感染者が減った。今しかあるまい。行かねばならぬ,魔都・東京へ。
ジャングルブーツが2年履いてもう限界です。お気に入りの「死なずのバッグ」も3年で表面の合成皮革がぼろぼろに。どちらもアメ横のお店でしか購入できません。
え? 通販で買えるだろうって?
私は通販でモノを買いません。好き嫌いではなく,個人データを誰かの食い物にされたくないから。送料もかかります。お店まで行けば店員さんとのやり取りも楽しいし,アメ横ならおまけや割引き,場合によっては値切りも期待できます。それにそこは日本の首都,思いがけないモノやイベントに出会えたりする。水戸から東京まで片道百キロ,その交通費をかけてでも,複数の買い物があるなら行く価値はあります。これは地の利,遠隔地の方ごめんなさいです。
ひたち号に乗るのも久しぶり。下車前途無効。最後に東京に来たのは1年8ヶ月前,記事にもしたミイラ展のとき以来です。
上野駅だよおっ母さん…… って何だっけ。あ「東京だよ」か。
上野広小路。1957年のここを写した写真があって,「森永キャラメル」と書かれた大きな塔とか親子を象った石膏像とか立っていて,今と変わらず賑わってました。
歩道の切れ目ごとに整然と,数百人の大行列がありました。ほとんど男性なのでコミケの行列かと思ったら笑,パチンコ屋の開店を待つ方々なのでした。うわああ。
何はともあれまず中田商店。新しいジャングルブーツを買ってその場で履き替えました。もう何十回も繰り返してきた交代行事,今日の東京サバイバルはここから始まります。
何がサバイバルかって?
私は東京に出るとき,いつもある覚悟をしています。そのために小型ラジオやミニライトを入れた小ポーチ,特殊素材の手袋,4m程のザイル,カロリーメイト,水,小型ナイフ,などなどを背負えるバッグに入れ,両腕はフリーに,足はジャングルブーツで固めて。はいここ笑うとこだよー。
服装もフィールドを歩くときと同じ黒ずくめの,私の戦闘服です。おマエよくそれで職務質問されないなと呆れられますが,まあ東京ならもっと変な人がいっぱいいるもので。
もうおわかりでしょう。そう私は,東京で難に遭うことを想定しているんです。この首都が一瞬で地獄と化すような大災難を。目下のところ,直下型大地震というのが可能性の高いものでしょうか。
それを杞憂と笑いますか。たとえそれが万に一つであっても,私にはリアルな備えです。備えとは本来そういうものと考えます。
事件・事故・自然災害に新型爆弾。パンデミックによる突然の都市封鎖も否定できません。そして惹起する混乱・パニック。土地との伝来の繋がりを持たず,ただ消費だけを業とする人々が過密に往来し居住するこの都市で何が起こるのか,私には悪い想像しかできません。
そして何より,私は百キロかなたの水戸まで帰らねばなりません。利根川越えれば何とかなります。三日以内に利根川の対岸へ。それまでは自力で生き残り前に進む。それが私の東京行サバイサル。東京へ出るときはいつも,そこまで妄想して覚悟しているのです。
それでも来ないではいられない,やはりここは魔都・東京。覚悟のうえでお買い物を楽しむのだ。
というわけで次の買い物。中田商店の数軒先にバッグの製造販売をする「クロス・チャーム」の直営店。そうですあの「死なずのバッグ」の製造元なのです。
合成皮革は耐性が低いので今度は帆布製のを買いました。お兄さんはきちんとお話のできる人で,割引きまでしてくれたので嬉しくなってウエストバッグも一つ買ってしまった。これからもごひいきにさせていただきます。
そしてこれもアメ横で必ず寄る「亜州貿易」。薬種としてのナツメを買います。一袋千円。昔はその半額でした。輸入食品が上がるって本当だったんだ。
感心したのは,アメ横の有線放送で「他県には行かないようにしましょう」と言っていたこと。へえ,ちゃんとそう言われてはいたのね。すると第5波の時茨城に来ていた品川ナンバーのBMWに意地悪してやったのは正しいことだったんだ。くふふふふ。ちなみに茨城では「東京に行かないように」のアナウンスでした。
さてアメ横は順調にこなしました。次は秋葉原です。山手線に沿っててくてくと歩きます。ジャングルブーツは快調です。…… ビルの裏側,ここで暮らす人たちの生活が垣間見えて,いろいろと考えてしまいます。母が水戸の表通りの商家の出身なので,街中の生活というものも知らないではないのですが。
秋葉原は散々でした。向かったカレー屋は何と休業中。代わりに松屋に入ったら券売機は50円のお釣りを出さず,外国人店員ではらちが明かず。欲しかったコミックスを求めて書泉ブックタワーに行けば,書棚は作者別と出版社別の配列がデタラメで店員もわけがわからず(おいおい),結局自力で見つけた2冊のみご購入。
まだ14時前でしたが,ブーツとバッグ,2つの主目的は達しました。今日はもう潮時です。上野駅で帰りのひたち号に乗りました。車中の手慰みにと文庫本,iPod,メモ帖なぞ持ってきていましたが,結局車窓の風景ばかり見ていました。子供か。
私はこんな,どこまでもどこまでも街が続くような場所では暮らせません。都会に住む利便性など無意味に,私は一週間で窒息するでしょう。
そこからの眺めはいかがですか。でも水や電気が止まったらその高みでの生活が地獄になることも,もうご経験済みですよね。
もしサバイバルの果てに無事利根川を越え,この緑の沃野を見た瞬間,私は泣いてしまうでしょう。
帰宅して,バッグの中身をぶちまける。サバイバル装備と今日の戦利品がごちゃ混ぜに。
中田商店の来年度カタログをもらってきました。通販は利用しないけど紙のカタログは大好きです。
いつか使いたくてうずうずしているのがこのミニランタン。紅白二色でそれぞれ三段階に点灯。有事には便利に使えそうです。
いつかこんな日が…… 来ない方がいいんですけどね。
書泉で買った一冊は「死なずのバッグ」の元ネタ,「不死の猟犬」の第6巻。これだけ買い損ねてました。これで全巻イッキ読みができるぜ。
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