合わせ、生物もまた変動期なのかも知れません。ダーウィン曰く、変われる者のみが生き残る。変わりたくない私のような人間に、居場所はあるのだろうか。

 

 

 

 

↓ いろいろあったなあ。

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