母が丹精している菊の,新芽がしおれています。それも1本2本ではなく,一か所に植えてある菊の芽がすべて。これはおかしい。
見ると,茎が鋭利に切断されてます。昆虫に詳しい方ならピンとくるものがありませんか。ヤツだ。ヤツが現れた,ついにこの国に。すでにこの村は全滅だ。
別に植えてある菊を捜索します。どうやらあそこを全滅させた敵はこちらに移ったようで,1本やられてます。今なら間に合う。どこだ。
いたあ。逃がしては元も子もない。すぐ室内に連行しました。
胸につけてるマークはボンボリ。キクスイカミキリ,キク科植物の天敵です。茎をかじってしおれさせ,そこに卵を産みます。生まれた幼虫は茎を食い進む。退治しないワケにはいきません。
せっかくだから90ミリ砲を食らってもらうぜ。
全長わずか1センチ。でも立派な触角を備えたカミキリムシです。
90ミリマクロレンズが表面の微細な篆刻と体毛を捉えます。センサーであったり,光学装置であったり,このボコボコ,この毛のすべてに意味がある。人間の数百分の一の数の神経細胞ですべてをやってのける機能性と合理性のかたまりです。
その上下に分かれた複眼で何を見る。その芥子粒のような脳で何を思う。
私の懐で狼藉を働いた者には,以前のアカイエカと同じ運命を与えます。かくしてこのキクスイカミキリはアルコールの露と消えたのでした。もがいてる写真もあるんだけどそれは自粛しますね。
我が王国にまた新たなメンバーが闖入していたことが判明しました。多様性が大きくなるのは良い傾向です。このカミキリもあらいい国ね,くらいに思ったのでしょう。歓迎されざる者だったけど,とりあえず私は喜んでいます。
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