先の記事の,サンショウガイを探したお話です。
茨城県ひたちなか市の平磯ひらいそ海岸。中生代白亜紀の地層が傾いた露頭が延々と続きます。この岩の隙間がカニとかの海岸生物の格好の住処で,磯遊びに最適の場所です。中学生のませガキだったころに女の子と来たことも…… って,これは前も書いたか。今でも海岸生物の観察や採取には必ず訪れる貴重なフィールドです。ご家族連れにも大人気。
こんな感じ。
その行動を客観的に見る限り,今日の海岸で一番怪しいのはこの私です。幸せな子供連れやお手手つないだカップルに混じって,おっさんが一人で岩の上に立っていたり砂浜に這いつくばったりしているのですから。本当に皆さんごめんなさい。
そうです私はサンショウガイの殻を探しに来ているんです。
わあ黒メノウ 💛
これは珪化木かなあ
シーグラスもある ♪
また黒メノウ。しかも晶洞が白化している。これ以外にも普通のメノウのかけらも拾えました。楽しいなあ。これまで生物にしか注意を払わない場所だったので,今の目で見ると新鮮です。
…… だからサンショウガイを探せってば
こうして書くと,ステキなものが入れ食いに落ちていると思われてしまうので申し上げておきますが,この日は岩から岩へ飛びながら海岸線を1キロ以上移動して,上に示したものはその途上でぽつぽつと拾ったものです。決して効率は良くなかった。前の記事で書いたように,目的のサンショウガイもわずかしか拾えませんでした。移動しながら気づいたのは,ここはシーグラスが多いな,ここはメノウがあるな,サンショウガイは2か所でしか拾えなかったな。ショッピングモールに異なる品を扱う店が次々と並ぶように,ほんの数メートル移動しただけで打ち上げられるものが変わります。地形,潮流,波の当たり具合,そのわずかな差で条件が変化するのでしょう。欲しいものが拾える浜はごく一部です。
まあしかし,海はいい。本当に,比喩ではなく本当に心が洗われます。特に茨城の海は。
茨城の海が和むのは,島影がない,船の姿もあまりない,ただ波のリズムが響くだけというこのシンプルな風景に因るのだと思います。心疲れた人よ,ぜひ茨城の浜においでください。そして1日ぼーっと波音を聞いてください。胸に詰まった砂袋がすーっと消えていきます。
海岸植物のハマボッスがちょうど盛りでした。これでもサクラソウ科。
今日持ち帰ったものはすべてUVライトを当ててみました。その結果はまた次の記事で。
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