美しいって何なんだろう。
笠間の陶芸美術館に行ったとき,とにかくこの陶芸作品から目が離せなくなりました。
人間国宝・松井康成の作です。故人ですが笠間に窯を構えここで没した縁もあり,美術館で作品を蒐集しています。
とにかく細部を見てください。
他の作品も。
内側に外と同じ文様があることがわかりますか。そうこれは描かれたのではありません。本体がこういう文様の土を焼いて作られているんです。どうしたらこんなことができるんだろう。
個人で編み出した特殊技法の数々。人間国宝とはこういうものか。
皆さんは陶芸ってわかりますか。私にはわかりません。
陶芸というのは例えば,田舎の素封家が騙されて高額で買うもの,あるいは「坊ちゃん」の宿のあるじが一方的にこれは良いものだと主張するような得体の知れない器物。私には理解できない高次な価値判断が要求されるもの。
しかしこの松井康成の作品には,そんな価値を超越した圧倒的な美しさがあると私には思えました。陶芸とか絵画とかの枠を飛び越えた真の芸術のエッセンスが昇華されて今ここにある。見る人を感嘆させそして黙らせる強烈な「美」。私にはそう思えます。
また美しいものを見た。元は取ったぞ,なんて。
同じ日に地元・笠間高校美術科の卒業作品展が開かれてました。この作品が気に入りました。
「私には,星空がこのように見えています。皆さんには,どう見えていますか?」だって。将来が楽しみです。
↓ 以前の陶芸美術館の記事です
エミール・ガレの陶芸/大仕事が終わったので笠間でアートしてみた - ジノ。
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