
【 凱風 】がいふう 心地良い南風、初夏のそよ風
最初に、面白くもない私の両親の現況をお聞きください。
父 98 歳 昨年末に救急車で運ばれたO病院の魔手を逃れて、1月に有料老人ホームに入居しました。足腰立たず、しかも末期ガン。先日その施設から発熱 40 ℃と下血の疑いとの連絡。ついに来たかと思いつつ(こら)S総合病院での診察に丸一日付き合って、結論は肺炎でした。即入院、その必要品の搬入やらで2日かけて病院まで3往復。このまま緩和ケア病棟に移って最後を迎えるのか施設に戻るのかどっちつかずの連絡待ちです。
母 88 歳 腰痛が激化して歩行困難になりました。かかりつけの医者に診せたらMRIの予約が入り、来週大きな病院に連れて行きます。厄介な病気でなければ、と思います。市役所で要介護認定の手続きを取ってきました。ケアマネージャーにも面会を依頼しました。
ああ長男大回転。いえこれこそ義務、そして恩返しと心得ています。いま無職で時間が自由に使えるのも天の配剤でしょうか。実は今年も再就職のお誘いがあったのですが、もちろん丁重にお断りしました。今はこの時。
愚痴っているつもりはありません、記録です。世にはもっと壮絶な介護をなさっている方がいることを承知しています。でも私には私の介護の日々です。

そして風のいい日がありました。

何かを発見するため、そして自身の健康のためと続けている「駅までさんぽ」ですけど、今日は空高く風強く、よい気分転換になるかなと千波湖畔を歩きました。

ちなみに冬の頃の桜川(手前)と千波湖。まだ川の水位が低いことをご覧ください。

そしてこの季節、備前堀という用水路に水を引くためのこんな堰せきが下流に立てられて

桜川が満水です。水と風と緑。まさに茨城の天地を象徴するような風景になりました。

千波湖は何度か記事にしてきました。

水戸の市街地のど真ん中に忽然と現れる水と緑の小宇宙、市民の憩いの場です。

この方角から吹いてくる風。前述のように「凱風」とは初夏の優しい南風のことですが、茨城にそんな風は吹きません。なぜかは地図で茨城の南側を見ていただければわかるとして、この地の心地良い初夏の風といえば鹿島灘から寄せてくる冷たい東風です。毎年この風をネタにするほどに、心の澱おりを消してくれる美しい風です。

今日はしばしこの風に吹かれてやろうと思います。

びょうびょうと吹く風に煽られるガウラの花。うちの庭のより大輪で花期も早い。良い気の流れと水の巡りがあるのでしょう。

エノキ。夏の木と書いて榎。木陰の気持ち良さは落葉樹随一。

シラン。園芸種でしょうがほぼ野生化しています。

桜川でオオカワヂシャが首だけ水面に出してます。もちろん陸上植物で、河原に生えていたものです。増水はたぶんある日突然で、これもさぞや驚いたことでしょう。

千波湖と桜川に挟まれたこれは遊歩道、そして陸連公認のジョギング道です。いつも多くの市民が歩き、走っています。その昔、千波湖がいまの3倍の大きさだった江戸時代。湖の中を行く「柳堤りゅうてい」という道があったそうです。きっとこんな風景だったことでしょう。水戸はずっと水と緑の町でした。

キショウブ。



風に流れるシダレヤナギ。

ヘラオオバコ。

オオムラサキ。

目の前2メートルに堂々とダイサギがいます。ふつう野外では 10 メートルも近づけば逃げられますけど、ここでは人間が手を出さない(出せない)ことをよく知っているんです。


東風に煽られて葉裏を見せる桜。強い日差しと強い風がともに気持ちいい、この季節だけの悦楽です。

日傘の夫人はどこから歩いてきたのだろう。

ミズキの木もありました。ちょうど花期です。

アヒルが隊列組んで悠々と横切っていきます。

これは家禽でもともと人を恐れませんが、これほど鳥とヒトの距離が近い場所も珍しいのではないでしょうか。

これは人造の鳥。今日は風のためボート屋さんは休業です。

千波湖西端からのこの風景が好きです。何となく水戸らしい。

水郷風景、のような。

柳と風力計と、ともに風をことほぐためここにあります。

風と水と、それを動かす天地の運行はたゆみなく進行します。感謝せずにはいられません。風に対して、水に対して、星に対して。
↓ 凱風にゆく。
↓ 千波湖の秋。
↓ 千波湖の春。