ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

光は踊る

 

「直通ひたみち」…… 土地が平らでどこまでも歩いて行ける、の意です。字は常道、常陸と変化しそれがこの地の旧国名になりました。天地の恵み豊かな誰もが幸せになれる常世の國、と風土記に書かれています。このブログは、その常陸の國の自然から、私が美しいと思ったものをご紹介することをなりわいとしています。えーそうだったんだー。

 


 さて、春の嵐に沸き立った海。金銭にならずとも、心を豊かにすべく拾いものをいたす私でございます。求めるものは光。手にしたものから、少しでも皆さまの心に残るような光をご覧いただければと存じます。おおっという写真があったら評価してね。

 


 茨城の海岸ではこんな大きな玉髄のかけらも拾えます。ただ海岸メノウの宿命として表面は打撃痕でガジガジ。機械できれいに磨かないと被写体になりません。そっと海に返します。

 


 この数か月で拾ったもの。選りすぐりのきれいどころ。

 


 ジャスパー・赤玉髄系。まずは右下の大き目の赤メノウにご注目。

 


 海岸でひと目見ておおおっとか声をあげてしまった。これだけの大きさと色は滅多にありません。どう見ても玉川系ですけど、ここまで流されてきたにしてはサイズが大きすぎます。どこから。

 


 透過光で写せばもう期待通りでした。

 


 次のこれ、実は晶洞が面白く削れたものです。機械で磨けばおカネを取れるレベルの石になるでしょう。やらないけど。

 


 私にはこれで充分。

 


 こちらもすでに海岸で小石の中から強い赤光しゃっこうを放ってました。


 十文字模様のクラック(ひび)がよいポイントになってます。

 


 透明系の玉髄も面白い景色を見せてくれます。

 


 ジャスパー系。単純に赤いもの以外にも、さまざまな個性を見せてくれます。

 


 「青の渚」系ほか。いわゆる黒瑪瑙が中心ですけど

 


 これは以前にご紹介した塗装工場の廃棄物、石ではありません。でもあの美しい光をまとったシーグラスが廃棄物であるように、波と風の巧の技を得て、これもまた自然が造形した宝玉です。

 


 こちらは石灰岩。メノウより柔らかいので磨いてみました。開いた穴はある種の貝がすみかとして開けたもの。どうやらこれはしばらく海岸の岩場にあって、生きものたちの棲家になっていた岩塊の一部です。

 


 白いのは元は貝殻かサンゴ、だいぶ変形してますが生物由来です。石そのものが生物。穴を開けたのものちの世の生物。この石の景色は生物によって二重に創られているんです。うまく説明できないけど、ちょっと感動。

 


 白い被膜をまとった黒メノウは、海岸では青い光を、透過光ではさらに複雑な光の饗宴を見せてくれます。撮り方を工夫しながらシャッターを押します。

 


 さあしかし、私が好きなのはこのさざれ石大のメノウたち。久しぶりに接写レンズで挑んでみました。

 

 

 

 

 


 3センチの赤いジャスパーに長さ3ミリの晶洞。ジャスパーがメノウの一種である証拠です。

 

 

 


 青い仏頭の奧の奥に、そっと覗く晶洞。

 


 幅2センチながらいちばん強い蛍光を出したメノウの小粒。


 しかも側面には埴輪の目のような晶洞。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 異界の文字が跳ね踊るような、実はこれが打撃痕。この石の長き苦難を語ります。

 


 ああ撮ってて楽しかった。カメラの力を使い切って美しい光を切り留めることができたとき、ダンジョンの奥で宝物を得たような満足を感じます。冒険は心の中にもあるんです。


 こんな写真を「ジノらしい」と評してくださる読者さまもいることとて、少し趣味に走りました。日々こんな絵を求めて広大な茨城の天地を歩く名も無きナチュラリストです。少しでも皆さまの興趣をお誘いできたなら幸いです。

 

 

 

↓ カテゴリー「青の渚」でわりと読まれている記事です。なんでかな。