ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

鶏足山にて

 

 

 このブログ,9月に始めたばかりなので,すいませんまだ作法もよくわかっておりません。なんかあったらご教示を,と言ってもそれを読む方法もわからない。読者になってくださった方,ごめんなさいでありがとう。

 撮りためた写真を公開するのが現在のありようです。古い写真もご容赦を。

 さて今日は,茨城県城里町の鶏足山(けいそくさん)からの眺望をお届けします。栃木県との県境にあり,標高430メートル。弘法大師伝説の山で,高さも山容もここらに連なる低山丘陵の一つに過ぎないと思えるのですが,なんか不思議な山なんです。妙にゆかしい。もし伝説通り弘法大師が鶏の声が聞こえたというこの山に何かを感じ何十年も滞在したというのなら,それも納得できます。何度でも来たくなる,そんな魅力のある山です。

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 そう思う人が多いのでしょう。近年訪れる人が増えて,駐車場やトイレも整備され,休日はそれもすぐに一杯になります。早朝に登って降りてくると,のこのこと昼頃に来て駐車場に入れないでいる人が早くどかんかいゴラァという目線を送ってきます。本来,こういう人がたくさん来る山には近づかない私ですが,この山だけは特別なのです。

 鶏足山に初めておいでになる方に一つ。地形図にある山頂のほかに,北側にもう一つピークがあるのでそちらまで足を延ばしてください。地形図の方の山頂に行くと,ここは山頂じゃないぞ!とかの私的看板がいくつかあるのでわかるかと思いますが。

 で,その北側ピーク。息を呑みます。周囲の高い木が切り払われていて眺望絶佳。北関東の大パノラマが広がるのです。以下,2017年2月4日の写真をご紹介しますが,一部他日のもあります。ブログ用にサイズダウンし,コントラスト強調とかしています。北から西方向にパンしていきましょう。

 

八溝山(やみぞさん,1022メートル

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 真北に見えます。なんとこれが茨城県最高峰。頂上まで車で行けちゃいます。つくづく平らな県です。ウェールズの最高峰が1085メートルなのと似てますね。でもおかげで土地は広くて豊か。「常陸国風土記」にも「真面目に働けば誰でも豊かになれる国」とあります。・・・それでもやっぱり,高い山がないのは寂しいなあ。

 

那須岳(なすだけ,1917メートル

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 主峰茶臼岳は雪雲の中。条件が良ければ八溝山との間に安達太良山まで見えるのですが,今日は無理のようです。

 

高原山(たかはらやま,1795メートル

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 立派な山ですねえ。昔はスキー場で有名でした。手前の中腹に見える三角形は,地形図によると牧場のようです。

 

鬼怒川・湯西川方面の山々

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 名だたる名山に囲まれて話題に上ることもない山々ですが,奥に見える県境の峰々に至っては1700メートルクラス。いずれも茨城なら一つあるだけでヒーローになれる,名山の資格十分なものたちです。高校野球みたいなもんですね。ねえ君,私立なんかに行って何百人に埋もれるよりも,公立でスターになってみないかい?

 

さていよいよ,北関東の雄,日光連山です。

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女峰山(にょほうさん,2483メートル

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 左の高いところが女峰山で,右の崩落しているあたりが赤薙山あかなぎやま)。

 

大真名子山(おおまなこさん,2376メートル
小真名子山(こまなこさん,2323メートル
太郎山(たろうさん,2368メートル
温泉ヶ岳(ゆせんがたけ,2333メートル

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 真ん中の高いのが大真名子,右が小真名子,よく見るとその間にピークだけ覗いてるのが太郎山。左の谷間のごついのが温泉ヶ岳。いっぱいあるなあ,2000メートル級。一つくらい茨城に来てくんないかなあ。

 

男体山(なんたいさん,2485メートル

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 文句なしに日光の「顔」ですねえ。いい顔してるなあ。茨城にも「男体山」はあるのですが,この「本家」の前では名乗れません。冬の茨城県内各地からも,この爪でひっかいたような雪の筋がよく望見できます。これほど見ごたえのある山って,なかなかないよね。つくづく栃木県民がうらやましい。
 ところでこの写真。栃木県民が見ることのできない奇跡のツーショットなの,わかります? そう,男体山の左肩に,奥白根山が乗っているんです。
 くっついて見えますがこの二山,10キロ離れています。間に戦場ヶ原があったりして。奥白根山は雪雲に覆われていることも多く,まず,ふもとの栃木県からは見えない。東側に距離のある茨城方向からのみのツーショットなのです。

 さらにこの写真にはもう一つ,気になるものが写ってました。左下の,これ。

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 なんだろう? 秋の写真には写ってなかった。

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 としばし考えて,はたと気づきました。コレだあ!

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 すげええええ。さすが天下の華厳の滝。直線距離70キロをものともせずに,茨城から拝ませてくれるとは。
 そういえばこれも男体山が作ってくれたものでしたね。本当に得難い山だ。f:id:xjino:20170918132005j:plain

 

奥白根山(おくしらねさん,2578メートル

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 「白根山」が正式名称で,同名の山があちこちにあるので「日光白根山」と呼ぶのが妥当,であるらしい。でも私にはこの名が馴染みです。ここより北にこれより高い山はなし。ちゃんと活火山。狭義には,この溶岩円頂丘が「奥白根山」であるらしい。

 

錫ヶ岳(すずがたけ,2388メートル
笠ヶ岳(かさがたけ,2246メートル

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 奥白根山に登ると,西のほうにはるか見下ろせちゃうのがこれ。低いなあ,なんて思っていたら,実はこんなに高い山だったんですね。右のピークが錫さんで,左にちょこんと覗いているのが笠さんです。あまり登る人もいないらしい。もったいないなあ。茨城に来てくんないかなあ。
 
足尾の山々

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 冬に真っ白な南面が輝きます。白いのは木が生えてないところに雪が積もっているから。

 

皇海山(すかいさん,2144メートル

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 Sky-Sunだって。なんてポップなお名前。見る角度で山容がずいぶん違って見えます。栃木県側から登るのがとても難しい山だそうな。茨城に(以下略)。

 

袈裟丸山(けさまるやま,1961メートル

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 すっごい断崖の山に見えますが,ハイキングに人気とか。

 

赤城山(あかぎやま,1828メートル

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 一番高いのが主峰黒檜山。巨大成層火山が大噴火してカルデラを窪ませた姿です。そういう地質的な意味合いが私には面白い。ちなみに左裾のかなたに草津白根山が見えることもあります。

 

浅間隠山(あさまかくしやま,1757メートル

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 さてこれ。一体なんという山かとずっと疑問でしたが,最近こういう結論に至りました。自信ない。

 

浅間山(あさまやま,2568メートル

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 大活火山としておなじみ。この夏も火砕流の跡を見学してきました。純白の衣をまとい,長い裾をたなびかせ,地平線のかなたにそそり立つ。たくさんの人の命を奪ってきたというのに,なんと美しい姿でしょうか。神々しいとはこのことか。左に剣ヶ峰,右奥に見えるのは四阿山かな。

 

八ヶ岳(やつがたけ,2899メートル

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 いわゆる南八ヶ岳の峰々と思われますが,この手の山に登ることがないのでは詳しくは。はるか西南西方向のとんでもなく高いところに白く光っているので,初見では雲かと思っていました。直線距離で180キロ近く。信州方面に旅行して,八ヶ岳はとにかくあの立派な山容にいつも見惚れます。古い古い時代の大火山です。

 

富士山

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 直線距離190キロ。筑波山塊に邪魔されて,茨城県北から見える場所は限られます。見られただけでありがたや。ちなみに鶏足山頂は南西方向の視界がないので,富士山ポイントは中腹にあります。

 


 こういうのを山座同定というのでしょうか。平野武利さんの「山頂にて」という素晴らしい写真集を見て,ちょっとこういうのに憧れていました。平野さんのは赤外線フィルムを用いた本格的なものでしたが,私は素人なりに楽しんでみました。山名については浅間隠山以外はまあ当たらずとも遠からずかと。今ならカシミールとか使えば確認できると思うので,どうぞ。 


 白茶けた写真ばかりだったので ↓

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 フユイチゴの実も美しく,なべて世はこともなし。

 

 

 

 

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