2月の初め、ソレに気づきました。肛門に何かある。
はい今回はそういうお話なので、興味ない方はご退出どうぞ。
いえね、コリコリっと丸いものがあるんです。押すと引っ込みます。痛みはありません。
これは…… アレか。うわさに聞くアレか。とうとう私にも来たか。ヒトが直立二足歩行と引き換えに背負った宿痾しゅくあ、一般には「イボ痔」、専門的に言うところの「外痔核」というヤツが。
以前より座っている時間が長いことが原因か…… いや結構歩き回っているぞ…… 放っておいても治らないんだよな…… 手術か…… ああどんな姿勢で施術されるんだろう…… せめて人間の尊厳を保てるような格好でやってほしいな…… 家族には何と言おう……
ご理解いただけるでしょうか、その後数日間の葛藤を。覚悟を決めるのにそれだけの日数が掛かりました。腹が決まったところでさて病院は。
「水戸こうもん内科」というなかなかウィットに富んだ看板の病院も気になりましたが、ネットで調べたら、以前そけいヘルニアの日帰り手術でお世話になった百合が丘の病院が痔の日帰り手術もやっているという。あの時の快適さや術後の経過の良さは、それ以前のよそでの経験と比べて感動的ですらありました。先生の技術の確かさ、スタッフの気配り、全体の雰囲気の良さ、あそこにまたお世話になろう。
やって来ました百合が丘。スーパーの大駐車場がそのまま使えます。人気の病院なので今は完全予約制になっていましたが、受付のキレイなお姉さんは笑顔でキャンセル枠に入れてくれました。…… そして名前が呼ばれて診察室へ。あ、先生ご無沙汰です。
私が痔の診察を恐れるのは、以前一時的な切れ痔で日立のとある病院に行ったときに、ジジイ医師にそれは恥ずかしい体勢で診察された上に、無神経な言葉を投げつけられたことがあるから。それはこの診療科目への偏見、さらにはその病院に対する評価になってしまいました。どこの世界でも老害は真っ先に排除されるべきです。
さてしかし、さすがこちらの病院は違いました。中堅どころのいかにも切れ者の先生が、こちらの言葉をきちんと聞いた上で私をベッドに横たえ、その姿勢で診てくれて、看護婦さんもちゃんとカーテンの陰に控えてくれました。
で、結論。「血栓性外痔核」。肛門にできる血マメみたいなもので、放っておいても治るとのこと。まあ軟膏でも出しときましょう、だって。
ええええ、手術しなくてもいいの? こちとら覚悟の上で軍艦マーチと葬送行進曲をバックに乗り込んだのにいい。
帰路はすっかり気が抜けて、この日はもう何もする気が起こりませんでした。で、いただいた軟膏をきちんと使ったら一週間で治ってしまいました。大山鳴動して云々とはこのことか。
痔でお悩みの方はたくさんおられるかと思います。強調したいのは、決してこれを揶揄しネタにすることを目的とした記事ではないということ。調べれば必ず最新の技術と細心の配慮を期待できる病院があります。手術も日帰りで済みます。今回私はそこまでの恩恵に浴せずに済みましたが、下調べに十分に時間をかけた結果として、この病気の治療が心理的な配慮も含めてずいぶんと進んでいるということをお伝えしたかったんです。悪化する前にまず良い病院で診察を。「水戸 金子医院」で検索していただくと、病態からその治療法、患者への配慮とはどういうことか、わかりやすく親切に説明されていて勉強になります。遠隔の方もぜひご参考に。
↓ ウデのいい外科医なんかいくらでもいるだろうけど。