ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

春待つ野の記

 

 水戸です。梅まつりに合わせて駅前広場に梅の大鉢が並べられましたが

 


 正直言って観光ポスターが貼られた程度の感覚でした。季節の移ろいを意識したのは

 


 サンシュユ

 


 アセビが図書館前でほころんでいるのを見た時です。

 


 相変わらずフィールドを歩き回っています。先日は永らく空白だった那珂川の支流・緒川を歩いて

 


 いくつか玉髄を手にしました。以前「百観音」のさいに、玉川と同じあたりが源流なのにメノウがなかった、と愚痴った川です。

 


 メノウと紛らわしいチャートが多い川でもあります。

 


 この時はむしろ珪化木の見事なのが嬉しかった。

 


 この不思議な色の石、たぶん火山岩でしょうけど、磨いたら綺麗だろうなあ。

 


 ヤンマタケ探し、けっこう本気になってますが見つかりません。生物観察会でなついてくれた昆虫少年に見せてあげたいのですが。

 


 ガヤドリタケはあるんだけどなあ。

 


 御岩神社での植物調査に付き合わせてもらいました。この時もさりげなくヤンマタケを探してたのはないしょね。

 


 スギ花粉が黄色い霧のように立ち込めるまであまり日はありません。焦る気持ちがかえって暦を進ませるのは分かっているんですけど。

 


 毎年ザゼンソウの確認に行く湿地。葉芽ばかりで今年も開花はないようです。周辺を随分探してみましたが、やっぱりここにしか生えてません。生物の分布って本当に不思議で、同じような環境は広く周囲に広がっていても、ザゼンソウがあるのはせいぜいバレーコート一面分の面積です。本当にギリギリで生き残ってる感が。

 


 これも同じ場所で毎年お見せするキチジョウソウ。こいつに至っては生息域がほんの畳2畳ぶん。ちなみにザゼンソウは北、キチジョウソウは南の植物で、共に撤退する一族から取り残されて、なんで同じ場所で歯を食いしばってるんだか。

 


 これも毎年お見せするホトケノザ。どこにでもある。いつの間にか咲いている。元気だねえ。その元気、ちと分けてやってくれ。

 


 さてヤンマタケ。ここになければ本当にないぞ、という川の上流部。先に言っちゃうけど、ここでも見つけられませんでした。でもいろんなものを見た。


 ぱちん、からんと乾いた音が森のそちこちから響きます。枯れ枝が落ちるにしては妙に規則的かつ頻繁で、はて何がといぶかるうちにそれが目の前に落ちてきました。

 


 フジのさやが弾けて

 


 種子が飛び落ちる音でした。花が咲いたのは前年の春。実が弾けるのが今ごろとは知りませんでした。寒い中フィールドに出たからこそ知り得たこと。例年ならもっと家に籠っていたでしょう。ヤンマタケ探索の途、とうとうなしえなかったけど決して無駄ではなかったと思いたい。

 


 ニリンソウ! もうこんなに萌芽してました。

 


 カタクリも。いつもなら開花してからその存在に気づくものです。

 


 フキノトウもこんなに開いて。そういえば数日前の晩のおかずに天ぷらで出たっけ。

 


 わあ、キクザキイチゲの花芽がこんなに膨らんでいた。

 


 個人的にはニワトコの芽吹きが春の先駆けと思えます。むかし親しんだものです。

 


 コケ界の人気者、タマゴケ。このコロコロした胞子のうが可愛いですねえ。コケも恋の季節で、これが3月になると成熟してフタの部分が茶色に染まり目玉みたいになります。私は今の姿が好きです。

 


 じつは1月末、ウグイスカグラのフライング気味な開花を見ていました。フィールドの一番花はそういえば、いつもこのウグイスカグラかキクザキイチゲです。今年も順調に季節は巡っています。花の季節はもうすぐ。さて次は何を見ようかな。

 

 

 

 

 

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