昨日は久しぶりというかまたというか,鶏足山に行って参りました。ツツジとスミレの様子が見たくて。
朝9時。このあと天気が崩れるという予報でしたが,駐車場には車がいっぱい。みんなヒマなのね←オマエもな。カメラ2台と三脚を持って,いざ。
この数年で,みるみる標識が整備されました。気安く登れて危険もなく,眺望もいいというのでご年配の山登りグループの皆さんに大人気。弘法大師が何かを感じ十数年修行したという伝説の山は,今また衆生を引き付けています。
……なんだけど,道が数年前の3倍くらいに広がってしまった。毎日いくつもの団体さんが上り下りするので仕方がないのだけど,個人的にはたまに一人行く人に出会って挨拶を交わす,くらいの人密度が好きなのですが。
はい山頂。眺望絶佳。
ミツバツツジとヤマツツジとコナラの若葉の競演。ああ,来て良かった。
ミツバツツジにはいくつか分類がありますが,茨城のはトウゴクミツバツツジ。ちょうど咲き初めの,一番いい瞬間に立ち会えました。
ああ,キレイ。
おしべは10本,長さが不ぞろいなのが特徴です。
ヤマツツジは1週間早いかな。でも稜線のひだまりでは開花しているのもありました。
……なんていい気分で写真を撮っていたら,焼森山経由で来た団体さんが次々と。
「はいここで昼食にしまーす」
「おう,ここでメシにすっぺー」
決まって年配のリーダーの男性が同音を発します。
狭い山頂がイモ洗い状態。これで3グループはおられますか。大騒ぎ。もう写真撮影とか季節の風を感じるとかUFO呼ぶとかどころではなくなります。私は退散しましょう。どうぞ皆さんそれぞれにお愉しみください。
「常陸国風土記」には筑波山と富士山のいまの姿の由来となったお話があります。父神が富士山の神を訪ねたら,物忌を理由に追い返された。次に筑波山の神を訪ねたら物忌がありつつも歓待された。そこで父神は,富士は氷雪に閉ざされ容易に人が近づけぬように,筑波は季節それぞれに人々が登り集い,酒食歌舞を楽しみ山神をことほぐように,とされたと。
地元の「土地ほめ」話とはいえ,天下の富士山を相手にまた愉快な話を考えたものです。いつも書いてますが神仏,そして神格を持つ山のような自然物は人に祀られ敬われてこそ存在意義があります。いまのにぎやかな鶏足山の姿は喜ばしいものなのでしょう。
ただ気になったのは,この人たちの足元に山頂のほこらがあるのですが,団体さんは誰も手を合わせないこと。みな私よりも年上の方々とお見受けしたのですが。
すいません生意気なことを。私は人々の流れとは逆に鶏足山から焼森山への稜線をたどり帰ることにします。
距まで紫色のアカネスミレ。
甘い実の成るウグイスカグラ。鶯の神楽というネーミング,いいなあ。
ツクバキンモンソウ。
ツボスミレがタチツボスミレと仲良く。
ニオイタチツボスミレ。
前回赤い実を付けていたミヤマシキミ。念のため言っとくけど猛毒。
モミジイチゴ。あの甘く美味なる実を思い出すだけで唾液が。
タチツボスミレはそれこそ馬のフンなみにそこらへんにあるので無視していたのですが,ある一株,それも飛び切りに花姿のいい美人さんから撮影依頼がありました。キレイに撮ってね💛と。弱いなあ。
タムロン90ミリマクロレンズはポートレート用でもあります。美人さんとか大得意。言われなくともキレイに撮ってあげますよ。
いい美人と出会えて,今日の鶏足山もいい気分でおしまいです。筑波山じゃないけど,これからも季節それぞれの記事をお届けできたらと考えます。