ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

そろそろ来るぞ人妻プリキュア

 

 タイトルに騙されましたね。【虫回】です。人妻もプリキュアも出てきません。でもタイトル通りのお下品な表現がありますので、お子さまの閲覧にはご注意ください。

 

 


 山中の沢を歩いていたら雪虫がふわりふわりと忘れ去られた夢のように飛んでいました。今年北海道で大発生して吹雪のように舞うニュース映像を見ましたが、茨城にもいるんです。もっともこちらでは人目に触れるものでもありません。こいつの正体はアブラムシ。雪虫なんて言われていい気になってますが実は害虫、アブラムシの有翅虫なんです。植物の汁を吸って弱らせるアブラムシは通常翅がなく、ついでにオスもいない。春から夏にはメスだけでぽんぽんクローンの仔を産んで枝葉を覆いつくします。秋になって環境が悪くなると翅のあるオスメスが生まれて遺伝子の交換をし、越冬卵をつくる。この有翅虫が白いロウ状の物質をまとうものを俗に「雪虫」というわけです。北海道で騒ぎになっているのはトドマツやヤチダモという植物に付くアブラムシで、茨城にはどちらもありませんからたぶん別種のアブラムシでしょう。…… 驚いたのは、山でこの雪虫を見た翌日に我が家の庭にも飛んでいたこと。おのれどのアブラムシだあ。

 


 その我が家の窓際に、一匹の蛾がうずくまっていました。この家にこんな大きな虫が侵入できるとは思えないので、家の中で発生したのでしょうがさてどこから。台所の野菜かなあ。…… あ、逃がしてやりましたよ。

 


 庭のハマナスの花芯を食べている甲虫の幼虫がいました。フンだらけにしやがって。授粉に虫を利用する虫媒花は白亜紀の頃からありましたが当時チョウやハチはおらず、最初は甲虫類が授粉のお手伝い、ポリネーターの主役でした。そのまま花に産卵するこういうのも当時からいたんだろうなあ。いいあんばいに花に埋もれよって、お前は妖精かお釈迦さまか。あの人らはうんこしないぞ(たぶん)。

 


 お散歩の虫から。以前にご紹介した植え込みの中のアカボシゴマダラの幼虫。

 


 いつもの休息場所、糸を吐きかけて「台座」を作ってあるのですが、その台座を残して姿を消してました。木を降りて越冬に入ったと思われます。また桜の頃にここで会おうね。

 


 同じ植え込みのイヌツゲカメムシたちのお気に入り。多種多様のが隠れていて、陽射しがあるとごそごそと出て来て日向ぼっこをしています。嫌われ者のカメムシですが、必死に此岸を生きる姿に心が動きます。ああ何と愛しい生命であることか。

 


 セグロアシナガバチの、たぶん新女王。街なかの看板の周りをなにやら吟味するように歩き回っています。越冬場所を探しているのなら、こんなヒトの気の強い場所はおやめなさいね。

 


 先日の笠間での生物観察会にて。ビオトープの池を見学していたら、何やら波紋を広げて水面をのたうつ虫が。

 


 すくってやったら何とトンボ。ホソミオツネントンボです。トンボのくせに溺れるとは、ちと平常心が足りてねえぞお前。

 


 同じ観察会にて、巨大なオオスズメバチがいました。アブラゼミよりデカい。参加者の一人が言うにこれはオオスズメのオスである、オスだから産卵管由来の毒針がない、したがって手に乗せることが可能だが、見た目が怖いので今はやらない、そんなことをおっしゃってました。体長には個体差があるのでしょうが、これは特に破格の大きさでした。オス?これが?


 ハチやアリといった社会性昆虫のオスは哀れなものです。まず細胞の染色体がメスの半分しかない。体が小さく、戦闘力もなく、エサはワーカー(働きバチ)から口移し。一度巣を飛び立てばメスと交尾して、あとはただ朽ちるだけの遺伝子の運び屋に過ぎません。よって大きくなる理由はなく大きくする必要もない。そもそも多くの動物では産卵を行うメスの方が大きくなるように設定されてます。オスの方が大きい、例えばゾウアザラシやライオン、ゴリラがオスを大型化させたのは、オスがハーレムを作るという生態的な理由です。この理由でも、オオスズメバチのオスが大きいというのはおかしい。何か変だぞ。

 


 なんて疑問をそのままにしてある日のお散歩帰り、自宅のそばの歩道上でくんずほぐれつ格闘してる黄色と黒のデカいやつがおりました。オオスズメバチです。もう生まれ故郷の巣は畳まれて、この時期に飛んでいるのは巣立ちした新女王と新オスだけ。つまりこれは配偶行動か。さすが百虫の王、かなり暴力的です。

 


 2匹の体格がかなり違います。大きい方が観察会で見たものとほぼ同じ体躯、こちらがオスということでしょうか。小さい方が明らかに嫌がって逃げようとしています。私の耳には、ぐへへいいじゃねえかオレと子ども作ろうぜえ、あーれーお助けをーとか、上品さが売りのこのブログですが聞こえちゃいましたごめんなさい。でもやっぱり違和感があります。で、あとから専門家の本や図鑑で確認したら、やはり観察会で見た個体は微妙なものでした。オオスズメバチでもメスの方が大きい。つまりこの図は、メスがぐへへとか言いながらオスを組み伏せようとし、オスがあーれーとか悲鳴をあげている現場です。上の子ども云々のセリフもオスメス入れ替えてください。うわあ、アメリカのフェミニストが理想だと言いかねない状況でした。


 オオスズメバチの繁殖行動の詳細はネットでも本でも見当たりませんでした。ひょっとしてレアな場面に遭遇したのかも知れない。ただ交尾姿勢の写真はあって、やはりメスが上に乗ってS字状になっていました。場末とはいえ県庁所在地の国道の歩道上、そこで最大最強にして最凶の鉄火姐さんが男を力ずくでモノにしようと徘徊しています。この町の治安は大丈夫だろうか。

 


 結局逃げられてやんの。ちくしょういいオトコだったのに、なんて言いながら引っ掻かれた傷をぺろぺろ舐めてます。姐さんくじけるな、そのカドの先にもっといい男が待ってるよ。食パンくわえて走っていくといい。…… まあ何とも頼もしいメスです。同様にメスが攻撃的な昆虫としてタガメが知られてます。他のメスの男を力づくで奪うらしい。おおこわ。

 


 最近のプリキュアには男の子が混じっているとか。Eテレでは大人プリキュアというのを放送していて、大人になったプリキュアが変身(するときは少女に戻る)なんてことになっているようです。プリキュアだって多様性の時代、3億年前から戦っている昆虫に色々いても不思議ではありません。まあ、強く生きろ。

 


 プリキュアに言及してしまったので人妻も。若い同僚がパソコンの背景に5歳の愛娘の写真を使っていたので「近所の人妻?」と聞いたら本気で嫌われました。ボクの何が悪かったんだろう。

 

 

 

 

↓ そろそろ来るぞジノ。の時代。…… 来るかなあ。

にほんブログ村 その他生活ブログ 季節・四季へ
にほんブログ村 花・園芸ブログ 野の花へ
にほんブログ村 その他日記ブログ 備忘録・メモへ