ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

鶏足山,花の季節は移ろうも

 

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 この連休では,昨年秋以来の鶏足山にも行っています。外出自粛が叫ばれる折,自分にはこの春を見届ける義務がある,なんて身勝手な理由で。…… これも勝手な物言いですが,4記事前の自分ルールは厳守します。

 

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 いつもの花の多い林道を行こうとしたら通行止め。あの半年前の台風の惨禍がまだ修復中のようです。鉄砲水を出した沢を見たかったのにー。


 不本意ながら,造林地の中の急勾配を直登する赤沢富士経由の登山道を。生物屋にはつまらない道です。

 

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 急勾配の理由はこれ。この山塊はかたーい「チャート」でできてます。風化浸食されにくいのです。もしここが乾燥地帯で植物がなかったら,柔らかい地層が削られて硬いチャートの部分がそびえ立つ姿が露わの,モニュメントバレーみたいな風景になっていたことでしょう。

 

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 おなじみツクバキンモンソウに挨拶なんかしながら

 

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 富士ビューポイント,本日も視界不明瞭。あの谷の上に富士山があるはずなのですが,春は仕方ない。心の眼で見るのじゃ。

 

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 周辺にこれはヤブレガサ

 

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 シャガ? もともとここには無かったはずです。誰かが植えたか。瞬く間に増えて,このあたりを埋め尽くすことになるぞ。…… 最近はこういう無責任なことをする人が多いような気がします。

 

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 さらに登ってウラ山頂に到着。ツツジの向こうに「あたしンち」のお母さんの横顔みたいな八瓶山

 

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 ヤマツツジ絶好調。

 

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 トウゴクミツバツツジも盛りです。

 

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 同じツツジ科のナツハゼは花はまだですが新芽がきれい。

 

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 ずらり並ぶトウゴクミツバのつぼみ。なぜかこれがものすごく美しく見えた。

 

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 これぞ春の精,ビロウドツリアブ


 しばらく頂上で憩いましたが,下のほうから大声でしゃべりながら登ってくる声が聞こえてきました。正直ここであまりお会いしたくない団塊の世代の男性を含むグループのようです。十年前には山登りなんかしてなかった人たち。下品な会話に巻き込まれる前に退散します。流行りもので団体行動する人間は私の天敵と言っていい。

 

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 途中でアズマネザサが花を咲かせてました。何十年に1回花を咲かせると,地下で繋がった周辺の笹が一斉に枯れます。3,4年前は県北山地のスズタケが咲いて,枯れました。ここも今年の終わりまでにあたり一面の笹が枯れることになります。

 

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 コナラのひこばえに丸い玉。実ではありません。虫こぶです。割ったらびっくり顔の幼虫と鉢合わせすることに。

 

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 チゴユリ,今が盛りでした。

 

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 オオセンチコガネ。キレイですね。どういう虫だか知ってる? 春の山でのんびりと日向ぼっこしている姿をよく見かけます。

 

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 山を下り切る頃には駐車場は埋まっていました。さっきは詮無いことを言ってしまいましたがみな春の鶏足山を,常陸の国の花の季節を寿ぎに来たお仲間と考えましょう。人の好き嫌いは私のわがままですから気にしないでくださいね。


 人界の喧噪に拘わることなく進む自然の移ろいを不思議と思いますか。いいえそれは太古から続く星辰の理ことわりに寄りそう生命のアルゴリズム,この国の季節ごとに定められた華燭の典のお色直し。それを愛でる山野行こそは,この自然豊かな島国に住む者の特権なんです。

 

 

 

↓ 記事中で触れてます 

2019年11月3日,今日の鶏足山のお花とか - ジノ。

鶏足山のツツジとスミレ - ジノ。

 

 

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森林公園のツツジが鮮やかなのは

 

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 水戸の森林公園。人を連れ歩くにはいいところです。特に今みたいに,屋内生活に倦み疲れたあたりには。


 皆さん考えることは同じで,そこそこの人出です。ほとんどがお子さん連れ。無理なからん。

 

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 私の目当てはここ,ツツジの花回廊。花の種類はたぶんキリシマ。原産地が九州なので茨城では気候が合わないのか大きなものはあまり見かけません。

 

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 でもここは壮観。右後方の野生のヤマツツジと花色を比べてください。

 

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 花弁が二重になった園芸品種ですが,本当に見事。

 

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 その足元にあるこれも好きです。シソ科のジュウニヒトエ。どこにでもあるものではありません。


 この回廊は,公園内でも花の名所です。と言ってもわかる人だけの野生種の花ですが,季節を追って次々と何かが咲いていきます。山歩きばかりしていると遭遇する,そういう場所というのが確かにあるもので。花神の通い路とでも言いましょうか,気脈が通じている場所なんだと理解するようにしています。私のような者にはちょっとした宝物です。

 

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 クヌギ林も春の気に満ち。

 

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 湿地にカキツバタ

 

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 カントウタンポポ。すぐ隣にはセイヨウタンポポが咲いてます。仲良く,とは生物学的には正しくありませんが妙にほのぼのします。

 

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 ホオノキ。最大級の野生の花。残念,風が強くてあの芳香が感じられませんでした。

 

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 春の象徴,と私は思っています。フデリンドウ

 

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 茂みの中に白い花。初めて見ましたが,タツナミソウの白花品種のようです。さて野生か植栽か。

 

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 柔らかな陽を受けて,ニガナもささやかな花弁を広げます。

 

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 日暈にちうんが出ました。半日後には雨でしょうか。

 

 こんな状況下でも今年の春の光景を目にできました。つかの間の好天に感謝です。

 

 

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久慈川閉鎖/メノウ教信徒の皆さん,今は雌伏の時です

 

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 いつもの通り,バケツ一杯のメノウを持ってルルルンと富岡橋に行ったら

 

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 閉鎖されてた。


 公園でも何でもないんで堤防工事にかこつけていますが,明らかに人除けだと思います。そういえばこないだも,十台ほどの車が河原に乗り付けてテント張ったりバーベキューを楽しんだりしてました。以前は本当に人気のないところだったので,ちょっと責任を感じてみたり。

 

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 淡水魚館のところは市が管理する公園地なのできっぱりと。

 

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 バリケードどかして入り込んでいる人はいるけど,どうなんだろうこういうの。

 


 小貫橋の河原は相変わらず土砂の採取が続いてます。

 

 

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 というわけで,久慈川の河原はほぼロックアウトです。私の記事を見て,このGWにぜひともあの久慈川へ,とお考えの皆さん,本当にごめんなさい。

 

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 世の趨勢に許されるまで閉鎖は続くでしょう。久慈川メノウ教信徒の皆さん,今はひたすら力を溜めチャンスを待つ雌伏の時です。

 

 

 

☆ ちなみに「ロックダウン」は「閉じ込める」,「ロックアウト」は「締め出す」

 …… わし,用法間違ってないよね?

 

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茂宮の干潟でカニとたわむる

 

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 少し硬めの内容です。まあお気楽に。


 茨城県はいいとこですが(直球),自然観察者の目で見るとつい無い物ねだりをしたくなります。


 まず何と言っても高山がない。千メートルを超えるのはただ一点,八溝山の山頂のみ。高山植物も高山蝶も他県に行かねば拝めません。これ,かなり悔しい。


 海がありゃいいじゃないかと言われますか。しかし大部分は一直線の単調な砂浜です。県北部で所々に岩場。静かな入り江や内湾がなく,そんな場所の河口に発達する「干潟」もありません。霞ケ浦は少なくとも平安時代までは内海で,広大な干潟もあったのでしょうがそれも昔。


 そう干潟。有名なのは九州・有明海ムツゴロウやらワラスボ(エイリアン!)やらシャミセンガイやら,ここでしか見られない生物の宝庫です。カニやら貝やら,狭い面積に多種類の生き物がわらわらと生活する干潟は,生物多様性のありかとして今や生物の教科書にも載ってますが,今の茨城で干潟と呼べるのはただ一か所。日立市の茂宮もみや川の河口にある猫の額ほどの場所です。


 最後に行ったのはもう十年も前で,どうなっているか気になってました。先日の平磯に続き,引き潮に合わせて行ってみます。

 

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 で,ここがその茂宮川河口。昔はなかった護岸がなされてます。

 

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 潮は引いているのですが,一目でわかる。干潟がない。

 

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 干潟というのは干潮時に露出する泥の浜を言いますが,そもそもここには泥がない。砂地になってます。かつて見られたようなカニやゴカイがわらわらと群れている様子が全くありません。何が起こっているんだ。とりあえず長靴で下りて,上流に歩いてみます。

 

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 五百メートルほど上流の常磐線の鉄橋あたりまで行って,ようやく泥の浜が現れました。いるいる,何かがごそごそと動き回ってます。

 

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 潜望鏡のような目のヤマトオサガニ。干潟の生物の代表です。おお生きてたかと駈け寄ったら長靴がすねのあたりまでずぶずぶと泥に沈みました。しまった,干潟はコレだった。


 必死に長靴を泥から引き抜いて,岸の葦原から迂回して足場を探しながら近づきます。

 

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 泥の上には無数の穴。すべてカニの巣穴です。

 

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 もちろん人が近づけばさっと潜る。しばらくじっとしているとそろーっと出てきて,私を見てまた潜る。写真を撮るには時間をかけて馴れさせねば。いえ彼らは臆病なのではありません,ただ用心深いだけ。人はよくそういう勘違いをします。

 

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 ようやく撮れました,ヤマトオサガニ。割りばしみたいな目が特徴の,泥干潟の上では一番大きなカニです。

 

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 こちらはチゴガニ。青い頬が特徴。

 

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 少し岸に上がったところにはアシハラガニ

 

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 先ほどの砂地でも,石を転がせばわらわらとカニケフサイソガニです。

 

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 これは死んでるけど,モクズガニ上海ガニとほぼ同種の美味なカニです。


 ほかにもベンケイガニコメツキガニがいるのでしょうが,そこまでは探しませんでした。残念だったのはアカテガニが見られなかったこと。かつては,周囲の谷筋から集まる流れ沿いにわらわらと群れていて,特に産卵期には何千匹とも知れぬ数が谷の上の森から下りてくる壮観が見られました。今はもういません。

 

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 原因はこれ,老健施設。谷を埋め,流れを断ち切るように建てられています。もうあの斜面を埋め尽くす赤いカニたちの姿はありません。

 

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 そもそもここにあった泥干潟が消失した第一原因はこの護岸であるといわれてます。これで砂泥の流れが変わった。とどめに東日本大震災で地盤が沈下し,港の砂が流入するようになったのだと聞きました。一時は干潟の生物が消えました。より上流に泥干潟ができ,9年かけてここまで再生したのだと。ヒトの営為と自然のちから。すごいのはどっちだろう。

 

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 貝もいろいろ。とにかくカキ殻だらけ。

 

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 イワガキの,ちゃんと生きてるのもありました。つまりここらのカキ殻はこの場で作られたもの。こういうのを「現地性」と言います。

 

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 ツメタガイ。デカい。こいつがいるということは

 

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 これはアサリ。こういう二枚貝が多いということです。豊かな生態系が再生されつつあります。

 

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 アズマニシキ。これは岩場の二枚貝

 

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 こ,これはホラ貝! びっくり。私は初めて見ました。たぶんボウシュウボラという種類で,千葉県より南には多いのですが茨城ではまれ。ヒトデを捕食します。つまりここにはアサリを襲うヒトデも多いということ。豊かだなあ。

 

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 地盤沈下の証拠,レジャーボートの桟橋の残骸。竹馬みたいになってます。

 

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 ヤマトオサガニが水中からこちらをうかがいます。少なくとも私は,キミらの楽園をどうこうする気はないからね。

 

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 帰りに,久慈浜の海水浴場を覗いてみます。人影はまばら。地元の人たちでしょう。

 

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 この子は今日のこの海をいつまで憶えているだろう。きっと父ちゃんは,今日の君のことを一生忘れないよ。

 

 

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 カニも人も,等しく平和に暮らせる世界であらんことを。

 

 

 


☆ 「茂宮川 干潟」で茂宮川河口の学術報告が検索できます(PDF)。ご参考までに。

 

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平磯海岸,中潮,フィールドのルール

 

 

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 4月25日(土)は,大潮翌日の中潮でした。あ,海の話です。


 この季節は昼間の干潮で大きく潮が引きます。それは大潮を過ぎても同様で,大潮と同じくらい潮位が下がります。今日の干潮は11時14分。ずっと確かめたかったことを果たしに参ります。

 

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 場所はここ,ひたちなかの平磯漁港。

 

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 …… なんだけど,周辺の駐車場が県外者対策で片っ端から閉鎖されています。

 

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 こういうみっともない路上駐車をするのは地元のジジイばかり。一緒にはされたくない。

 

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 というので2.5キロ離れた路上でも私有地でもないスペースに停めててくてく歩いていきました。きちんとしているというより,やっぱりわしってバカ。

 

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 道々海を眺めながら。例年なら磯遊びの人で大賑わいの場所ですが,皆さん本当に自粛している。日本人って偉いなあ。

 

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 中生代白亜紀の地層です。

 

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 おじいちゃんと孫。涙が出るほど平和な光景。

 

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 この構造物,好きなんだよなあ。トーチカか水牢か,はたまた秘密基地か。

 

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 いや,単なる昔の生けすなんだろうけど。

 

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 ここは磯遊びに一番人気の場所,通称「鯨磯」。うわあ,こんなに引いているの久しぶりに見た。

 

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 満ちてるときはこんなの。セミヌードの彼は同業の若い衆です。

 

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 この岩の隙間が海岸動物の宝庫。私の生物屋キャリアのルーツの一つなのだ。

 

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 一心不乱にアサリを採る人。陽光あふれるフィールドで,周囲にはカニやらウニやらクモヒトデやら,愉快な生き物がいっぱいだというのに全然楽しそうじゃない。大人になるとはこういうこと。

 

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 住宅地では堤防がかさ上げされて海が見えません。

 

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 でようやく到着,平磯漁港 …… ってあれ? 漁協の建物がなくなっている。


 他所ではどうか存じませんが,福島原発事故以来… いやきっとそれ以前から,漁業は衰退する一方です。

 

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 確かめたかったことというのが,この漁港の砂浜でかつてマテガイが採れたということ。そう聞いたのはもうずいぶん昔のことです。ずっと仕事で気ぜわしくて機会なく,今年役職を下りて楽になり,ようやく来れたわけ。


 マテガイというのは簡単に採れて美味なる食用貝として西のほうでは有名ですが,茨城県内には分布していないことになってます。一度でいいからあの,巣穴に塩を入れると飛び出すというのを見てみたかったのです。

 

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 一握りの地元の家族連れが潮干狩りを楽しんでます。

 

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 でもいない。アサリしかいない。


 マテガイはもういないようです。いたというのはもう昔のことなのでしょう。また一つ,置き去りにされた気分です。


 地元の家族連れだけが潮干狩りを楽しむ,静かな海。これはこれで私には心安まる光景です。それで良しとしましょう


 こんな状況ですので,出会う車のナンバーは基本的に水戸ナンバー。多少土浦つくばもありますが県内だからオッケー。たまに見かけるのが大宮春日部。来んなよ,と睨んでしまいます。海なし県だからと言って同情はしない。


 しかし私はどうなんだろう。ここまで外出自粛と叫ばれているのに毎週のようにフィールドにいる。


 身勝手は承知の上です。そのうえで言わせていただければ。


 私にとって,フィールドに出て自然の事物の観察を行うことは本業に直結する職務の一環です。でも人に迷惑をかけるのは本意ではない。よって,自分なりにルールを決めました。 ① 自分が感染者であるという前提を忘れない。 ② 常に単独行せよ。 ③ 人との接触は限りなくゼロとせよ。細かく言うと,


 ・常に一人で行動する。
 ・行動は日帰りに限定する。
 ・県外には出ない
 ・飲食物は家より持参する。
 ・コンビニ利用は一品のみ。
 ・もちろん必ずマスクを携行。
 ・野外での他者との距離は5メートル


 何が楽しいんだ,なんて言う人もいるでしょう。でも従来からの私の読者さまだったら理解していただけますか。何のことはない,私が昔からやってきたスタイルそのままです。無理なく自然な,私のフィールド姿です。毎回毎回が小さな孤独な冒険の旅。私の人生そのものと言ってもいい。


 ミュージカル「ラ・マンチャの男」で,なんでそんな馬鹿なことばかりしているのかとアルドンサになじられたドン・キホーテは答えます。遠征 エスさえできれば本望,それは騎士の冒険の旅です。使命です。いや…… 特権なのです。

 

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 うん,そんなかっこいいものでもないんだけどね。

 

 

  

↓ 関連記事。よろしければご覧ください

磯の生きもので系統樹 - ジノ。

潮騒を聞きながら日立の海岸を歩いたこと - ジノ。

いばらきの磯の生きもの図鑑1(胎動篇) - ジノ。

 

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今日の玉川と久慈川 メノウとか珪化木とか

 

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 拾う気はなかったんです。いえ本当に,川の様子を見るだけのつもりだったんです。


 玉川から久慈川を巡って来ました。先週土曜日に大嵐で,川はどうなったかなと。


 まずは玉川。

 

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 ほぼ田んぼの用水路的な川です。田んぼは代かきが始まります。ゆえに,田んぼに水を張るために溜め池が開放されて濁った水がご覧の通り。水底が見えませんし,増水もしてます。もうしばらくはメノウ拾いは難しいでしょう。何のかんのと制限のかかる川です。

 

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 川沿いにれきの層があって

 

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 その中にメノウのかけらが混じります。これが玉川メノウ。

 

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 鮮やかな赤を発色するものがあります。元は白い「玉髄」だったものが,れきとして埋没するうちに二次的に着色されたものです。ほとんどが薄い層状の,マグマが地層中に貫入して固化したもの。ビキビキって。やがてそれは岩盤ごと砕かれて大河に流され,下流に堆積しました。それが「常陸国風土記」が書かれた千三百年前から掘られ続け採り続けられても 無くならない。

 

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 遠い遠い昔の話です。どんな大火山があり,どんな大河があったのか。想像の翼は遥か太古の空を飛翔します。

 

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 あとここ玉川のれきには,独特の珪化木が含まれます。灰白色で一部メノウ化します。樹種はわかりませんが,かつて火山のあった時代に森を作っていた木なのでしょうね。

 

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 田んぼの道にマツバウンランアメリカ原産。すっかり日本の路傍に定着しました。

 

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 キジのオスが盛んに鳴いていました。恋の季節なんですね。ここはヒトと生き物が共生する平和な里山です。

 

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 休耕田の一面にスミレの変種シロガネスミレが繁茂していました。あちこちで母種に置き換わって版図を広げてます。

 


 では河岸を変えて久慈川へ。

 

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 移動途中にあった玉川沿いの家。2階まで水に浸かってます。おそらくは昨年の台風19号。この緑の谷が泥水に埋没したんですね。住人の方が無事だといいんですが。

 

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 周囲にハルジオン。何を想うか。

 

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 久慈川はすっかり水が引いてました。… ので調子に乗ってまた沢へ。

 

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 藪を何かが歩いている,と思ったら出てきたのはタヌキ。キミは確か夜行性では。というかもっと人間を警戒しろ。

 

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 なんか好きなんです,キュウリグサ

 

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 色はいまいちだけどズシリと重い久慈川メノウ。

 

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 仏頭状構造も久慈川には多いのです。


 今回は久慈川の珪化木は採れませんでした。

 

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 植物化石らしいの。

 

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 ざくろ石が封じられた石。

 

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 ゆきゆきて堰堤。今日はここまでにしましょう。

 

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 で,気づいたらこんなに拾っていた。ぐわああ。見つけたら拾わずにいられないこのビンボー性が憎いぞおっっ


 これは全部久慈川メノウ教信徒の皆さまへの供物とさせていただきます。ちなみに小貫橋ではまだ土砂採取が続いていますので,他所へどうぞ。

 

 

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在宅勤務してみた

 

 

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 先日,わたくし初めて在宅勤務というのを体験させていただきまして。その感想というのが,


 あ,こりゃダメだ。

 

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 真面目に自宅に居続けると,一日座りっぱなしになってしまう。自慢じゃありませんが私の書斎の椅子,それなりのお値段のモノでして私は「呪いの拘束具」と呼んでおります。着座するや否やイスの下から見えざる手が伸びてきてわたくしをガっとつかみ,二度と立ち上がれなくしてしまうのです。そのままお昼寝だって可能です。微動だにせずに過ぎる一日。ああっ怠惰なる私をお許しくださあああいいい Ⓒペテルギウス

 

 結果,ものすごい運動不足な一日になってしまいました。これは絶対に体に良くない。


 なんか1日でハラがたぷんたぷんになった気が。思えば,職場では一日動き回っていたなあ。ときに走ることもあり。働くというのは人が動くことなのだ。この日は普段やっている筋トレとストレッチをかなり念入りにすることとなりました。

 


 在宅勤務もいろいろかとは思います。今朝,テレビの気象予報士さんは自宅から天気予報の中継をしてました。その一方で工事とか工場とか病院とか,現場にいなければどうしようもないお仕事もあるでしょう。私も「現場」のある仕事なので在宅では単なる書類づくり,ほぼ一時帰休です。ああ怠惰…… いや怠慢。本当に情けない。


 でもとにかく,これが感染拡大防止になるのなら協力いたします。チャイハネのお姉さん,私も頑張るからねー。 前々回記事参照

 

 

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 そんなコロナのどさくさの間に,いつの間にかこのブログの総アクセス数が10万を超えてました。ブログ開始から2年半。人気ブロガーの方から見れば遅々たる歩みと映るでしょう。去年の夏に月間1万アクセスに達したときは天下を取った気になったものですが,一気にバブル崩壊して今は月3千ほど。支えてくれている読者の皆さま,本当にありがとうございます。

 


 「十年後にも読める記事」をモットーに書き散らしてます。今のこのコロナ関連の記事も,十年後に読んだときどんな感慨を持つことになるのでしょうか。そのころにはワクチンや治療薬,何より簡便な検査キットが普及して,インフルエンザ並みの扱いができるようになっていると思われます。今の自分の言動や思考を,その時に評価してみたいと希望します。だから神さま,ボクだけは助けてね💛

 

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            夕景の美しい日でした。

 

 

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